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緩和マネー構図に転機か⁉︎

投資

山田 恵二

筆者 山田 恵二

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本日は、ここ数年日本の不動産相場を牽引してきた海外投資家勢が国内オフィスを4年ぶりに売越した話題についてご紹介したいと思います。

先日メディアでも取り上げてられ話題になっておりましたが、国内のオフィスビル投資に変調の兆しが出てきました。金利上昇に伴う海外不動産不況の余波で、相場のけん引役だった海外勢は2023年は4年ぶりに売り越しに転じる見通しです。賃料も新型コロナウイルス禍以降、上昇する傾向は無く、下落傾向にもあります。住宅を含む不動産投資全体は堅調だが、日銀が金融正常化を探るなか、緩和マネーを原動力とする構図は転機にさしかかってきています。気になるのは大型不動産の主な買い手だった海外ファンドはこの1年間、オフィスビルを中心に売り手に回っています。不動産サービス大手CBREによると、2023年1~9月の海外投資家の国内不動産購入額は約8300億円と前年同期比2割減った半面、売却額は約1兆500億円と2倍強に増加しており、差し引き2200億円の売り越しで、通年で売り越しとなれば2019年以来、4年ぶりとなります。

背景としてオフィス需要が薄れてきている要因もあります。オフィス仲介大手の三鬼商事によると、東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均賃料は10月まで39カ月連続で低下しており、10月時点は1坪あたり1万9741円と直近ピークの2020年7月(2万3014円)より14%低い結果となっています。

具体的には東京・汐留にある超高層オフィスビル「汐留シティセンター」においても、ビルの持ち分の大半を持つシンガポール政府系ファンド、GICが2023年夏から売却手続きを始めました。GICは都内で保有する他の大型オフィスビルも売却手続きを進めているようです。資産圧縮を急ぐ背景に海外の運用環境の悪化があります。2023年3月末までの運用成績は過去5年間の名目利回りで3.7%と16年以降で最低という結果でした。欧米のオフィスビルの価格が急落するなか、相対的に市況が堅調な日本の物件を売って埋め合わせようとしている狙いがうかがえます。9月下旬には汐留のビルの主要テナントで本社を構える富士通が同ビルから退去することが明らかになっており、足元でテナント争奪戦は激しく、代わりの入居者探しは難航する恐れがあります。

その一方、オフィス需要のもう一つの物差しとしてREITがあります。不動産証券化協会によると国内の不動産投資信託(REIT)の保有資産の4割をオフィスが占める現状があります。REIT市場では、オフィス市況の持ち直しを捉えようとする動きが広がっており、総合的な値動きを示す東証REIT指数が6月末比で1%下落し、用途別指数の「住宅」(7%安)や「商業・物流等」(3%安)もさえないなか、「オフィス」は2%高と堅調です。個別ではオフィス系最大手の日本ビルファンドが8%高く、中堅の大和証券オフィスも11%高い結果が出ています。オフィスは住宅に比べて変動が大きく、コロナ下でもオフィス賃料は下落が目立ったのは事実です。その分、今後は需要回復による大幅上昇への期待が高まりやすいところもあります。コロナ下では安定性が高い住宅系REITが投資家に好まれましたが、今後はオフィス系が「主役」になりつつあるという見方もあります。

日本の不動産市場が海外マネーをひき付けてきたのは日銀の金融緩和に伴う借り入れコストの低さによるところが大きかったため、金利上昇で投資妙味が薄れれば、日本の不動産に強気だった海外ファンドも方針を見直しする可能性は大きいです。三菱UFJ信託銀行の海外投資家調査では2019年時点で89%だった「強い・やや強い」投資意欲は足元で28%まで落ちているそうです。日銀によると国内銀行の不動産業向け融資は9月末に初めて100兆円を突破しました。バブル期の2倍で、総貸出額に占める比率もバブル期から5ポイント高い17%にのぼります。国土交通省の商業用不動産価格指数は10年比で約4割上昇したが、足元で伸び率は鈍っています。

とはいえ、オフィス空室率も6.10%と供給過剰の目安の5%を33カ月連続で上回る状況にありますが、ここ最近は4カ月連続で低下し、2年5カ月ぶりの低水準となりました。新型コロナウイルス禍前の2019年同月(1.63%)と比べるとまだ高水準とはいえ、業界関係者の間では「空室率はすでに天井を打った」との見方も広がってきています。さらには、オフィス需要の回復はREITだけでなく、大手不動産会社にとっても追い風になっています。三井不動産は6月末比で22%上昇、住友不動産は19%高、東急不動産ホールディングスも16%高と大きく上昇し、同期間の日経平均株価(1%高)を凌駕しています。外国為替市場で1ドル=150円前後まで円安が進んできており、ファンドなど海外マネーにとって、自国通貨建てでみた日本の不動産価格は「割安」に映るのでこうした海外勢を相手に、日本の不動産会社は安定した不動産売却益を見込め、売却資金を原資とする株主還元強化への期待も強いです。日銀の金融緩和先解除発表が現実味を帯びてきましたが、円安潮流と海外に比べ圧倒的低金利な追い風を差し引いた日本の不動産市場評価の「本質的な強み」が問われています。市場を温めてきた海外勢投資家の先見的動きにより今後、早々に市場操作が入りそうな予感はします。

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