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増加の一途を辿る「所有者不明建物」に対策はあるのか⁉︎

空き家問題

山田 恵二

筆者 山田 恵二

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皆様、弊社SANSHIN picksをいつもご覧いただき誠に有難う御座います!

本日は、社会問題になっている所有者不明不動産関連の話題についてご紹介したいと思います。以前より、相続時に承継後の登記がされないままとなり所有者不明となる土地に関して当SANSHIN picks内でも何度か取り上げてまいりましたが本日ご紹介するのは「建物」です。

先日、各メディアを通して法務省が登記がされていない「所有者不明建物」の対策に乗り出すことを発表しました。未登記の建物は全国で1000万を超える可能性があり、実態調査を進めて原因を把握し対策に乗り出す構えです。法務局の登記官が職権で所有者に関する情報を収集することを検討するなど今後も議論が続きそうです。所有者を特定できない建物は震災時の復興の妨げになるほか、再開発や道路整備などの障壁になってきました。地震や台風など天災の多い日本では、倒壊の危険性が高く周囲に被害を及ぼしかねない空き家が所有者不明であることも多く社会問題へと発展してきました。

現在、不動産登記法では建物を新築した場合などには、1カ月以内に「表題登記」することを義務づけています。表題登記は建物の存在を公的に記録するもので、所在地や構造、所有者の氏名といった事項を記載しなくてはいけません。もちろん罰則もありますが、登記を怠った場合の罰則は10万円以下の過料にとどまります。このため古い物件を中心に登記せずに放置されているケースは正直少なくないです。

法務省は2027年にも未登記の建物に関する調査を始める方針と発表し、自治体に協力を求め、未登記になっている原因や課題を洗い出す考えのようです。中には登記がされていなくても、自治体が独自に把握し課税台帳に記載されている建物もあります。こうしたデータを集約すべく、自治体が所有に関する情報をどのように収集しているかも調べる方針となりそうです。

これに先立ち、全国の自治体を対象としたアンケートを2月までに実施したところ、回答を得た760自治体にある3610万の建物のうち、2割強にあたる800万戸ほどが未登記だったことが判明し顕在化しました。これはあくまで氷山の一角に過ぎず、全国レベルではでは1000万を超える可能性があると推計しています。現在は自治体が中心となり所有者を特定する作業を進めておりますが、課税台帳や住民票などを突き合わせて所有者を調べる必要があり、特定作業に時間がかかり労力もかかりそうです。

特定に至るまでには数年かかることもあり、人手不足に悩む自治体では大きな負担となります。今後、人口減少が進めばさらに自治体の人手不足が深刻になるため、政府の対策が強く求められそうです。


法務省は実態調査の結果をもとに、各地にある法務局の登記官が情報を集めて登記できるようにするといった取り組みを模索しているようですが、所有者が申請する意欲を低下させてしまう可能性もあり、必要な地域に絞るなど慎重に検討を進めているようです。メディアの一部報道によると、法務省が自治体に未登記の建物を巡る課題を聞いたところ、耐震化が必要な建物や被災した建物の把握が困難になるといった意見が出ているほか、課税できていない可能性を指摘する声もあったそうです。未登記だと空き家を仲介する「空き家バンク」も活用しにくいといった難点もあります。被災した地域では自治体が建物を解体し、費用を公費で負担する「公費解体」という手続きがあります。解体には原則として所有者の同意が必要となりますが、2024年の能登半島地震では同意確認が難航し工事が遅れたケースもあり難しい課題となっています。未登記の建物は1970〜90年代に建てられたものが多く、各金融機関では融資の際や住宅ローンを審査する上でも購入物件の登記を求めることで現在は多少の抑止力となっています。しかし、こちらも取引の需要があるエリアとそうでないエリアとで大きく差が出てしまいます。少子高齢化が進み、登記されていても土地の所有者が不明になるケースが後を絶たないため政府では、その他にも不動産の所有情報の把握も強化しています。2024年には相続における不動産の登記申請を義務づけ相続発生後3年以内の登記を求めるように制度を強化しました。2026年4月にも不動産の所有者が住所や氏名を変更した際の届け出を義務づけることでより正確な登記情報の義務化を強化しています。我々も日々の不動産取引において、登記情報は生命線です。当記事の住所から変更が生じていても取引前までは変更の申請をしないことが当たり前になっています。

こうした細かい登記情報の適正化を自治体だけに任せるのにも限界があるため今後、政府との連携だけでなく民間事業者の協力のもと不動産情報のDX化へ向けた良いタイミングなのかもしれません。前回の SANSHIN picksでも取り上げたような衛星情報とのリンクでAI技術と連携できれば所有者不明建物の早期データ集約に役立つと思います。




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