日銀「指し値オペ」発動
皆様、弊社ブログをいつもご覧頂き誠に有難うございます!
本日は長期金利の上昇が話題の中、10日に発表された「金利抑制策(指し値オペ)」についてご紹介したいと思います!
以前より、当ブログ内でご紹介していきたこの金利上昇について、とうとう日銀に抑え込む動きが出てきました!米欧の長期金利の上昇が日本にも波及し、日銀が許容範囲と考える0.25%に迫ってきたためです。日銀の狙いとしては、市場の混乱を事前に抑え、投資家にくすぶる金融緩和の縮小観測を牽制するところにあります。今までの指し値オペは実施当日に発表されていましたが、今回の発表はこの連休前だったのがポイントだと思います。この事前発表により債権市場の波乱を抑え込むことができれば日銀も無駄に国債を買わずに済む狙いがあると私は思います。しかしながら、連休明けに長期金利がさらに上昇していた場合、0.25%の金利で10年物国債を無制限に買う見込みです。
ここで少し金利についておさらいしたいと思います!
金利は大きくわけて2種類あります。「短期金利」と「長期金利」です。短期金利は、中央銀行が市場に供給する資金の量を調節することで決まってきます。国内では、「無担保コール翌日物」が代表的な指標となっています。銀行(金融機関)同士でその日にお金を借りて翌日に返す取引の金利のことで足元では、マイナス0.02%ほどです。それに対し、長期金利というのは国債が取引される債権市場で、需要と供給の関係によって決まります。以前のブログでもご紹介しましたが、一般的には10年物国債の利回りを長期金利の指標として使います。国債の価格が上がれば金利は低下し、価格が下がれば金利は上昇してしまう構図です。
なので、日銀が国債を大量購入することで長期金利上昇をおさえることにつながるかという仕組みですが近年ではこうした市場の機能が十分に働いておらず日本をはじめ欧米諸国の長期金利は極めて低い水準となっています。ですので、以前ほどの効果がどれだけ期待できるかは不透明になりつつあります。
日銀の国債大量購入による異次元緩和の歴史は、2013年に始まりました。2016年以降にもマイナス金利の導入によりイールドカーブ・コントロールの柱にしてきました。前回は2018年7月で変動幅の上限を「0.1%程度」に設定していましたね。実際、民間投資家の国債売り注文が減り金利上昇を抑えました。今まで、これだけの施策を打ちながら低金利を維持してきただけにここにきて欧米の金融政策の影響をうけ、金利上昇を容認してしまうと株安などの市場の混乱に繋がってしまいます。一方で、強引な金利抑圧も国債市場の取引低迷や財政規律の緩みを招くだけでなく、海外との金利差により為替市場でも円安の進行を促進してしまう恐れもあります。しかし、実際に今後円安により国内の物価も上昇していけば、いずれにせよ金融緩和も縮小せざるを得ない部分もあります。こうした副作用も出てきてしまうので難しい舵取りには変わりありません。
原油高騰やインフレ懸念によるアメリカの金融政策転換に右にならえとはならないのが今の日本の中央銀行の考えではありますので、今回の国債大量購入発表で市場の動きに注目が集まりそうです。我々不動産業界としても、金利上昇は無視出来ない話題ですので今後も最新の動向を紹介していきたいと思います!
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