
住宅ローン人気はネット銀から地銀へ⁉︎
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本日は、金利が上昇する中弊社へお問い合わせの多い「住宅ローン」に関する話題をご紹介したいと思います。長らく続いた低金利時代に人気を博した「インターネット銀行(以降、ネット銀)」ですが、貸出残高が増えるあまり資金力問題を補填すべく他行よりも利上げ幅が大きくなってきています。そんな中、注目されつつあるのが「地方銀行(以降、地銀)」です。

先日、長期金利が30年ぶりに3%の大台に上昇し大きな話題となりました。そして、これにより各銀行が提示する住宅ローン金利の差が開き、個人の銀行選びに変化が出てきています。人気が高いネット銀に代わって、にわかに台頭しているのは地銀です。
今後、消費者は何に注目して住宅ローンを選択していくべきなのでしょうか?
その一つの理由に、人工知能(AI)を使った貸し出し審査の迅速化があります。銀行側としても運営コストの抑制につながり相乗効果から顧客を呼び込んでいます。AI審査の良さは、一瞬で審査結果が出るというのが最大の強みのようで、北関東地盤の常陽銀行では、2023年から住宅ローンの事前審査でAIを活用しています。2026年4月には申込者の信用力をAIで点数化する新たな仕組みを導入しており、年収や保有資産に加え、他行での借り入れ状況なども踏まえた分析が可能になり、審査の精度が大きく向上しているそうです。AI導入後は最短5分まで短縮し、全体の業務量も6割ほど減ったとのことです。広島銀行や十六銀行も同様の取り組みを進めており、AIによる審査効率化の流れが地銀に広がってきています。
効果は業務負担の軽減にとどまらず、すぐに審査結果を出せるので顧客へのアピール材料として他行と比較した際、非常に有効になっているようです。今までは一般的に事前審査の結果が出るまで1~2週間かかる場合もありましたが、常陽では最短即日で回答できるといいます。
この結果、徐々に住宅ローン選びにも変化が出てきているようで、住宅ローン比較サービス「モゲチェック」運営のMFSによると、7月の住宅ローンのシェアはネット銀が45%と前月から22ポイント低下しており、一方で地銀は33%と12ポイント伸びているといいます。さらには、4カ月連続のプラスとなり、比較可能な21年9月以降で最高になっています。
あれだけ人気だったネット銀の最大の魅力は「低金利」でした。しかし、住宅ローンの貸出残高が増え、資金に余裕がなくなってきたことでここに来て金利を大幅に引き上げています。9月の地銀の変動型金利が平均1.227%なのに対し、ネット銀は1.292%と完全に超えてきています。低金利という従来の強みが薄れ相対的に金利の低い地銀に利用者が流れているようです。
もともと、地銀を取り巻く環境は厳しい状況で、地方で築かれた資産が相続を機に、子ども世代のいる都市部へ流出するケースが増えてきています。住宅ローンは地銀にとって、物件取得を入り口に顧客との長期的な関係を築く重要な接点となるためここでの踏ん張りが今後の商機となりそうです。
メガバンクが住宅ローンと距離を置こうとするなか、大手行ではりそな銀行が受け皿を狙っています。大手行の中では比較的低い金利を提示しているからです。ソフト面でのサービスとしても、2025年には住宅探しを支援するウェブサービスを始め、夫婦などが理想の間取りや内装を入力すると、双方の希望を踏まえた総合評価を算出し、おすすめ物件をランキング形式で提案するなど従来の融資以外にも力を入れています。
今後は住宅の老朽化やリフォームに備えたサービスも拡充する方針のようで、住宅購入後も住み替えや資金計画を含めて継続的に接点を持ち、顧客との長い関係を深める狙いがあります。住宅ローン新規実行額は2028年度にグループ全体で1兆9000億円と2025年度比24%増やす目標を掲げておりその戦略は我々不動産業界としても気になるところです。
低金利の提示は顧客獲得の武器となる一方、銀行の収益を圧迫する要因にもなってしまいます。住宅価格の上昇で1件あたりの融資額は膨らみ、返済期間は長期化している中、そこにローン金利の上昇が加わり、延滞や貸し倒れのリスクが高まっていることで、とりわけ地銀にとってリスク管理の難易度は上がっていることにもつながってきています。しかしながら、住宅購入の底堅い需要はまだまだあるので今後各金融機関がどのような戦略を講じて新規顧客獲得していくのか注目していきたいと思います。
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