為替市場が敏感に反応⁉︎マイナス金利解除の与える影響
皆様、弊社ブログをいつもご覧頂き誠に有難うございます!
本日は、いよいよ近づいてきた感のある日銀による「マイナス金利解除」ですが、為替市場がいち早く敏感に反応している話題についてご紹介したいと思います。
要因としては日銀による情報発信が影響しています。日銀の中川順子審議委員が「賃金と物価の好循環が展望できる」と先日の松江で行われた講演で発信すると、円相場は約1カ月ぶりに1ドル=147円台まで上昇しました。それに伴い、日経平均株価は500円近く下落しました。今月の金融政策決定会合を控えるなか、マイナス金利政策の解除を意識する市場の緊張感が高まってきました。発言の根拠として賃金設定に対する企業の姿勢に「明確な変化の兆し」があり、2%の物価安定目標の実現に向けて「着実に歩みを進めている」と説明しており、マイナス金利政策の解除など大規模な金融緩和策の正常化へ条件が整いつつあるとの認識を示唆しました。時期こそ明言はしなかったものの市場がこれほど敏感に反応したことに私個人としては驚きました。市場が鋭く反応したのは、日銀幹部による地ならしが続いていることも影響しています。2月末の高田創審議委員の講演あたりから2%の物価安定目標の「実現がようやく見通せる状況になってきた」と踏み込んだ発言をしており、市場も「いよいよ感」が出てきていると判断しているようです。
さらに植田和男総裁も昨日の参院予算委員会で「基調的な物価上昇率が2%に向けて徐々に高まるという見通しが実現する確度は、引き続き少しずつ高まってきている」と発言しており、金融引き締めに前向きな発信を否定しなかったとの受け止めが広がり円買いが膨らんだようです。
銀行などの金融関係者もこれを受けて3月中にマイナス金利解除の確率が一段と高まったとみていますが、マイナス金利解除の時期を巡り市場では未だに「3月論」と「4月論」に分かれています。しかし、ここにきて日銀から早期解除を意識させる発信が相次ぎ、3月論に傾きつつある感じがしていることが印象的です。端的に反映しているのが短期金融市場です。QUICKベンチマークスが算出する1カ月物の東京ターム物リスク・フリー・レート(TORF)は6日に0.0125%まで上昇しました。日銀が今月開催予定の決定会合でマイナス金利政策を解除し、短期金利がプラスに浮上すると市場が織り込んでいることをまさに示しています。
あとは、今月13日に集中回答日を迎える春季労使交渉の結果です。2024年の賃上げ率は4.5~5%を見込んでおり、賃金上昇を根拠に日銀は3月にもマイナス金利を解除する可能性はあります。欧州中央銀行では、政策金利を4会合連続で据え置いていますが、日米欧の中銀で金融政策の転換点が最も近そうな日銀に世界の注目が集まっています。世界的にはインフレ基調は鈍化するものの、賃上げ圧力の高まりから当面も粘り強く金融引き締めを続けそうな感じが漂っています。市場では、6月の利下げ開始がメインシナリオになっておりそうした意味からも、政策転換時期がどうなるのか日銀の動向が重要です。
さらに、米連邦準備理事会(以降FRB)の金融政策への思惑もドル安・円高傾向につながっています。パウエル議長は先日の議会証言で利下げについて「今年のある時点で始めることが適切になるだろう」と述べ、市場の利下げ期待をけん制しなかったので現実味が出てきています。
2月のADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数が前月比14万人増と市場予想(15万人増)を下回ったたことで、FRBの利下げ期待が高まり、米金利が一段と下がる中でドルが売られるといった状況にもなりました。市場がマイナス金利解除を織り込みつつある一方、断続的に円売りも出ています。日銀はマイナス金利政策を解除しても緩和的な環境を維持すると重ねて強調しており、円安の根っこにある日米金利差が開いた状態は続くとみています。とはいえ、市場はすでに3月か4月のマイナス金利解除を織り込んでいるので、日銀要因で147円台を抜けることは考えづらい状況になってきています。
はたして、マイナス金利解除は今月中にあるのか⁈それとも4月に持ち越しか⁈まだまだ、直前までわからない状況ですが、日銀関係者の発言一語一句が市場に与える影響は日に日に増してきているように思えます。
横浜市|タワーマンション|リノベーション|
|湾岸エリア|不動産
神奈川県横浜市中区海岸通4-20-2 YT馬車道ビル301
みなとみらい線 「馬車道駅」 徒歩2分
SANSHIN Real Estate