今後の日銀大規模緩和はいかに〜空転の20年〜
皆様、弊社ブログをご覧頂き誠に有難うございます!
本日は、今朝の日経新聞一面に掲載されていた日本銀行黒田東彦総裁のインタビュー記事から今後の物価上昇について考えていきたいと思います。
日本銀行(以下、日銀)の黒田東彦総裁はインタビューで「デフレの影響が人々のマインドセットに残っている」と述べ、今後も粘り強く大規模な金融緩和を継続する考えを強調しました。
伝統的な金融緩和策の手段としては短期金利の引き下げがありますが、日本の様な先進国では金利をゼロ%近辺まで下げても効果が限られるため日銀は2001年に初めて大量マネーの供給という量的緩和に踏み切りました。しかしながら結果的には、1%半ばまで一時いきましたがその後は失速してしまい、なかかな日銀が目指す目標の物価指数2%まではいまだに届いていないのが現状です。インタビューの中で、黒田総裁は大きく2つの要因をあげていました。一つは「賃金上昇と物価上昇の好循環が失われた為」と話しています。日本は、バブル崩壊後も雇用維持を優先する一方で、賃下げなどで人件費の圧縮を図ってきました。物価も賃金も上向かないとの将来予測が定着してしまい企業と家計の心理が萎縮していく結果となってしまいました。もう一つは、「構造改革の遅れで潜在成長率が高まらないこと」も低インフレの理由と語っています。当たり前ですが、日銀の力だけで日本の景気は変わらないと言うことです。政府による構造改革や、成長戦略があってはじめて量的緩和が活きてきますので、その相互バランスがしっかり歯車として噛み合わないと相乗効果は得られません。
しかし、結果として効果がゼロではありませんでした。為替市場は1ドル=90円台(2013年春頃)ほどだったのが現在110円前後まで円安が進みました。通貨安は短期的には外需を取り込むプラス効果はありますが、長引くと競争力を弱め企業は衰えてしまう副作用もありますので中長期的な見方では怖い部分もあります。
他国はどうかというと、新型コロナウィルスの危機対応としてFRBやECBもゼロ金利やマイナス金利を導入したり、国債・社債はもちろんMBSなども購入し日本同様に金融緩和政策は拡大方向に舵を切っています。
日本でも、大型金融政策(特に今まで日本で前例が無い施策の場合)を打ち出す際は、諸外国の過去の施策効果などをもって検証します。日銀は、2016年に短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する「イールドカーブ・コントロール」を始めました。これにより、資産価格は高騰し我々が取り扱う「不動産」においても全体的に価格は上昇しました。この頃のマイナス金利導入直後は、お問い合わせ含め一次取得の需要もかなり増えたのを記憶しています。不動産においては、購入者の大半が融資での資金計画になりますので賃上げよりも融資の実行金利が下がったことの方が購入マインドの上昇に繋がったのだと思います。
以前のブログでも、お話ししましたが経済の舵取りは本当に難しく「一気に全てがハッピー」になることありません。黒田総裁が頭を抱えながら実施している金融緩和策も当初予測していた20年後と現時点での経済状況には差異があると思います。しかし、現状を維持出来ているのもこの量的緩和策やイールドカーブコントロールなわけですから今後も、黒田総裁には今までの苦労を水の泡にしない為にも、金融緩和政策を長期継続していって頂きたいです。
不動産は金融緩和政策の影響を大きく受けますので山信不動産(株)でも今後、政府の成長戦略や日銀動向についても皆様にご紹介していきたいと思います!
- 横浜市のタワーマンション 山信不動産 -
横浜市|タワーマンション|リノベーション|
|湾岸エリア|不動産
神奈川県横浜市中区海岸通4-20-2 YT馬車道ビル301
みなとみらい線 「馬車道駅」 徒歩2分
SANSHIN Real Estate