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タワマン節税にメス!〜タワマンの本質とは〜

タワーマンション

山田 恵二

筆者 山田 恵二

不動産に関する事なら何でもご相談下さい。
特に、マンションに関しては長く扱ってきた経験もございますので将来のトレンドを見据えたご提案はもちろん、住宅ローンや税金に関しても細かくご説明致します。
自身の購入や売却といった実際の取引経験も交えてお客様一人一人に合わせたご提案を心がけております。

皆様、当社ブログをいつもご覧頂き誠に有難うございます!
本日は、以前より話題の「タワマン節税改正」について本格的に算定ルール明らかになって参りましたので今後のタワーマンション市況予測も交えつつ皆様にご紹介していきたいと思います!

タワーマンションのご紹介を得意としている当社としても、なかなか無視出来ない話題です。。

タワーマンションに多方面魅力を感じている私にとっても、センセーショナルな話題ですが、裏を返せばタワーマンションにはそれだけ無視できないほどの需要とメリット(実需性・資産性や税制度面)が多いという話で、「住める金融資産」としてどう捉えるかが本日お話しするテーマです!
まずは、概要からお伝えすると、もともとマンションやタワーマンションというのは相続評価額が実勢価格(市場取引されている相場)よりも低く、中でもタワーマンションは昨今の人気の加熱ぶりから市場価格が高騰しており、評価との価格差に乖離が目立ってきている点に国税庁が見直しすべきと指摘していました。2024年1月からの適用を目指す新たな算定ルールは、相続税評価額を「実勢価格」の6割以上に引き上げることが柱となる見込みです。2017年度の固定資産税見直しに続く改正で、国税庁としてはマンション高層階の低い評価額を利用した過度な節税に歯止めをかけたい狙いがあります。しかし、昨今のタワマン人気からも相続対策の目的で購入している富裕層以外の実需購入層にも影響は及ぶ可能性があります。鈴木俊一財務相も見直しの狙いが不公平の是正にあり一部の一般層に影響が出てもやむなしとの認識を記者会見で示しました。

それだけ、金融資産として捉えた際に「タワーマンション」というものがどれだけ魅力的かという裏付けにも感じます。

問題視されているマンションの相続税は資産価値を「時価(※実施価格:市場で取引されている相場)」に基づいて評価し、金額に応じて10~55%の税率を掛けて申告納税します。新たな算定ルールは、所有するマンションの実勢価格が分からない場合に、理論上の「実勢価格」を計算で導き出すのが最大の特徴です。国税庁が用意する新たな計算式に、納税者が築年数や階数などを入力し、算出された値を従来の評価額に掛けて算定、その6割を新たな評価額とするようです。気になる算定方式も今後は、明確に開示されると思います。

国税庁の調査で、評価額が実勢価格の平均6割となった戸建てとそろえる狙いがあるそうですが、結果としてマンションで実勢価格の平均4割程度にとどまっている評価額は6割以上に引き上げられる形になります。政府としても何かと支出予算のかかる国の財政金策として、税収入を上げるというのは残念ながら貿易等で対外的な国益が伸びない現状からするとなんとか国民から徴収し補填しようとする気持ち(国の経営という意味で)もわかります。しかし、マンションの実勢価格が上昇しているのは、今回均衡をとる為に比較対象としている「戸建」よりも一般需要があり、それにより取引も多くそれに伴う資産価値が上がってしまうという構造とは切り離すべき要素だと思います。あくまで、そうした資産価値の高いマンションを実需として購入した方たちは、売却すれば所得税として課税されるべきで、相続として不動産を次の世代に継承する際の課税を増税するのは相続人からすると「え??」といった気もします。

順序の話しになってしまいますが、問題視されているタワーマンションに関して言えば、利便性重視の需要から駅前などの狭い土地しかない中で供給せざるを得ない人口形勢に先にメスを入れるべきかと思ってしまいます。とはいえ、政府としても既にこうなってしまった構造上(1970年以降増え続けてしまったタワーマンション)、後付けでこれまでもマンション高層階の税負担の在り方を見直してきた経緯もあります。まず手を付けたのは「固定資産税」でした。2017年度の税制改正で、高さ60m超(約20階建て以上)のマンションで高層階の固定資産税の税額を引き上げました。中間階より1階上がるごとに約0.26%ずつ増え、1階下がるごとに約0.26%ずつ減らす方式です。40階建てで20階の税額が年20万円だとすると、40階は約21万円となり1階(約19万円)より1割高くなる計算となります。これに関して言えば狙いとしては大義上、税収入の増額もありますが少々国民に対するガス抜きの意味でパフォーマンス感も否めませんでした。

続いて今回、相続税評価額について見直しという流れを作りたかったのもあるかと思います。これでマンションを使った税負担の不均衡を是正する対策はひとつの節目となるわけです。見直しの背景には、少々お粗末な話にはなりますが現行の評価方法が高層マンションを想定していなかったことにあります。日本で初めて20階以上のタワーマンションが登場したのは1970年代のことで、建築技術の進歩や容積率などの規制緩和とともに増え、現在は全国に約1400棟以上にまで増え続けました。これも、前述でお話しした通り都心集中型(更には駅近集中型)になっていく働き方やライフスタイルの必然的形勢にあります。

不動産を使った節税策が注目され始めたのは、1980年代後半のバブル期からでした。路線価は地価の80%で、足元の上昇分をリアルタイムで反映しにくい性質があります。現預金を不動産に換えることで評価額を減らせる手法として広まり、節税目的の取引が地価高騰の要因とも言われていました。2015年の相続増税などを受け、マンション節税が富裕層の一般的な節税策としてメディアも大々的に取り上げ、一気に広まりました。今回、国税庁の見直しに拍車をかけたのが2022年4月の最高裁判決です(こちらの関連記事はコチラからご参照ください!)。不動産購入などを用いた過度な節税策を否認した国税当局の追徴課税を最高裁は適法と判断、そもそも算定法そのものの見直しが必要という判断になり、改正の議論が始まりました。

過去の税制改正で高層階の固定資産税は引き上げられたが、相続税までは影響ありませんでした。今回は高層階ほど税負担が増す可能性があり、適正化に向けた大きな見直しとなります。

冒頭でもお話しした様に、今回の影響は資産を多く持つ富裕層に限らず、これまで相続税を納める必要がなかった一般層にも及ぶ可能性があります。国税庁が全国のマンションで2018年のデータを抽出調査したところ、調査した半分以上で評価額が引き上げ対象となるそうです。

東京都品川区にある実勢価格約9000万円の高層マンションで試算すると、評価額は5200万円と2倍超に増えた。築3年で総階数29階のうち住戸は10階。子ども1人が相続した場合、従来は基礎控除を差し引いた税額はゼロだったが、新たな算定ルールでは約190万円となります。これに関しては、国税庁も一定の負担増はやむをえないと判断し公平性の確保に重きを置いた形になります。新たなルールは税収確保より制度の綻びを修正する意味合いが強いと主張はしていますが、2021年度の相続税による税収は2兆8千億円弱で67兆円の全体の税収の4%程度です。

現在、岸田首相は「新しい資本主義」を掲げ「分厚い中間層を復活させる」と訴えていますが、こうした方向性と矛盾しているとも受け止められかねないため、政府としてもしっかりと改正の意図を説明し、どのような負担が生じうるのかを明確にすることが重要になるかと思います。更には、これに伴い購入マインド低下を触発し、経済効果にもマイナス影響は出てきてしまいます。(なんだか、本末転倒になってきてしまいます。。)

今後検討すべきは、そうしたトレードオフ的な矛盾点を払拭出来るかどうかという点や、改正した際に都心と地方のそれぞれの算定方法の在り方など今後は精緻な検証も必要になるかと思います。

改めて、マンションをはじめとしたタワーマンションの本当の意味での購入意義や本質を見つめ直せるので「住まい」としても「金融資産」としてもこれだけ需要のある価値を再評価出来る事案に感じます。

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