不動産STOの可能性
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本日は、デジタル証券化不動産として今注目されている「不動産STO」についてご紹介したいと思います。
STO(Security Token Offering)とは、ブロックチェーン技術により権利移転を行なうデジタル証券「セキュリティ・トークン」を発行して資金調達を行なう手法で、不動産STOは不動産やそれに係る権利を裏付け資産とし、受益証券発行信託とよばれる仕組みにより発行される受益証券をデジタル証券化しセキュリティ・トークンとして発行することで証券会社が投資家に販売するものです。実際の不動産を売買するより流動性の高い取引ができ、小口から投資できることなど投資家に新しい金融商品として注目されています。以前より話題の「ブロックチェーン」とは、データ(取引記録)を正確かつオープンに記録できる仕組みのことで、「分散型台帳」とも呼ばれており、特定の管理者がいないことから、特定の人や組織に影響を受けることなく、公正にデータを保存したり、共有したりすることが可能です。また、ハッキングなど不正なアクセスによっても、データが改ざんされないという特徴があるため「ブロックチェーン上にあるデータは正しく検証可能なものである」と判断できまるため信頼性の高い仕組みなんです。
不動産取引においては、自分が不動産の権利を持っていることを証明するためや、権利の売買手続きのために第三者が仲介して取引をすることが一般的です。しかし、それには多くのコストや時間、手間がかかります。しかし、不動産STOを導入すると「不動産持分を保有している」というデータがブロックチェーン上に記録されるため、そのコントロール権である秘密鍵をもって保有を証明できます。そのため、第三者を介さずに信頼性が高い取引が可能となるわけです。
直近では実際の事例でいうと、不動産アセットマネジメント最大手のケネディクス株式会社は、「不動産STO」を実行し、物流施設「ケネディクス・リアルティ・トークンロンコプロフィットマート厚木I(譲渡制限付)」(神奈川県厚木市)の運用を開始したと発表しました。2021年8月より裏付けとなる不動産を拠出し、その物件の受益証券をデジタル証券化して投資を募る事業を手掛けていました。そして、今回裏付け資産とした「ロンコプロフィットマート厚木I」は、圏央道「県央厚木IC」から約1.5mに位置にある延床面積約1万6,068平方メートルのEAST棟および1万8,897平方メートルのWEST棟で構成されており、鑑定評価額は146億(22年5月1日時点)、還元利回りは3.2%(22年5月末日時点)と発表されています。セキュリティ・トークンは、6,915口発行し、1口当たり発行価格は100万円、発行価格の総額は69億1,500万円で運用期間は7年間と日本におけるSTOによる資産調達額としては最大規模となり話題になりました。
今回注目されているポイントとして、今までは、上場REITなどを除いた不動産証券化商品や不動産特定共同事業出資持分については、株式を売買しようとする際に、誰が株式を保有しているかという原簿の管理を一元的におこなう「ほふり」のような機能が無かったため、容易に売買することができませんでした。しかし、不動産STOが普及して様々な不動産がブロックチェーン上のデジタル資産となることで、これらを仮想通貨のようにインターネット上で簡単に売買できるようになる時代が訪れようとしています。
不動産STOの導入事例はアメリカやイギリス、フランスなど、海外で多くなっています。本来であれば投資出来ないような高額な不動産でも、不動産STOにより小口化することで、だれでも少額から投資できることが最大のメリットです。不動産投資に参加するハードルが下がること、自分が持っている権利を簡単に売買して譲渡できることなどから、日本でも不動産STOへの注目が高まっており、本日ご紹介したような物流倉庫などへの投資として導入事例もあります。コロナ禍の影響もありマンションやオフィスビルだけではなく、専門的な知識や特殊性の高い不動産種別にも手を出しやすいのが面白いですよね!
不動産デジタル社会でのマネタイズの仕方は今後も注目度が高いです。特に今現在、世界で景気悪化懸念が増す中、金融市場では米国の政策金利の早期引き下げ観測が浮上し、株価が反発するなど不透明感が強まってきています。そうした中、今後の読みとしては金利上昇を考慮して株や債券以外の分散投資は間違いなく重要視されていきます。山信不動産(株)では、今後も「不動産の可能性」のひとつとしてSTOに注目していきたいと思います!

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