
需要増!相続土地国庫帰属制度
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本日は、相続した土地を国が引き取る制度「国庫帰属制度」について2023年の制度開始以降需要(利用者)が増えてきているという話題についてご紹介したいと思います。特に地方の相続した土地に関しては、管理などの維持が行き届かなく結果ただただ空き家として放置しているだけの不動産も多く、こうした需要が顕在化してきています。

数字で言うと、引き取り件数は2025年9月末で累計2000超と1年前の2.3倍に達しています。親の死亡で空き家になった実家など売却や賃貸が困難な不動産を自分の代で処分し、子や孫に管理負担を残すのを避けたい人が多くこうした先を見据えたうえでの決断が急増しています。しかし、引き取ってもらうにも当該土地が条件を満たし、一定の手数料や負担金を国に払う必要があることも知っておかなくてはなりません。
地方にある実家を相続した場合など、地元の不動産業者数社に賃貸や売却を依頼しても、実家は築年数が古かったり、最寄り駅から車でないと移動できない距離感だったりと、周辺の立地環境にもよりますが買い手も借り手も見つからずに年月が過ぎるケースは珍しくありません。
仮にそのまま相続した場合、実家の管理面では、固定資産税や火災保険、1回数万円の草刈り費等の維持費が発生してしまいます。費用だけがかかり続ける不動産を子や孫に引き継がせるわけにいかないとこの制度の利用を決断する人も多いようです。引き取りには審査手数料と負担金のほか、建物解体費なども考えると、総額で数百万円かかることもあります。管理費の何十年超分に相当しますが、老朽化した建物が倒壊したり、放火やごみの不法投棄で近隣に迷惑をかけたりするリスクも考えて処分に踏み切る気持ちはよくわかります。
国庫帰属制度は2023年4月に始まり、申請総数は2025年9月末で4374件となっています。審査には8カ月程度かかるのが目安で、審査済み2179件のうち帰属が決まったのは2039件と9割強の成約率です。宅地が743件の36%と最も多く、次いで農用地が続いています。申請は2025年度も月120〜150件程度で推移し、引き取りのニーズは今後も強くなっていく傾向にあります。
では、国庫帰属制度の手続きはどんな流れなのでしょうか?まず利用したいのは、全国50カ所の法務局が実施する事前相談です。予約制で対面、電話のほか2024年10月からウェブでの相談も開始しました。登記簿謄本や写真・画像といった土地の現況を示す資料を用意すると、法務局の担当者が引き取り条件に該当するのか、合わない場合はどうすればいいのかなどを具体的に助言をする流れになっています。
相談は1人1日1回30分まで無料で何度でもでき、土地を管轄する法務局が担当し、土地が遠方の場合は自分が住む最寄りの法務局でも可能とのことです。相談者の中には、都市部に住む地方出身の人が実家の土地を相談する例が目立つといいます。土地を所有する本人のほか、将来の相続などを見据えて家族や親族も相談できることが需要増につながっているように思えます。
実際に引き取りを希望する際は管轄の法務局に申請書のほか土地の写真や図面などを提出し、手数料は土地一つ当たり1万4000円を納付するかたちになります。法務局の審査は2段階に分かれ、まず申請時に書面審査を実施し書面審査を通過した土地を対象に現地調査を原則実施し、承認か不承認を決めます。
引き取りが承認されれば30日以内に負担金を納付しなくてはならず、宅地や農用地は土地一つ当たり20万円が基本となっています。負担金の納付を受けて、土地の所有権が国に移転するという流れとなり、移転後は国が管理・処分する権限を持つかたちになります。国庫帰属の手続きを円滑に進めるには引き取り条件を押さえ、相続が発生する前から親子で早めに準備することが大切です。申請時は建物があると却下され、隣地との境界が不明確で争いがある場合も対象外だったり、実地調査で一定の勾配・高さの崖があり保護工事が必要だったり、処分を求められる樹木などがあったりして管理・処分に過大な費用が必要と判断されると不承認になるのでなんでもいいわけではないのが注意点です。
こうした条件は事前相談や実地調査の際に法務局から指摘され、崖のケースなどを除けば対応可能な場合が少なくないそうです。例えば建物の解体費は木造なら1坪(約3.3㎡)当たり5万円程度を見込む必要があります。概算で言えば延べ床面積が150㎡の戸建てなら230万円弱必要ということです。不動産以外に金融資産がどれくらいあるかにもよりますが、一つの金策として親が保険金300万円程度の生命保険に加入するのも一案になります。国庫帰属制度を利用するにも、解体費や擁壁補強・樹木の伐採費用など引き取ってもらえる状態に持っていくのにまとまった現金はある程度必要になってしまいます。
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