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事業承継問題に光明⁉︎相続税評価見直しへ

相続

山田 恵二

筆者 山田 恵二

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本日は、非上場の中小零細企業が抱える悩みの一つ事業承継時の相続に関する話題をご紹介したいと思います。弊社には不動産に関するお問い合わせ以外にもこういった事業承継に関するご相談も日々受けております。企業が所有している不動産の承継以外でもその先にある会社全体の承継問題は避けられない事案です。何が問題か?その大きな要因は相続税です。不動産を所有する企業は不動産を取得した際の価格で算定する簿価純資産が大きれば、新ルールのもとでは評価額と相続税額が膨らむ傾向がみられます。

そんな中、非上場株の相続税評価を巡り、国税庁が企業の簿価純資産や利益から算定する方式に一本化する新ルール案をまとめたことが発表されました。この新ルールが施行されれば規模が小さい中小・零細企業は税負担が減る見通しです。事業承継を妨げず過度な節税を抑止する狙いもあります。2027年度の税制改正大綱に反映し、2028年1月以降の相続から適用を目指すとのことで、非上場株の算定方法を抜本的に見直せば現行ルールを定めた1964年以来初めてとなる大きな試みです。

新ルール案は企業の直前期末の純資産に今後5年間で見込まれる収益力を考慮し、一定の係数を掛けて求める内容となっており、5年間の利益は過去5年間の平均額などから算定し、マイナスの場合を含みます。

非上場株の相続評価を巡る国税庁の新ルール案について、様々なケースで評価額の増減を試算してみると新たな計算式では簿価純資産が大きいと相続税額も膨らむ傾向が明らかになりました。冒頭で触れたように不動産などを取得した際の価格で算定する簿価純資産が大きければ、新ルールのもとでは評価額と相続税額が膨らむ傾向がみられます。

収益力や純資産が中規模な会社は変化も小さく、仮に売上高2億6000万円、利益1000万円、簿価純資産2億5000万円の企業を想定すると新ルールで評価額、相続税額ともに1割ほど増え、増額分は評価が1000万円、相続税が240万円となります。

収益力が低く簿価純資産も小さい中小・零細企業は相続税が減るケースが多くなりそうです。従業員7人で資本金300万円、売上高1億円の想定企業は評価額が11%減。相続税額も28%減ります。

もう少し規模を小さくし、資本金が100万円で従業員1人の想定企業も評価額は1800万円から780万円まで下がり、相続税額は0円のまま変わらない結果となりました。売上高は4000万円、利益は100万円で簿価純資産も1300万円となります。

非上場株の評価は現在、業種が似ている上場企業の株価を参考にする方法などが使われています。近年様々な手法を組み合わせて評価額を圧縮し、税負担を過度に軽減する事例が散見されています。類似の上場株を参考にする現行ルールは廃止する方向となりそうです。

結果、試算では収益力が高く規模が大きい企業で現行ルールより評価額が上がり、相続税負担が増す傾向がみられ、一方で、収益力が高くない中小・零細企業はおおむね横ばいか減少しました。零細企業の多くは評価額が下がり税負担は軽減されるとして、懸念されていた事業承継への影響は限定的との見解が強いです。

今回このような改正が議論された要因として、非上場株は「時価」の算定が難しく、現行ルールに従いながらも評価額に差が生じていたことがあります。会計検査院が2024年に「評価の公平性が必ずしも確保されているとは言えない」と指摘したことから国税庁は2026年4月に有識者会議で見直しの議論を始めた経緯があります。

しかしながら、今回の施工で全体的には事業承継や企業成長に悪影響を与える可能性はゼロでは無いとして慎重な意見も出ているため今後どのように最終的な結論が出るかはまだわかりません。今後もSANSHIN picksではこの話題に注目していきたいと思います。


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