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金利上昇の影響が如実⁉︎今後のマンション価格は?

市況

山田 恵二

筆者 山田 恵二

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本日は金利上昇が続くなか、マンション中古市場にもいよいよその影響が顕在化してきた話題について紹介したいと思います。マンションの買い時はいつなのか?金利上昇のなか、住宅ローンを組んで購入するべきなのか?についても触れていきたいと思います。

動きが出てきたのは東京の中古マンション市場の人気エリアである湾岸エリアで、ここにきて値下げが目立ってきました。最初の売り出し価格から実際の成約価格までの値下げ率が1割を超えたマンションもあります。近年の価格高騰や最近の金利上昇を受けて実需層が購入に慎重になったほか、投資家の買いも鈍っていることが背景にあります。

マンション市場ではここ数年開発が目まぐるしい中央区の勝どきや晴海、江東区の豊洲や有明、港区の芝浦、品川区の天王洲アイルといった湾岸の物件は人気が高く、理由としては比較的内陸中心地に比べて相場が安いのと通勤などの利便性から選ばれています。しかし、最近は買い手が見つからず、売り出し中の物件が流通在庫として積み上がってきています。マンションリサーチの調査によると、湾岸エリアの値下げ率の平均は8月、10.21%で、東京23区のうちの都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)の8.70%、他18区の6.48%を上回る結果になっています。

調査で湾岸エリアの対象としたのは中央区の勝どき、晴海、月島、豊海町、江東区の豊洲、有明、東雲で1月までは都心5区や他18区に比べ値下げ率が低かったようですが、2月から急速に拡大しています。これらの湾岸エリアでは近年、再開発で大規模マンションが相次いで建設され、都心に近いエリアでありながら実需層が購入しやすい価格の物件もあり、20〜40代の共働きの子育て世帯などの注目を集めてきました。また、生活利便性の件でも大手デベロッパによる大型商業施設なども盛んに建設され整っており開発セオリー通り需要が高まっているエリアでした。

相場上昇に拍車をかけたのが話題になった「晴海フラッグ」でした。東京五輪・パラリンピックの選手村跡地のマンション群で、周辺相場より割安に供給され、実需層に加え、将来の値上がりを見込んだ投資目的の買いを一気に呼び込んびました。住みながら資産価値の上昇も期待する「半投半住」の購入も広げ新たな選択肢にも注目されました。マンションリサーチによると、湾岸マンションの中古物件の平均成約価格の直近のピークは2025年12月の1億4484万円で、約3年で8割高くなっているそうです。しかし、2026年8月時点では1億2273万円まで下がっています。では、なぜ湾岸エリアが特に下落しているのでしょうか?その要因のひとつとして考えられるのは、タワーマンションなどの大規模マンションが乱立する湾岸エリアでは築年数や間取りが似通う物件が多く、購入希望者が複数の物件を比較しやすいため、価格競争が起きやすくなっているのかもしれません。もともと分母が大きい購入者なので売却時もライバルが多くて当然ということです。

全体的にも、日銀の利上げで住宅ローンの負担の増加も意識されるようになってきています。住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」運営のMFSによると、最も低水準の変動金利は10月時点で1.33%と前年同月の0.77%から上昇しています。

例えば1億2000万円のマンションを購入するために頭金なしで35年の住宅ローンを組んだ場合、1カ月あたりの返済額は10月時点で35万7511円となり、前年同月は32万6033円で、約3.1万円増えている計算になります。さらには、投資家層の買いにも勢いがなくなってきています。外国人による購入も減っているようで、特に中国本土からの買いの鈍りを指摘する声が多いようです。日本で起業する外国人向けの「経営・管理ビザ」や永住許可などの要件の厳格化が購入意欲を冷やしていることが原因のようです。金利面だけではなく、急激に高騰したマンション価格が原因で逆算した際の住宅ローンの月々の返済額や借入可能額にも購入意欲低下に繋がっているように思えます。

では、見方を変えて年収面での購入目安はどうでしょうか。

不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が鉄道駅を中心としてエリアを分析したところ、新築物件の購入に必要な世帯年収の目安が1000万円以上となる駅が2025年時点で61.4%に達したとのことです。前年比で3.2ポイントも増えています(※2025年の首都圏新築マンションの供給で専有面積30㎡以上で最寄り駅から徒歩20分以内の物件が10例以上確認できた285駅を対象とし、駅ごとの平均価格を70㎡に換算し、住宅金融支援機構の年収倍率(中央値)をもとに、購入に必要な世帯年収の目安を算出)。

最も年収が必要となったのは東京メトロ千代田線の乃木坂駅で5658万円と驚愕のデータが出ています。データが確認できる2014年以降で初めて5000万円を超えるエリアとなっています。東京メトロ日比谷線の神谷町駅(4114万円)、東京メトロ銀座線の表参道駅(3787万円)が続いており、2024年に最大値だった都営地下鉄三田線の白金高輪駅は前年比8%低い3784万円と少し下がっています。目安となる世帯年収が1000万円以上1500万円未満の駅には、東京メトロ東西線の南砂町駅や東京メトロ千代田線の西日暮里駅などがあげられます。2025年は東武東上線の川越駅やつくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅も入り、高額な物件の供給が東京都心部から離れた地域でも目立ってきています。

世帯年収の目安が2000万円以上と想定される駅では、JR山手線の内側などのほか、2025年は都営地下鉄大江戸線の勝どき駅やりんかい線の天王洲アイル駅といった東京湾岸エリアが入っています。湾岸の人気エリアとしての存在感はいまなお大きく、長い目でみて下落が続くとの見方は少ないです。急激に値上がりした反動でしばらくは下落が続きそうではありますが、行き過ぎた上昇分が修正されれば緩やかな上昇局面に戻ると予測されます。今後も街の利便性の向上が湾岸の住宅需要を支えることになりそうで、築地市場の跡地で大規模な複合施設の整備が進むほか、地下鉄の構想も消えていません。エリアの成長に賃金上昇などで実需層の購買力がついていけるかが相場の関心事のひとつになりそうです。

今回はマンションの価格の変化という供給サイドに焦点を当てていますが、需要サイドでみると豊かな消費者の増加も大切な視点になっています。実際に政府の統計をもとにすると、世帯当たりの所得が1,000万円を超える世帯数は、児童のいる世帯でみると過去15年で約1.2倍、高齢者世帯では約2倍になっており、女性や高齢者の労働参加率の高まりが、購買力の高い世帯を輩出してい流のもポジティブな事実です。前段でお伝えしたような逆算をすればおのずと世帯年収で住宅ローンの借入による資金計画も算出可能です。マンション価格については短期売買などの問題が指摘されていますが、職場から近く、買い物、育児や介護などにとって利便性の高い立地は、豊かになる共働き世帯を支える社会インフラとしての需要を高めているという側面が強いため、そうした購入者の底上げによるものも大きいと思います。湾岸エリアにフォーカスを当てましたが、それだけの魅力と価値を創出していることに間違いはなく、いき過ぎた価格高騰が是正されるだけに留まるように思えます。金利に関しても世界的に見ればまだまだ日本住宅ローン金利は低水準です。家の買い時は「欲しいと思った時」です、金融機関の選定や物件選びの優先順位を変えるなど工夫することで余裕ある資金計画が実現できます。


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