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新築供給減・中古価格減傾向のマンション市場

市況

山田 恵二

筆者 山田 恵二

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本日は、最新の新築マンション・中古マンション市場についてご紹介したいと思います。新築供給は徐々に戸数が減少傾向にありますが価格帯は都心を中心に強気価格に変化はなさそうです、一方中古マンション市場はというと今年に入り徐々に高止まり感が出てきているようにも感じます。

不動産経済研究所は先日、2025年度(25年4月~26年3月)の首都圏マンション市場動向を発表し話題になりました。同年度の発売戸数は2万1,659戸(前年度比2.6%減)と、4年連続の減少で調査開始(1973年度)以来の最少を更新しました。地域別では、東京23区7,708戸(同6.8%減)、東京都下2,798戸(同40.4%増)、神奈川県4,997戸(同9.0%増)、埼玉県2,939戸(同14.2%減)、千葉県3,217戸(同18.8%減)と全体的にも減少傾向にあります。初月契約率は62.9%(同3.9ポイント低下)となり、3年連続で60%台で、即日完売戸数は510戸で、販売戸数の2.4%、販売在庫数は6,409戸(2025年3月末比293戸増)と昨年に比べ市場にも商品在庫はあるように思えます。

価格帯はというと、1戸当たりの平均価格・1㎡当たりの単価は、9,383万円・141万9,000円(前年度比15.3%上昇・同15.4%上昇)しており、平均価格は5年連続、1㎡単価は14年連続の上昇で、共に5年連続で最高値を更新しています。地域別では、東京23区が1億3,784万円・214万3,000円(同18.5%上昇・同20.9%上昇)、東京都下が6,823万円・105万円(同12.5%上昇・同10.5%上昇)、神奈川県が7,481万円・112万9,000円(同13.6%上昇・同11.9%上昇)、埼玉県が6,306万円・95万1,000円(同7.0%上昇・同6.0%上昇)、千葉県が6,828万円・96万円(同21.8%上昇・同19.6%上昇)と勢いが止まりません。東京23区の戸当たり価格は3年連続の1億円台と大台も突破しています。

なお、2025年3月度の首都圏マンションの発売戸数は1,425戸(前年同期比35.5%減)と3ヵ月ぶりに減少しました。初月契約率は64.5%(同11.7ポイント低下)と60%台となっており、1戸当たりの平均価格・㎡単価は、1億413万円・159万7,000円(同0.7%低下・同0.5%上昇)となっています。平均価格が11ヵ月ぶりの低下、㎡単価は11ヵ月連続で上昇しています。4月の発売戸数は1,000戸程度を見込んでいるようです。立地にもよりますが、「即日完売御礼」の文字が飛び交っていた新築マンションも徐々にその勢いが衰えてきているように思えます。

一方で中古市場は、不動産調査会社の東京カンテイが発表した直近3月の中古マンションの平均希望売り出し価格は、東京都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)で前月比0.2%安の70㎡あたり1億8732万円と2カ月連続で小幅下落しています。※調査は事務所や店舗用を除いた専有面積が30㎡以上のファミリータイプの物件を対象

高価格を敬遠する買い手が増えているようで成約が決まりづらくなり、売値を下げる動きが広がっています。都心6区で直近3カ月以内に値下げした物件の戸数は全体の44.3%を占めており、直近ピークだった2023年3月の44.8%に迫る水準となっています。とはいえ、都心6区の中古マンション価格は前年同月比で20%高く、全体的には2026年半ばまでは高止まりの状態が続くことが予測されます。

東京23区全体では前月比0.6%高の1億2425万円でした。上昇率は直近1年で最も小さいのが印象的です。都心6区以外のエリアでも流通在庫が増え、値下げする物件が目立ってきています。前段でご紹介したように、新築マンションの供給も少なくなってきている中、今注目を集めている中古市場ですが、価格帯も強気で提示していた個人オーナーが早期売却を考え価格交渉に応じるようになってきているのかもしれません。新築在庫が増えていく中、中古市場も在庫状況によっては値崩れを警戒しなくてはいけません。

2026年の住宅ローンは、「金利の上昇」「中古住宅への税制優遇拡大」が大きな節目となります。2026年は、長らく続いた低金利環境が明確に変化し、上昇傾向が強まっています。日本銀行の政策金利引き上げに伴い、変動金利にも上昇の波が及んでいます。一部の主要銀行では適用金利が1%を超えるケースも出てきており、返済負担の増加が現実味を帯びています。そして、これまで中古住宅(既存住宅)の控除期間は原則10年間でしたが、2026年からは新築と同じ13年間に延長されました。これにより、トータルの減税額が大幅に増えることになります。

さらに、中古物件でも、断熱性能が高いなどの「省エネ基準」を満たしている場合、住宅ローンの年末残高のうち控除対象となる金額(借入限度額)が引き上げられました。具体的には、長期優良住宅・低炭素住宅(中古)が3,000万円 → 4,000万円程度となり、ZEH水準・省エネ適合(中古)は2000万円〜3000万円台の枠を維持拡充しています。これまでは「中古なら一律2,000万円まで」といった制限が強かったのですが、質の良い中古物件を選べば、より多くの還付が受けられるようになっています。そして注目は、単身者や共働き夫婦が購入しやすいよう、床面積の要件が40㎡以上(従来は50㎡以上)に緩和されています。都市部のマンションなどを検討している人にとって、優遇を受けられる物件の選択肢が広がりました。いままで要件に入らず断念していた選択肢も増え市場活性化に大きく貢献しそうです。

政府には「建物の寿命を延ばし、中古市場を活性化させたい」という狙いがあります。また、新築価格の高騰により、中古を選ばざるを得ない世帯が増えているため、その負担を軽減する側面もあるため住宅購入検討者はこの機会を利用するのも良いかもせれません。


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