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もう他人事ではない相続問題

相続

山田 恵二

筆者 山田 恵二

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本日は、相続税の話題についてご紹介したいと思います。他人事ではなく自分ごととして捉えてほしいこの話題ですが、40代の世代は両親が70代の方も多く後期高齢者の親がいる人は先々の自分の相続も見据えた対策や対応が求められます。そして、昨今この相続税収の増加傾向になります。2025年度は3.6兆円台と過去最高を更新する見通しとなっており、2015年に課税対象が広がった上、近年は都市部の地価上昇、少子化によるきょうだいの減少も税収を押し上げています。負担の裾野は徐々に広がっており、大相続時代が到来しつつあります。「お金持ちの家の子だけが支払う税」というイメージは過去のものになっています。

相続税とは、亡くなった人からの相続で引き継がれた財産に課される税金のことで、収入や資産が多い人の富を再分配する役割を持ちます。財産から借金などを差し引いた上で、妻や子など法定相続人の数に応じて決まる「基礎控除額」を上回ると累進税率で課税される仕組みとなっており、最高税率はかつて75%の時もあったが、現在は55%となっています。全国的に課税が生じた相続の割合を都道府県別にみると、2023年度に1割を超えたのは東京、愛知、神奈川、埼玉、京都、静岡、奈良、千葉、兵庫、大阪の10都府県と都市に集中しています。過少申告や無申告などの疑いが生じて国税庁が調査した件数は2023事務年度で8556件、申告漏れの課税価格は2745億円と、ともに前年度比4.4%増となりました。

10年前の制度では、相続税の基礎控除は5000万円プラス法定相続人1人1000万円だったため相続税の納税のかからない世帯は多くありました。当時は、土地の資産評価のベースとなる路線価についても1㎡84万円と今では考えられないくらい低かったです。それから10年が経ち、状況は一変しています。2015年から基礎控除は3000万円に法定相続人1人あたり600万円を足した基準に下がり、さらに地価の上昇で路線価は1㎡147万円と75%も上昇しています。

富裕層以外にも相続税の対象が広がっている事例は増えており、ここ2〜3年は当社でもこういった相談は増えています。財務省は2025年度の相続税収(贈与税含む)を3兆6930億円と過去最高を見込んでおり、基礎控除が縮小される前の2013年度と比べて2.3倍に増えたことになります。

国税庁のデータを基に全国で1年間に亡くなった人のうち相続税が生じた人の割合を計算すると、データのある2023年度で9.9%と10人に1人程度となるそうです。必ずしも人が亡くなったときに誰もが払う税金ではないものの、2013年度の4.3%からみると倍増していることがわかります。

日本総合研究所の試算では、1年間に国内で相続される資産は足元で46兆円程度になり、高齢化により死亡者数が増加するため、この金額は2030年に48.8兆円、2040年に51.0兆円に増える見込みだそうです。

相続財産の評価は「時価」で評価すると相続税法で規定されています。都市部を中心に地価は上昇し、株価も堅調な今こうしたことが他人事ではなくなってきています。少子化が進む中で亡くなる人は増えていく一方、亡くなった人の財産を受け継ぐ子どもの数は減っています。今後も相続税収は増加が見込まれ、1人当たりの相続資産が増えることで税負担の裾野も広がると予想されます。

受け継がれる財産の中身は変わってきました。バブル崩壊直後の1993年は土地が7割で金融資産は2割に満たない状況でした。その後は金融資産の存在感が高まり、2023年は現預金と有価証券を合わせておよそ11.9兆円と全体の5割を超えています。

経済全体でみると相続税は不平等を解消する大事なツールとなっています。資産は一部に偏り、世代を超えて格差が受け継がれるリスクがあるからです。長らく相続税はその問題を解消するとされています。税による所得再分配としてはこれとは別に所得税の累進税率もあり、会社から受け取る収入などが少ない人は税率が低く、多い人ほど税率が高い仕組みです。

一方、富裕層に多い株式の売却益は金額にかかわらず15%と一定のため、結果的に年間の所得金額が1億円を上回るお金持ちほど税負担率が低くなるという現象があるのも事実で、いわゆる「1億円の壁」と言われるものです。

歴代政権はこの問題を是正するため金融所得課税を強化する構想をたびたび検討してきましたが、投資で得た利益への課税強化は「貯蓄から投資」への流れと逆行する為、実現できていません。富裕層の金融資産の増加も税収を底上げしている可能性があります。相続税収の4分の3は課税資産が2億円超の相続となっており、相続税は支払い能力がある人に応分の納税をしてもらうための最後のとりでとなっています。

日本の相続税は世界的にみてもけっして低いわけではありません。財務省によると、米国は課税価格が約43億円を超えるまで負担率がゼロ%であり、ドイツも税の負担率は日本を下回ります。それでも、少子高齢化が進み、社会保障への支出拡大が避けられない日本の場合、税収確保と格差是正を実現する上で、相続税は無くてはならない税制なわけです。

こうした相続税を巡る制度改正は課税逃れとのいたちごっこの歴史でもあります。近年、高額なタワーマンションを購入して税負担を抑える行為が注目されている中、いわゆる「タワマン節税」が人気を博し、これに対し国は2024年にルールを作り是正に乗り出しました。この手法が下火になると、今度は不動産を小口化した金融商品を活用した節税が注目を集めました。政府・与党は2026年度の税制改正で対応する見込みで、この様に国が対策をとるたびに新しい節税手法が生み出されていく実情があります。

政府税制調査会は2023年の答申で、相続税を巡り「被相続人が生涯にわたり社会から受けた給付を清算するという考え方も重要だ」と指摘しました。高齢者は医療や介護など社会保障の受け手でもあり、その上で、家計の金融資産は2000兆円を超え、うち6割は60代以上が保有しているのが現状です。夫婦2人の高齢世帯のうち3000万円以上の金融資産を持つ世帯は2割を超えます。金融資産から本人が受けた医療に対応した金額の一部を公的保険に還元する仕組みも模索しなくてはなりません。金融所得や金融資産への課税はなかなか実現しないなか、今後高齢者の負担も考えると、亡くなった後に社会に還元してもらう方が現実的ではないかとも言われています。相続税の負担が社会保障制度の維持と具体的に結びつけば、過度な節税が収まるきっかけになるかもしれません。社会保険料も立派な税金ですので、負担ばかりが増える仕組みではなくこうした効率的な税徴収による財源確保の仕組みを再構築する必要があるのではないでしょうか?


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