
中東情勢の影響で不動産価格にも異変が⁉︎

不動産経済研究所が先日発表した東京23区の平均価格は18.5%上がり1億3784万円でした。23区以外の都内は12.5%高い6823万円となり、神奈川県は13.6%高い7481万円、埼玉県は7.0%高い6306万円と全地区で価格が上昇しています。主要駅直結のタワーマンションや大規模物件の発売があった千葉県は21.8%高い6828万円と大幅に伸びました。一方、首都圏の発売戸数は2.6%減の2万1659戸と4年連続で減少し1973年度の調査開始以来過去最少を更新しています。東京23区も6.8%減の7708戸となっており、都心では開発適地の確保が難しく供給が減るなか、1㎡当たりの単価は214.3万円と他の地区に2倍近い差を付けています。不動産経済研究所は2026年度の首都圏の発売戸数を2万3000戸程度と見込んでおり、供給数はなお低水準にとどまりそうです。
こうした建築コストや土地代の上昇を受け、不動産デベロッパーは価格転嫁しても需要が底堅い都心や郊外の主要駅前など「一等地」に開発を厳選する動きを強めています。長谷工総合研究所によると東京駅から10km圏内における大規模物件(総戸数200戸以上)の発売は2025年に9棟と2024年から3棟増えた一方、10km以遠では13棟減の14棟へ半減しているそうです。
こうした新築供給数の減少に伴い、首都圏の中古マンション市場では新規の売り出し価格に対し、価格交渉を経て実際に成立した成約価格の伸びが鈍っており、実需層の購買力が追いつかなくなってきています。東日本不動産流通機構によると、2026年3月の1㎡あたり新規売り出し価格は111万円で成約価格と1.3倍の差が開いているそうです。2024年同月は売り出し価格が成約価格を下回っていました。
さらに、今後は中東情勢の影響によるナフサの調達不安もマンション市況に大きな影響を与えそうです。先日のSANSHIN picksでも取り上げましたが、現在ナフサを原料とする屋根材や断熱材などの建材が値上がりしユニットバスは供給不安に陥っています。マンション建築費のうち資材費は一般に半分程度を占めるため価格面でも波紋を呼びそうです。
デベロッパー大手の三井不動産や三菱地所でも今後の動向次第では、建築コストや販売価格、工期に影響が及ぶ可能性があることを認識し必要な対策を検討すると発表している状況です。今後の新築着工現場では資材の供給停止や遅れで工期が延びることはあり得るかもしれません。
直近を振り返ってみると、新型コロナウイルス禍でも部品工場の稼働停止や半導体不足の影響で、トイレや給湯器の納期が遅れたことは記憶に新しいです。中東情勢の先行きが読めず品不足の常態化が懸念されるなか、輸送コストも上がり資材値上げの動きは続く可能性が高いかもしれません。
不動産に限らず、全ての物価に影響を及ぼす原料不足問題は今後の中等関係次第では長引き景気悪化へ直結しそうで懸念されます。中東情勢が緊迫化する以前の日銀が発表したここ数ヶ月のデータでは、企業家計ともに所得や支出の両面で堅調さを示していただけに今後の景気をどれだけ下押しすることになるのかは不安です。
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