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注目の外国人購入規制に進展

政治関連

山田 恵二

筆者 山田 恵二

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本日は衆議院選挙でも公約として話題となった不動産の外国人購入に関する規制についてご紹介したいと思います。

政府・自民党は夏の外国人政策のとりまとめでマンションなどの不動産の取得規制には踏み込まない方針を明らかにしました。実態把握に時間がかかるため調査やデータ集積の環境整備を優先することになりました。これに関しては、世界貿易機関の「内外無差別」原則などとの兼ね合いもハードルとなっています。

自民党の外国人政策本部は、国土交通省が実施する国籍情報を含むマンション取引実態調査の結果も踏まえ、改めて、取得規制について検討すべきと慎重な判断となりました。政府は有識者会議で外国人による土地取得などのルールのあり方を検討しており、会議では現時点で取得規制すべきだというデータや理屈が整っていないと後ろ向きな意見も多かったようです。外国人の不動産購入規制が出てきた背景は複数あります。一つには、安全保障の観点、もう一つは、住宅価格の値上がりの要因の一つと疑われる投資目的の購入です。前者は根拠が乏しく、国際法との整合性も重要です。また後者は、外国人が買い手とは限らず仮にそうだとしても確かなエビデンスがないまま進めることにもセンシティブな問題だけに慎重になっています。結果として、どちらも外国人の不動産購入を規制する根拠にはなり得ないと判断したことは、排外主義的な主張に惑わされない対応になったといえます。住宅価格高騰は、外国人投資家による投機だけの要因では無いことが重要と言えます。今後、都心部の住宅価格の値上がりへの対応については、利上げ等の金融政策だけではなく住宅を社会保障政策の観点から議論することが必要であるように思われます。

こうした中、法務省は今年の10月から不動産登記の申請書に国籍を記入するよう義務付けることも併せて発表しました。パスポートや住民票など国籍が確認できる本人確認書類の提出を求めます。国籍情報は内部情報として保有し、登記簿は法務局の窓口などで申請すれば第三者が閲覧できるため個人のプライバシーなどに配慮して登記簿には記載しないルールとなりそうです。また、デジタル庁は国籍情報を政府内で共有するデータベースを2027年度にも整備し、同庁が管理するデータベース「不動産ベース・レジストリ」を活用するとのことです。

国土交通省が購入者の住所を調べており、国外に住所のある購入者が2025年1〜6月に不動産登記した物件は、東京都心で7.5%、東京23区では3.5%だったそうです。しかし、外国人の割合がこの数字とは限りません。国際法上の課題もあります。WTOの加盟国同士で結ぶ一般協定には外国人や外資企業への差別を認めない「内外無差別」という原則があります。

米国や韓国はGATS加盟時に留保条項を付けたため厳格な規制ができています。日本は外国人の土地取得を規制する留保を盛り込んでいないため、国際協定の順守の観点から規制にはハードルがあります。もしこの政策を推し進めてしまうと国際問題に発展する可能性も出てきます。さらには、外国人のみを規制の対象にしても、日本人の背後で外国人が事実上の所有者となる「抜け穴」が生まれ問題も拭えません。

外国人の不動産取得規制論は遡ること2025年7月の参院選で急速に浮上しました。参政党が法規制を唱え躍進したからです。自民党と日本維新の会も10月の連立政権合意書に「2026年通常国会で、外国人および外国資本による土地取得規制を強化する法案を策定する」と明記していました。近年、都心での不動産価格の高騰が背景にありました。不動産経済研究所によると、2025年度の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンション1戸当たり平均価格は9383万円にまで上昇し、5年連続で過去最高を更新している状況です。都心マンション価格の高騰は、コストプッシュに加えてナフサショックという外部要因もありますが、円安・株高を契機として投資・投機、相続税対策、資産付け替え需要などを呼び込んだ結果ともいえるため、外国人による短期売買が値上がりの背景にあるとの指摘が出ましたが、裏付けるデータは乏しく現段階では短期売買にかかる譲渡所得税39.63%を大幅に引き上げることが価格抑制の本丸なのかもしれません。


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