
所有者不明土地問題に新たな防止策

倒壊などのリスクがあるとして空き家対策特別措置法に基づく特定空き家に指定された物件について、先行して2020年から自治体からの要請には無償での情報共有を始めていました。2026年度から管理不全空き家も対象にする予定で、耐震性などに関わる部材に破損や腐食があったり、窓ガラスが割れたままになっていたりする物件が該当します。1件1000円の手数料も導入する予定だそうです。
管理不全の区分は2023年の法改正で新設したもので、自治体は適切な管理や対処を指導・勧告できます。持ち主が応じなければ、固定資産税の軽減措置を受けられなくなるペナルティも課しているため所有者の意識改革にもつながります。
人口減に伴って空き家は右肩上がりに増え、管理の行き届かない物件も多数出てきています。国土交通省によると、市区町村が把握した管理不全の空き家は全国におよそ50万戸あり、このうち約4万戸が特定空き家となっています。管理不全以外の物件も含め所有者不明の空き家は4万7000戸あります。日本郵便が持つ転居情報を活用すれば持ち主を突き止め、対処を促せる可能性に期待が膨らみます。
郵便法は郵便物の内容だけでなく、差出人や受取人の住所といった情報も秘密として守るよう義務づけておりますが、災害時や税の徴収に必要な場合など公的な必要性が高い場合は一部例外となるケースもあります。
そして、今回総務省の有識者会議で国交省、個人情報保護委員会なども交えて議論し、管理不全の空き家に関する転居情報は例外に含まれると判断しました。倒壊などは近隣住民らの命にかかわるほか、衛生環境や景観の悪化によって周辺の資産価格にも影響するためです。日本郵便は民営化後も全国約2万4000の郵便局網をほぼ維持してきました。
郵便物の取扱数は減り、2025年3月期は最終赤字に転落しました。空き家対策のような地域課題への貢献は社会インフラの意義を示す機会になるため新たな切り口での存在意義が評価されそうです。
今回の情報共有により今後、期待できる効果として以下のような流れが考えられます。
- ⚫︎自治体による積極的な空き家調査の加速
郵便網を通じて所有者が特定できるようになれば、これまで手詰まりだった案件も動きやすくなります。 - ⚫︎市場への物件流通の促進
所有者が判明することで売却や賃貸といった選択肢が現実味を帯び、地方に眠っていた住宅が再び活用される可能性があります。 - ⚫︎固定資産税軽減措置の見直し効果
管理不全のまま放置すれば固定資産税の優遇を受けられなくなるため、所有者は「売却」「リフォーム」「解体」など具体的な決断を迫られるでしょう。 - ⚫︎地域全体の活性化
放置空き家が減り、住環境が整うことで移住希望者や若い世代の定住促進にもつながります。
こうした、情報提供は各分野でも活用されており2023年から弁護士会にも転居情報を提供しており、訴訟相手の住所が不明な場合が対象で、ストーカーや配偶者らによる暴力(DV)、児童虐待などの被害拡大につながる懸念がないか弁護士会が審査しています。
空き家を所有している方にとって、空き家を放置し続けることによるリスクは、今後さらに高まると予想されます。行政からの指導や税制上の不利益を受ける前に、早めの対策を取ることが重要です。特に売却を検討する場合は、地元の市場動向を踏まえた適正な価格を知ることが第一歩となりますのでお気軽に山信不動産式会社にご相談ください!
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