
需要の限界か⁉︎狭い億ション現象
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本日は、新築マンション市場では常態化している「狭小マンションプラン」の価格設定にも限界がきている話題についてご紹介したいと思います。販売価格を抑えるために考え出された狭小化にも需要との狭間の中、資材高騰や人件費高騰の勢いにそろそろ限界がきているようです。

不動産経済研究所が先日発表した首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の1〜6月の新築分譲マンション平均価格は前年同期比13%上昇の1億135万円でした。1億円超えは初となり、専有面積を縮小する動きも強まり「狭い億ション」が目立ち始めています。地域別では東京23区は9%上昇の1億4249万円となり、1973年の調査開始以来の最高となりました。千葉県や神奈川県、23区以外の都内も上昇しており、埼玉県は1%下落の6469万円という結果でした。供給戸数は1%減の7989戸と3年連続で1万戸を割っており。用地取得難や資材・人件費の上昇が続き、不動産デベロッパー各社は採算を見込める高額物件に軸足を移し始めています。
「億ション市場」は新築価格が高額になる一方、住宅の面積は狭くなってきています。1億円を超す新築1戸当たりの平均専有面積は、2025年に68㎡と10年前に比べて15%縮小しています。100㎡を超えていた2000年代前半より約3割小さい計算になります。
当たり前の相場になりつつある1億円台の物件の買い手は富裕層から共働き世帯へと変わってきました。高くなりすぎて買い手がつかないことを避けようと、面積を縮小して価格を調整する動きが数年前より各社デベロッパーの主流プランとなってきました。
それでも、東京23区の新築1㎡当たりの面積単価をもとに単純計算すると広さ70㎡のマンションの取得には1億5582万円が必要となり、子育て世帯が新築で十分な広さを確保するハードルは高いです。
国土交通省は、大人2人と子ども(6〜9歳)1人の3人世帯で70㎡などとする住宅の広さの目安を定めていましたが、2026年度からの住宅政策の方向性を示す「住生活基本計画」では削除されてしまいました。目安と現実との乖離が背景にあるとみられます。
しかしここにきて、需要の動きに変化が出てきています。なんと、パワーカップルの新築離れが起き始めています。共働きで世帯年収は約1500万円でも、都心の新築マンションを断念して都心から外れた区内で1億以内の戸建てを購入するという選択肢も多いです。そこには、将来的に家族が増えたことも考え「広さ」の優先度が立地に勝っているところにあります。
しかし、こうなると不動産デベロッパーは価格の上昇を抑えるため、設計面で工夫を重ねざるを得ません。各社思考を凝らす中、ただ全体の面積を減らすだけでなく住戸内の廊下を短くして無駄な空間を減らし、限られた面積でも居住空間であるリビングやダイニングを広く取るプランを考案しています。建設費や地価の高騰で事業化のハードルは高まっていますが、実需層が手が届く価格を目指すことで企業努力がどこまで身を結ぶか興味深い部分ではあります。
新築マンションの高騰が続く中で、どんな住まい選びをするべきなのか?
マンションのように金融資産と捉え、短中期的に売却も視野に入れその売却益で次の住まいの資金計画に加算する考えも一つですが、年収から借りられる融資額にとらわれず、教育費や老後資金を含めた計画を立て、金利が上がっても無理なく返せるかを見極めることも選択肢としては大切です。
一方、中古市場でも東京23区の中古マンション価格が2年2カ月ぶりに下落してきており、新築の勢いに便乗してきた中古マンションでは間取りや広さこそ需要にマッチしても価格帯で調整していかなくてはならない状況になりつつあります。実需層の手が届かない高額物件が増えるなか、高値での売却を期待しにくくなった投資家らの需要も鈍っているようです。
各ご家庭で住まい選びの優先順位はそれぞれです。広さを求めるか、先々の投資として捉えるか、通勤や通学を考え立地最優先なのか、新築が良いのか?などなど不動産価格高騰の状況下である今だからこそ改めて自身の需要について見直す必要があるのかもしれません。
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