
どこまで上がる?住宅ローン金利の行方
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本日は、政策金利の利上げ発表後の各金融機関が発表した最新(10月)の住宅ローン金利についてご紹介したいとお思います。長期短期共に上昇傾向が続いている住宅ローン金利ですが、気になるのはいったいいつまで?どこまで?上がるのかではないでしょうか。それにより、現在住宅購入を検討している方も買い時を思案しなくてはなりません。

みずほ銀行など大手3行は9月末時点で、住宅ローンの変動型金利を10月に引き上げると発表しました。みずほ銀行に加え、三井住友信託銀行とりそな銀行も上げます。6月の日銀利上げを踏まえた措置で、大手5行の最優遇金利は平均で前月比0.234%高い1.389%となる見込みです。みずほは最優遇金利を0.25%高い1.275%とすると発表、三井住友信託銀行は0.62%高い1.7%に、りそな銀行は0.3%高い1.25%に改めます。三井住友信託銀行とりそな銀行は優遇幅も見直しました。その他、9月に0.25%ずつ上げた三菱UFJ銀行(1.195%)と三井住友銀行(1.525%)は据え置くと発表しています。一定期間または完済まで金利が変わらない固定型金利は5行とも10月に引き上げるようです。10年固定型の最優遇金利は5行平均で前月比0.318%高い4.104%となる見込みです。住宅ローン金利は大きく変動型と固定型に分かれる。金利を定期的に見直す変動型は短期プライムレート(短プラ)を基準とし、日銀の政策金利の影響を受けやすいことで知られています。ローン金利への反映には一定の時間がかかり、今回は6月の利上げ分を踏まえたかたちになります。日銀は先月9月にも6月同様政策金利を引き上げ、大手各行は11月に今回のような短プラを見直すことになりそうです。このため12月から2027年春にかけて変動型のローン金利はさらに上昇する見通しです。
ここで過去の金利推移についておさらいしたいと思います。1990年代の変動金利は8.0%超という時期もありましたが、バブル崩壊以降、住宅ローン金利はほぼ一貫して下落しました。全期間固定金利の「フラット35(2003年以前は住宅金融公庫)」の金利も同様にほぼ一貫して下落してきました。しかし、2024年の政策金利の利上げ以降、金利は上昇傾向となっています。現在の変動金利は多くの銀行で1.0%程度となっており、今後も上昇が見込まれます。それでは、変動金利、10年固定金利、35年固定金利それぞれの金利推移や動向、最新のランキングを見ていきましょう。
ダイヤモンド不動産研究所調べによると2026年10月の「変動金利(新規・借り換え)」の実質金利ランキングについては、イオン銀行が1位となりました。調査した主要14銀行の住宅ローン金利について、4行が引き上げ、10行が金利を据え置きました。
上位銀行の変動金利の推移 以下は、新規借入の上位銀行の変動金利(表面金利)推移(前月比)です。
1位、イオン銀行 年1.120%(前月比±0.000%)住宅ローン 金利プラン・定率型(新規借入、頭金20%未満)
2位、三菱UFJ銀行 年1.195%(前月比±0.000%)住宅ローン(事務手数料型、ずーっと一律優遇コース)
3位、りそな銀行 年1.240%(前月比+0.300%)金利プラン・固定金利選択型・融資手数料型(新規借入、環境等配慮)
4位、みずほ銀行 年1.275%(前月比+0.250%)みずほネット住宅ローン(固定金利選択、ローン取扱手数料型、新規借入)
5位、SBI新生銀行 年1.340%(前月比+0.350%)住宅ローン 変動金利半年型タイプ(新規借入、SBIハイパー預金開設者限定) 2026年10月の「変動金利(新規借入)」の上位5銀行の住宅ローン金利については、3行が引き上げ、2行が据え置きとしました。変動金利の推移(主要銀行) 以下は、主要銀行の変動金利の推移(2018年1月〜現在まで)です。変動金利はもっとも利用者が多い金利タイプで、金利競争の主戦場となっています。
2027年以降も変動金利は上昇するのか?
2024年7月の日銀金融政策決定会合でゼロ金利政策が解除され、「金利のある時代」に突入しました。2026年9月には追加利上げにより、政策金利は1.25%まで上昇しました。これにより、多くの銀行は2027年4月から住宅ローンの変動金利の基準金利を引き上げます。実際の支払いに影響するのは2027年7月です(銀行によって異なります)。なお、10月時点で変動金利は1.0%以上が過半となっています。日銀はいまだ利上げスタンスを堅持していると見られ、2027年も1、2回の利上げがあると見ておくとよいでしょう。つまりは、2028年も住宅ローンの上昇は考えられるということです。
10年固定金利の動向 住宅ローンの10年固定金利は、長期金利(10年国債利回り)をベースにしている銀行が多いと考えられます。長期金利も2026年1月以降、上昇が続いています。6月には日銀が政策金利を引き上げたこともあり、長期金利は31年ぶりの高水準となっています。長期金利は日銀の国債買入れ減額計画や利上げ期待を背景に上昇トレンドが鮮明であり、引き続き金利上昇圧力は高いと見ています。2026年10月時点で多くの銀行の10年固定金利は3%台に達しています。長期金利の上昇が続く限り、この水準はさらに切り上がる可能性があります。
上位銀行の全期間固定金利推移 以下は、上位銀行の全期間固定金利の推移(前月比)です。
1位、アルヒ 年2.780%(前月比+0.370%)住宅ローン スーパーフラット5・4ポイント(新規借入・頭金50%以上)
2位、三井住友信託銀行 年3.330%(前月比+0.370%)フラット35S・手数料定率・金利Aプラン(頭金10%以上)
3位、楽天銀行 年3.330%(前月比+0.370%)フラット35S・金利Aプラン(頭金10%以上)
4位、イオン銀行 年3.330%(前月比+0.370%)フラット35S・Aタイプ定率・金利Aプラン(頭金10%以上)
5位、ドコモSMTBネット銀行 年3.330%(前月比+0.370%)フラット35S・買取型・金利Aプラン(頭金10%以上) 2026年10月の「全期間固定・35年固定金利(新規借入)」の上位5行について、5行が金利を引き上げとしました。フラット35(買取型)の金利は前月から引き上げで、3.830%でした。
35年全期間固定金利の動向 フラット35の金利は、前月から引上げとなりました。また、10年国債とのヒストリカルスプレッド(これまでの金利差)は0.6%を割り込むばかりか、その資金調達のために発行される住宅金融支援機構債券がフラット35の金利を上回るなど、異常な状態が継続してきました。しかしながら、長く続いてきたこの状況は解消されつつあり、長期固定金利は今後も上昇していくと見ています。フラット35の利用を検討している方は急いだほうがよいかもしれません。
一方、今回の9月の利上げの影響ですでに借りている人の適用金利は、ほとんどの銀行で2027年1月から、さらに7月にも上昇します。ただし、金利が上がっても毎月の返済額がすぐに増えるとは限りません。元利均等返済で「5年ルール」が適用される銀行では、金利が上がっても返済額は5年間据え置かれます。この場合、返済額は変わらないまま利息の割合が増え、元本の減りが遅くなります。反対に、PayPay銀行、ソニー銀行、SBI新生銀行など5年ルールを採用していない銀行では、金利の見直しが毎月返済額にも早く反映されます。「返済額が変わらないこと」と「利上げの影響がないこと」は別物である点に注意しましょう。
このように、日銀の政策次第で住宅ローン金利は将来的に上昇していく可能性があるため、金利タイプは慎重に選ぶ必要があります。長期金利は上昇傾向 長期金利(10年国債利回り)は、全体として上がりやすい流れが続いています。背景にあるのは、日銀が国債の買い入れを減らす方向にあることに加え、前述したように「今後も利上げがあり得る」という見方が残っているためです。2026年10月1日の日本の10年国債金利は3.095%です。長期金利が3%の大台に乗せたのは2026年9月1日(3.005%)で、1996年9月以来、約30年ぶりの高水準でした。その後も3%台で高止まりし、節目を超えて水準を切り上げています。上昇の背景には、日銀の追加利上げ観測に加え、積極財政による国債増発への警戒感があります。インフレ懸念と金利上昇圧力を背景に、基調としての高止まり傾向は続いています。
長期金利は住宅ローンの固定金利に影響を与えます。したがって、短期的な上下はあっても、中期的には固定金利は上昇が続く見通しです。なお、市場金利が上昇することで、銀行の資産運用のスタンスが変更となる可能性があります。
これまでは国債金利が0%近辺であったため運用の魅力が乏しく、住宅ローンを積極的に獲得してきましたが、国債金利が3%台まで上昇してくれば、「安全な国債で資産運用しよう」という銀行が増える可能性があり、結果として住宅ローンを無理に低金利で獲得する必要がなくなります。こうした銀行の資産運用の面からも、住宅ローン金利は今後も上昇していく可能性があります。
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