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物価上昇!不動産投資に人気が集まる今

投資

山田 恵二

筆者 山田 恵二

不動産に関する事なら何でもご相談下さい。
特に、マンションに関しては長く扱ってきた経験もございますので将来のトレンドを見据えたご提案はもちろん、住宅ローンや税金に関しても細かくご説明致します。
自身の購入や売却といった実際の取引経験も交えてお客様一人一人に合わせたご提案を心がけております。

皆様、弊社ブログをいつもご覧頂き誠に有難うございます。


昨今の政府による投資推奨により、我々不動産業界でも不動産投資への意欲が高いお客様のお問合せが増えてきています。本日は、そうした不動産を金融商品と捉えた資産形成の話題についてご紹介したいと思います。

特に、日本においては根強い人気を誇る「相続対策」もあり、資産形成への需要の高まりを背景に、一時下火になっていた個人向け投資用不動産ローンが再び伸び始めています。数字上では、2023年度の国内銀行の新規貸出額は3兆円を超え、3年連続の増加となりました。大都市部を中心に価格上昇が続く不動産市場の活況を映していますが、バブルの教えもある日本においては今後金利が上昇していけば貸し出しが鈍り、不動産価格にも影響を与える可能性は十分にあり、警戒が必要な点も忘れてはなりません。


日銀統計によると、銀行が「個人による貸家業」に設備資金を新規に貸し出しした金額は2023年度に3兆684億円と前年度比で7%増えています。特に直近の2024年1〜3月期の伸び率は1割に達し、貸出額も四半期としては6年ぶりの高水準となる9778億円にまで上昇しています。個人が所有する不動産に賃貸用のアパートを建設したり、既存のマンション・アパートを投資用に購入したりする際に資金を融通する融資はアパートローンと呼ばれます。積極的に手がけているのは大都市を主要な営業地域とする地方銀行で、コンコルディア・フィナンシャルグループ傘下の横浜銀行は3月末時点の残高が1兆9317億円と、前年同月比で2%増えています。同じグループで東京都に50以上の支店を持つ東日本銀行は21%増の1942億円となりました。静岡銀行でも3月末のアパートローンの残高が1兆1728億円と5%増えている状況です。銀行のアパートローンが伸びているのは、株価や地価の上昇で富裕層が増え、不動産を活用した相続税対策や資産運用の需要も高まっているためです。野村総合研究所の推計では、純金融資産を1億円以上保有する富裕層は、2011年以降一貫して増加傾向で2021年時点で約150万世帯いると言われています。金融資産に加えて土地を持つ富裕層も多く、国税庁の統計によると相続財産の約3分の1は土地だそうです。賃貸用の不動産は相続時の節税効果が見込めるため、富裕層を中心にお金を借りてでも賃貸用住宅を取得しようとする考えが以前より根強い人気を誇ります。横浜銀行によると、足元では40代後半から60代の個人を中心に資産形成目的での借り入れも増えていると言います。

静岡銀行も相続対策向け融資、資産形成を目的とした融資に特化した専門部署をそれぞれ設け、県外の都市圏に住む弁護士や医者、公認会計士などにも営業をかけているそうです。


それに加えて、海外富裕層による日本の不動産の取得ニーズも高まってきています。非居住者向けの投資用不動産ローンを取り扱う東京スター銀行では2024年1〜3月の申込件数が前年同期比で6倍に膨らんでいます。台湾積体電路製造の熊本進出や、円安を背景に投資資産の分散を図りたい台湾の富裕層から引き合いが増えているというのも驚きです。


直近の歴史で言うと、アパートローンは日銀が異次元緩和を始めた2013年頃から拡大傾向が続いていましたが、金融庁や日銀が急速な増加を問題視したことで2016年をピークに減少に転じていました。さらには、記憶にも新しい2018年に起きたシェアハウス物件をめぐる不適切融資でスルガ銀行が金融庁から業務改善命令を受けたことも追い打ちをかけ、国内銀行の新規貸出額は2020年に約2兆4000億円にまで落ち込んでいました。ここにきての活況は不動産価格や賃料上昇の影響が大きいと見ています。不動産情報サイト「健美家」によると、同サイトに登録された2024年1〜3月期の一棟マンションの全国平均の販売価格は、1億7768万円と集計開始以来の最高値となっています。区分マンションだけでなく、一棟アパートの価格も高値圏で推移しています。


それでは、収益性を考える上で最も重要な賃料はどうでしょうか?


不動産情報サービスのアットホームによると、マンションの平均募集家賃は東京23区、名古屋市・大阪市・福岡市などの全ての面積区分で前年同月を上回るなど、上昇基調が続いています。借入金利が依然低い中で、不動産や賃料の下落リスクは限定的とみて、富裕層マネーの一部が不動産に向かっています。今のところ不良債権となる比率も低いため、貸出残高を伸ばしたい銀行は富裕層の借り入れ申請に積極的に応じている状況です。ただ、投資用不動産ローンは1件あたりの借入額も高額で、不動産市場の変化によって借り手の返済が困難になるリスクは低くないです。それこそ、昨今の輸入建材資材の価格や人件費高騰に伴う住宅価格の上昇が家賃の引き上げ幅を超過した場合、延滞率が上昇するリスクは当然に出てきます。


日銀が4月にまとめた金融システムリポートでは「局所的に高価格帯の(不動産)取引が増えており、一部に割高感がうかがわれる」と指摘しています。国内の金利は依然低く、低利での借り入れが可能なものの、中長期的に金利が上昇していけば、借り手の金利負担も膨らみます。今後、こうした影響で富裕層の不動産投資が減り、それが不動産価格にも悪影響を与える負のスパイラルが発生する恐れもあります。


私も日々様々な金融機関と仕事柄、取引や情報交換をしておりますが昔のように「担保に依存した融資」はせず、「事業収益で返済する融資」が基本的な融資指針へと切り替わってきているそうです。更に、一部の銀行系の消費者ローンも急増しています。これらに共通する背景として、東証等が提唱している資本コストを意識した経営と、それに基づく利益率の向上の目標があると思われます。もちろんこれ自体は、上場会社として、特に軒並みPBR1倍割れの銀行には、正しい経営の方向性だと思います。ただ、我々はこれまで、中・短期的な利益目標を強調し過ぎるとひずみが生じるという事例を多く目にしてきました。今後、日銀による利上げが本格手に始まれば当然に短期金利は上昇し、返済を圧迫する可能性を考えると当初の事業計画とは乖離してきて前段でもお話ししたように負の連鎖が始まってしまいます。不動産投資は、他の金融商品と違い中長期で見据える事業性に難しさがあります。金融機関側も、こうした不動産投資には個別案件を慎重に審査しながら、最適解を導いてほしいと思います。


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