日銀利上げ総裁選にも影響
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本日は、日銀の利上げ予測について今月開かれる自民党総裁選挙との関連話題をご紹介したいと思います。
今月の19〜20日に金融政策決定会合を控えている日銀ですが、米国経済の下振れリスクや8月に乱高下した株式市場の動向を念頭に、経済・物価が見通しに沿って推移しているかが議題になりそうです。7月末の前回会合で利上げを決めたばかりで、市場では今回は金利を据え置くとの見方が優勢ですが同じく今月27日に控えている自民党総裁選挙にも大きく影響する話題なので注目が増しています。
QUICKが8月末に実施した債券市場関係者への調査でも、利上げ時期を「2024年9月」と予想した割合は全体の1%とごくわずかでした。最多は「2024年12月」の48%、「2025年1月」が32%となっています。逆に、誰が総裁選で勝利するかは今後の金融政策に影響を及ぼしうるため日銀も注視しています。今のところ金融政策は総裁選の争点とはなっていないものの、出馬表明後、候補者によるこの話題についての言及は相次いでおり国国民からも熱い視線が送られています。
候補者によっても考えは分かれており、積極財政派の高市早苗経済安全保障相は政府・日銀が目標を立てて、まだ財政出動の手を緩めてはいけないとして利上げには反対の姿勢で、消費マインドを下げてはいけないとの考えが強そうです。小林鷹之前経済安保相は日銀による7月の利上げ決定後に株式市場が大きく変動したことをふまえ、利上げの判断は日銀とマーケット関係者の間で丁寧な対話をしっかり心がけてほしいとの考えを発言していました。林芳正官房長官は金融政策は日銀が検討し判断すべきで、外部が政策について詳しく言及することは控えるべきとしていました。注目の小泉進次郎元環境相は過去、安倍晋三氏、菅義偉氏、岸田文雄氏各政権で政府と日銀の対話やコミュニケーションを重視してきたことを背景に日銀の独立性を尊重したい考えを主張しています。河野太郎デジタル相はこれから金利が徐々に上がっていくことを前提に話している印象で、財政収支をいかに見通していくのかという議論がなければ利払いで首が回らなくなるとし、財政も健全化していく必要があるとの考えを発表していました。
総裁選の事前調査で1番支持率の高い石破茂元幹事長はインタビューで、追加利上げについて「いま利上げができる環境が十分に整っているかどうか、日銀の判断であることは百も万も承知の上で言えば、それが十分かどうかは議論のあるところだ」と話していました。茂木敏充幹事長は半年以内に、30年にわたるデフレからの脱却宣言ができる状況にしたいと具体的な金融政策にはふれませんでしたが周りとの足並みを揃えている様子でした。
過去、日銀は政府とデフレ脱却に向けた共同声明を2013年に決定しました。日銀は2%の物価安定目標に向けて金融緩和を進める方針を掲げ、政府は機動的なマクロ経済政策運営に努めるとともに、持続可能な財政構造を確立するために取り組むと盛り込んできました。デフレ脱却宣言となれば、共同声明のあり方について議論になる可能性があります。なぜなら、1998年に施行した現在の日銀法は「金融の調節における自主性は尊重されなければならない」と規定し、政策の独立性は法的に確保されているからです。一方、総裁、副総裁などの人事をめぐっては、政府が人事案を提示し、国会の同意を得ることが必要で、政治の影響を大きく受けます。
海外経済の動向も留意しなくてはなりません。国際的には、11月の米大統領選の動向も為替などを通じて日本の物価に影響をおよぼす可能性があり、ハリス副大統領が優位との見方が強まるとドル安・円高のシナリオが市場で意識されています。米連邦準備理事会(FRB)がどのような利下げの道筋を描いているかも為替に影響します。
今のところ、日銀は経済・物価が見通しに沿って推移していれば利上げできるとの姿勢を鮮明にしています。9月の決定会合でも実現の確度が高まっているかを再確認・再検証し、株式市場が乱高下し、なお変動が大きい点も考慮して判断しなければなりません。
米欧のこれまでの利上げの影響が、時間をかけて実体経済や金融面にどのように及ぶかには不確実性があるだけに利上げの判断だけでは経済状況にどのような変化や効果が表れるか不透明な部分もあり、今後日銀も難しい舵取りを強いられそうです。
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