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本日は、金利正常化に向け企業の資金繰りについての話題をご紹介したいと思います。
「金利がることが正常化なのか⁉︎」低金利時代が長すぎた今の日本にとって何が正しい経済なのか正解の答えがわからない中、確実に借入金利が上がってきています。
今まで、金融緩和による低金利が生み出した恩恵に甘んじることなくしっかりと襟を正し、資金調達や生産性の効率化について当社も含め各企業も考えていかなくてはいけません。
日銀によると、貸出約定平均金利(ストックベース、総合)は2024年2月時点で0.787%と2カ月連続でゆるやかに上昇しています。2016年のマイナス金利の導入以降に低下が続いてきたが足元で下げ止まり傾向が強まってきています。融資の現場ではすでに長期金利の上昇を反映して借入金利は上がってきています。法人企業統計調査によると、2023年10〜12月期の全産業・全規模の平均借入金利は1.2%と、2四半期連続で0.1%上昇しています。東京商工リサーチが2月に約5000社を対象に実施した調査によると、借入金利が2023年1月と比べて上昇したと回答した企業は16%あるそうです。さらに、金融機関から今後の金利引き上げについて言及されたと答えた企業は26%あったそうです。
その他、低金利の融資を圧縮する動きもあります。日銀の利率別の貸出金残高によると、貸出金利が0.25%未満の残高は2023年2月から2024年2月にかけて8%減少し、0.25%未満の融資は2016年のマイナス金利導入以降、増加傾向が続いています。そこに関して言えば、政府が新型コロナウイルス禍の資金繰り支援として導入した実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の影響が大きいです。ゼロゼロ融資は一定期間の企業の金利負担をなくすため、平均借入金利を大きく押し下げました。帝国データバンクによると、2019年度の平均借入金利は1.36%だったが、ゼロゼロ融資の利用が急拡大した2020年度には1.1%と一気に下がりました。
帝国データバンクが約97万社の財務データを分析したところ、2022年度の平均借入金利は前年度比0.01%上昇しています。2007年度(2.33%)をピークに下がり続けていたが底入れしたようです。
ゼロゼロ融資の返済で無利子の借入金が減り、今後平均借入金利はコロナ禍前の水準に戻っていくとみられます。例えば奈良県の企業の2022年度の平均借入金利は0.66%と、2019年度比0.55%低くなっています。島根県は0.75%低い0.77%です。一方、茨城県は平均借入金利が1.25%と高い半面、2019年度との比較では0.15%低下にとどまっています。ゼロゼロ融資の押し下げ効果が大きかった都道府県ほど影響は大きくなっています。
そして気になるのは、マイナス金利解除が与える今後の短期金利への影響が焦点になります。銀行貸し出しの多くは短期金利に連動しているため、2024年に企業の利払い費が2023年比で最大36%増える可能性があると試算された結果も出ているほどです。これまで企業は金利低下による利払い費の減少という恩恵を受けてきました。マイナス金利導入前の2016年1月に1.108%だった貸出約定平均金利は足元で0.7%台まで下がっています。残念ながら本来であれば市場から撤退せざるをえない企業が生き残れた一因には、長年の低金利環境もあります。金利ある世界での企業の生存競争は、物価高や人手不足と相まって一層厳しさを増す結果を生む事は間違いなさそうです。
しかし、借入金利に底入れの兆しは出ているものの、まだ世界各国と比べても歴史的な低水準であることに変わりはありません。昨日公表された日銀短観における企業の資金繰り判断DIも高水準、つまり資金繰りが楽と答えた企業が大半という結果でした。今後の日銀の政策修正のペースも緩やかと予想される中、緩和的な金融環境は当面維持される見込みです。同時に、中長期的にみれば借入金利は着実に上昇していくと考えられます。日銀によるマイナス金利解除は、中小企業の金利コストを増加させ、いわゆる「ゾンビ企業」をふるいにかける役回りを、部分的・結果的に担うことになります。そして、今後は金利負担を賄うことができる付加価値の高いビジネスに経営資源を集中させていく必要性が高まっていくと同時に金利の正常化によって「生存競争が厳しさを増す」のではなく、漸く生産性の改善に着手できると考えることが大事なように思います。
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