各銀行が参入し注目される「ペアローン団信」とは⁉︎
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本日は、今年3月に当SANSHIN picks内でもご紹介した「ペアローン団信」が各銀行で広がりを見せ改めて注目されている話題についてご紹介したいと思います!物価上昇に伴い変動金利も連動して上昇が予測される中、住宅ローンの組み方や銀行選びにもさらなる関心が増しています。
昨今、マンション価格の高騰で購入検討自体を断念されたり、購入する際も共働きご夫婦の場合は「ペアローン(夫婦二人がそれぞれ債務者になる)」での資金計画需要が増してきています。
そんな中、銀行一部の取り組みで安心して購入の決断が出来るよう団体信用生命保険の新たな試みとして、ネット銀行や大手銀行が、夫婦で住宅ローンを借りる「ペアローン」の開拓に力を入れ始めています。PayPay銀行やりそな銀行は2024年、加入者が死亡やがんなどで返済ができなくなった場合に、配偶者のローンも含めて残高をゼロにする団体信用生命保険を導入します。通常の団信よりも上乗せ金利は大きくなりますが、増える夫婦共働き世代に照準を当てた商品で顧客を獲得する狙いがあります。ペアローンは1軒の住宅を購入する際に、夫婦どちらかが組む単独の住宅ローンではなく、夫婦それぞれがローンを組むことで借入額を増額出来るメリットがあり、昨今の共働き夫婦には需要が増えてきている組み方です。夫婦が互いに相手の連帯保証人になる場合が多く、都心部などの住宅価格が高止まりする中で、単独では手が届きづらい物件を購入する目的で利用が増えてきています。
しかし、そこには注意点もあり、従来の団信では片方が死亡や病気などで返済が難しくなった場合、保険が適用されるのは働けなくなった人の借り入れ範囲のみとなります。ですので一緒に組んでいる配偶者のローン残債は残ってしまいます。共働きの場合は債務が残る配偶者も子育てなどのため転職や時短勤務で給与水準を下げなければならないケースも多く、返済負担が実質的に大きくなることがある点に注意が必要でした。しかしそんな中、ネット銀行の「PayPay銀行」は6月、ペアローン向けの団信として新たに、死亡やがんで配偶者の残債までゼロにする保険の提供を始めると発表しました。同様の団信の提供は邦銀で初めてとなる見込みで、カーディフ生命保険の保険商品となります。通常の団信よりも上乗せ金利は大きくなりますが、配偶者のリスクまでカバーすることで需要を取り込むことが出来そうです。がん以外の病気の場合は、働けない状態が12カ月続くと借入残高をゼロにする内容も付帯しています。同行のペアローン団信は片方の死亡時などを対象とする通常型に加え、夫婦のいずれかががん、または入院で1年超働けない場合などに2人分の残債を免除するがん型の2種類があり、保障を付ける費用として、借入金利に一定の上乗せが付きます。通常型の上乗せ金利は年0.2%、がん型は0.4%。がんになると残債の半分を免除する50%型は0.3%となっており金利上昇へのリスクも考え総合的な判断が必要になります。
実際に、ペアローン団信導入後の6月、7月のペアローン申込件数は5月比で約2倍、4倍に増え、金利を0.4%上乗せするがん100%型が、ペア団信契約件数の7割を占めているそうです。金利負担が重くても生活の安心感を重視する利用者が多いということになります。
その他、りそな銀行と埼玉りそな銀行も今月から、がんと診断された際などに本人と配偶者が抱えるローンの残高をゼロにするペアローン向け団信の提供を始めています。みずほ銀行とりそな銀行は、通常型とがん100%型の2種類を展開しており、みずほ銀行の上乗せ金利は共に0.2%で、毎月の返済負担額に差はないのが特徴です。他行と比較してもがん型の保障費用は年0.4%程度の金利が必要なのに対し、0.2%の上乗せは破格の水準です。
りそな銀は契約時の年齢で上乗せ金利が異なり、35歳未満は通常型で0.15%、がん型で0.25%。35歳以上はそれぞれ0.25%、0.4%としています。夫婦の年齢が離れていれば、それぞれ該当する金利を上乗せするやり方をとります。auじぶん銀行も2025年1月に導入予定とのことで徐々に利用者の需要増加に伴い各銀行でも商品化への広がりを見せています。
ペアローンは特に若い世代で利用が広がっていおり、三井住友トラスト・資産のミライ研究所の2023年の調査によると、20~29歳では22.2%がペアローンを利用している結果が出ています。若い世代ほど利用率が高く、全世代の8.9%に比べると割合が突出しています。ペアローンで借りる金額(中央値)は20~29歳が3333万円と、単独ローンに比べて38%多く、ペアと単独を比べた増加率でも、20代が最も高い結果となっており若い世代の住宅購入や住宅ローンへの関心の高さがわかります。
しかし、借入金額を大きくする需要が高まっている一方、全体的には住宅ローン市場全体は伸び悩んでいるのも現状としてあります。住宅金融支援機構によれば、2000年代以降で国内銀行の住宅ローン新規貸出額は大きく変化しておらず、ネット銀行の台頭などで競争が激しくなる中、シェアを拡大するには需要に沿った住宅ローン商品を取りそろえる必要が出てきています。ペアローンむけ団信は時代の流れにあった商品で、一定の需要が見込めると思います。今までのネット銀行などは金利の引き下げで競争を激化してきましたが、新規顧客獲得が飽和してきている現状を打破すべく今後は保障内容でも差別化を図る流れが出てきそうです。
生活の基盤となる住宅を担保にとる住宅ローンは銀行にとって優良な融資先ではありますが、住宅価格が高騰するなか、延滞などの比率はじわりと上昇しているの懸念点もあります。住宅金融支援機構によると、フラット35で実質的な貸し倒れや延滞などになった債権の比率は2022年度に0.61%。3年前に比べて0.11ポイント上昇している結果となってしまっています。同機構によれば、住宅ローンのリスクとして金利上昇局面での延滞増加を挙げる金融機関は2023年度に46.2%と、前年度から6.5ポイント上がり、大きな金額を借り入れるペアローンで団信を充実させるのは、物価と金利の上昇局面で銀行自身のリスクを抑える意味合いもありそうです。
本日、ご紹介した「ペアローン団信」ですが、最後に注意しなくてはいけないのがペアローン団信に入り、万一が起こった際には課税の可能性があるということです。死亡した人の残債免除分は非課税にはなりますが、一方の配偶者の免除分は一時所得とみなされます。残債が大きいうちに万一が起これば、確定申告で数百万円単位の納税が必要になることもありますのでそこも踏まえ自己資金を含めた資金計画を検討されるのが良いかと思います。山信不動産株式会社では、専門スタッフが初めての住宅購入を検討されている方や、すでに住宅ローンを組んでいて金融機関の借り替えをご検討されている方など、住宅ローンに関するご質問やご相談にも随時お応えしております。気になる方や、ご興味のある方はお気軽に下記専用フォームかたお問合せ頂くか直接お電話下さい!皆様のお問合せお待ちしております!
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