住宅ローン控除とは正式名称を「住宅借入金等特別控除」といい、国の制度としては「住宅ローン減税」と呼ばれることもあります。
★適用要件は
①住宅は床面積が50平方メートル以上
②床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するもの
③一定の住宅ローンとは、返済期間が10年以上の割賦償還による返済方法の借入金とされており、自身の親や知人から住宅購入資金を借りても控除の対象になりません。
★還付額の考え方は
住宅ローンの年末残高(毎年12月31日時点の住宅ローンの残高)の1%相当額が、最大40万円(認定長期優良住宅などは50万円、個人間売買の中古住宅は20万円)その年に納税した所得税から控除されます。所得税から引き切れない額がある場合は、所得税の課税総所得金額の7%を限度として最大136,500円が住民税からも控除することができます。控除される期間は10年間なので、合計最大400万円(認定長期優良住宅などは500万円、消費税が非課税の中古住宅は200万円)が還付されます。なお消費税10%が適用された住宅を取得等して2019年(令和元年)10月1日から2020年(令和2年)12月31日までに入居した場合、期間は13年間に延長されます。この場合11~13年目は「消費税増税分(2%)÷3(年)」で算出した額と従来どおりの計算で算出した額のどちらか小さい方が控除額となります。
消費税が上がる(8%→10%)タイミングで、政府としても消費が大きく落ち込むことを危惧して拡充した背景があります。特に住宅は高額商品になるため、消費税も馬鹿になりませんからね。
では、ここからは実務のお話しですが住宅ローン控除はどのような手続きを取らないと受けられないのでしょうか??
その答えは、「確定申告」です!
★確定申告
住宅ローン控除を受けるためには、入居した翌年に確定申告をしなければなりません。確定申告の時期は、会社員などの給与所得者は購入・入居した年の「翌年1月4日から3月15日まで」で、自営業者など毎年確定申告を行っている場合は2月16日~3月15日の一般の申告と合わせて行います。
【POINT】会社員は、給与以外に収入がない場合、1年目に確定申告すれば次年以降は勤務先で年末調整によって控除が受けられます。
※2020年分(令和2年分)の確定申告期間は、新型コロナウィルスの影響で2021年(令和3年)2月16日(火)〜2021年(令和3年)4月15日(木)までです。期間中は、税務署が開いていない土日や時間外でも確定申告書を提出することができます。忙しくて税務署に行けないという方は、郵送やオンラインでの電子申告も可能です。
よくお客様からお問い合わせが多い必要書類についてご説明していきます!
★住宅ローンを受けるための必要書類は
①マイナンバーが記載されている書類
マイナンバーカードがお手元にない場合は、お住まいの市区町村役場で取得可能なマイナンバー記載の住民票の写し、もしくは住民票記載事項証明書で代用できます!
②確定申告書
会社員等で所得の種類が「給与所得」「雑所得(公的年金等、その他)」「配当所得」「一時所得」のみのかたは確定申告書A、それ以外のかたは確定申告書Bを入手しましょう!
→初めて確定申告される方も多いかと思いますので、不明点はお住まい所轄の税務署に確認すると良いです!
参考までに国税庁リンク(全国の税務署検索)を貼り付けておきます↓
//www.nta.go.jp/about/organization/access/chizu.htm
③住宅借入金等特別控除額の計算証明書
②と③は「その年分の確定申告書の書式」や控除額を計算するための書式で税務署に備え付けられています。国税庁のホームページからもダウンロードすることができます!
計算方法がわからない時は上記所轄の税務局に聞いてみると教えてくれます!
④源泉徴収票(給与所得者の場合)
給与所得者は勤務先から住宅を購入した年の源泉徴収票を取り寄せて下さい!
⑤土地・家屋の登記事項証明書
取得した土地や家屋は法務局に登記されているので、最寄りの法務局出張所に申請して入手しましょう!
⑥不動産売買契約書や工事請負契約書
住宅を購入した場合は不動産売買契約書、新築工事やリフォーム工事の場合は工事請負契約書の写しを、準備しておきましょう!
⑦住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書
住宅ローンを借り入れた金融機関から大体毎年11月〜12月の年末にかけて郵送されてくる証明書で、年末時点の住宅ローンの残高が記載されています。こちらは、2年目以降も必要になりますので毎年お借り入れした金融機関から郵送で届きます。その他必要に応じて認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、一定の耐震基準を満たす中古住宅は、それを証明する書類のコピーが必要になります→購入時の売主様に確認してみましょう!
最近では、スマホでも確定申告出来ますので是非こちらも参考にご覧下さい↓
//www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/index.htm
書類が揃えばお手続き自体は簡単ですのでご安心下さい!!
期間内に申告お手続きが完了したら、約1ヶ月後くらいに還付金が指定した口座にお振込されます。
(前段にも書きましたが、会社員の方は2年目以降は勤務先の年末調整でドッと戻ってくるので年末が楽しみになります笑)
★年末調整時の必要書類は
①「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」
10月下旬に税務署から送られてきます。
※1枚につき1年分で9年分(12年分)が1回に送られますので紛失しないように注意してください!
②「住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書」
毎年金融機関から送られてきますが、名称が異なる場合もあるので注意しましょう!
住宅ローン控除以外でも住宅購入で現在恩恵が受けられる制度があります!
それは、、、
「すまい給付金」です!
すまい給付金とは、消費税率引上げによる住宅取得者の負担をかなりの程度緩和するために創設した制度です。住宅ローン減税は、支払っている所得税等から控除する仕組みであるため、収入が低いほどその効果が小さくなります。すまい給付金制度は、住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない収入層に対して、住宅ローン減税とあわせて消費税率引上げによる負担の軽減をはかるものです。このため、収入によって給付額が変わる仕組みとなっています。すまい給付金制度は、2014年4月に消費税が8%に増税にされたことにより、住宅購入の負担を軽減する施策の1つとして生まれました。住宅ローン控除が所得税・住民税を控除する制度であるのに対して、すまい給付金は、現金が申請者に支給される制度となっています(但し、収入制限あり)。50歳以上の方でしたら、住宅ローンを使われなくても受けられる制度ですので嬉しいですよね!因みに、現時点での実施期間は令和3年12月までに引渡を受けることが適用要件ですのでお気をつけ下さい!
★主な要件は
- ①住宅の所有者:不動産登記上の持分保有者
- ②住宅の居住者:住民票において、取得した住宅への居住が確認できる者
- ③収入が一定以下の者[8%時]収入額の目安が510万円※2以下[10%時]収入額の目安が775万円※2以下
- (住宅ローンを利用しない場合のみ)年齢が50才以上の者※1
- ※1 10%時には、収入額の目安が650万円以下(都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)の要件が追加されます。
- ※2 夫婦(妻は収入なし)及び中学生以下の子供が2人のモデル世帯において住宅取得する場合の夫の収入額の目安です。
↓まずはこちらでシミュレーションしてみましょう!
【ご自身の控除額シミュレーション】すまい給付金&住宅ローン控除
http://sumai-kyufu.jp/simulation/
余談になりますが、皆様「ふるさと納税」されてますか??
実は、ふるさと納税されている方は住宅ローン控除で注意しなくてはいけない点があります!
住宅ローン控除とふるさと納税は併用することができ、控除可能な最大額は変わりません。ただし、確定申告をするかたの場合、両制度の恩恵を最大限に受けられないことがあるので注意が必要です。
確定申告をするとき、ふるさと納税の寄附金額はその人の所得税から控除されます。そのため所得税が減ることになるので、同じく所得税から控除する仕組みの住宅ローン控除の額が減ってしまうことがあります。
また、住宅ローン控除では所得税から控除しきれなかった額がある場合は住民税からも控除することができますが、その控除限度額は課税総所得金額の7%で最大136,500円までと上限額が決められています。このように控除される限度額が決まっているうえ、住宅ローン控除はふるさと納税分の控除後に適用されるので、上限額満額の控除が受けられないケースが考えられるのです。
住宅ローンあるあるシリーズいかがでしたでしょうか?
「住宅ローン控除」や「ふるさと納税」等消費者に身近な「税制度」に関しては、知っているか知らないかのほんの些細な差が大きな「差額」になってしまいます。次回は、そんな税制度での中でも、住宅購入時に大きな影響を与える「住宅取得等資金の贈与による非課税措置」についてお話ししていきたいと思います!
これは、相続対策にも直結するお話しです!知っているだけでかなりの節税対策になります!!
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