
住宅ローン金利上昇⁉︎どうなる住宅価格
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本日は、上昇の止まらない住宅ローン固定金利の話題についてご紹介したいと思います。住宅購入希望者は新築か中古か、戸建かマンションか、都心近郊か郊外かなど多くの選択肢から、悩ましくも楽しみつつ条件に適う一軒を選びたいものですが、現状は物件価格も住宅ローン金利も上がる一方なので悩ましいです。

そんな中、固定型住宅ローン金利の上昇ピッチが加速してきています。三菱UFJ銀行は先月末、5月分の10年固定を前月比0.18%高い3.15%にすると発表しました。金利負担増と住宅価格高騰を受けて、購入者は長めの返済期間を選ぶ傾向にあります。一部銀行は延滞増を警戒し、審査の厳格化に動いています。 三菱UFJに加え、三井住友銀行も5月分の10年固定型最優遇金利を前月に比べて0.1%高い3.25%にすると発表し、みずほ銀行は同2.95%、三井住友信託銀行は同3.645%、りそな銀行も同3.435%にそれぞれ上げました。大手5行平均は3.286%で10カ月連続の上昇となります。引き上げ幅は直近1年間で1.5%近い水準にまできています。
固定型ローン金利は基準となる長期金利の上昇を受けたもので、4月末時点で国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは一時、2.535%に上昇し、1997年6月以来の高水準をつけ話題になりました。中東有事の長期化と原油価格の高止まりで、インフレ率の上昇が警戒されます。住宅ローン金利には大きく分けて変動金利型と固定金利型という2つのタイプがあります。固定型は一定期間または完済まで金利が変わらす、金利が定期的に見直される変動型は短期プライムレートがベース指標としています。日銀の政策金利の影響を受けやすいことが特徴です。
現在、住宅ローン利用者の8割程度が固定型に比べ金利水準の低い変動型を選ばれています。もっとも日銀の利上げによって変動型にも上昇圧力がかかってきています。住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を手掛けるMFSによるとメガバンクの平均は1.082%となり、約15年ぶりの高い水準となっています。大手各行は5月分の変動金利を据え置きましたが、先高観は強まっています。
こうしたことから総合的にも住宅取得環境は悪化してきています。ローン金利の上昇で返済負担が重くなっているほか、住宅価格の高騰も続いているためです。不動産経済研究所によると2025年度の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の新築マンション1戸当たり平均価格は9383万円で、前の年度比15.3%伸び、5年連続で過去最高となりました。住宅購入者は毎月の返済負担を抑えるため、ローンの最長返済期間を延ばす選択肢も増えてきています。住宅金融支援機構の調査によると、全期間固定型で「50年」が占める比率は25年度に34.0%だったそうです。2024年度比12.1ポイント上昇し、一般的とされる「35年」(34.0%)と同水準にまできています。変動型でも「50年」が23.7ポイント増の57.5%で最多を占めています。
こうした背景から、各銀行は顧客の取り込みへ商品の拡充に躍起になっています。ソニー銀行は5月11日から住宅ローンの融資期間を最長35年から50年に延長すると発表し、融資上限も2億円から3億円に増額されます。三菱UFJ銀行は借入期間を最長40年とする住宅ローンの取り扱いを始めました。1億円超の物件を購入する際、80歳の誕生日までの完済であれば申し込めるという昔では考えられないようなプランです。しかしあくまで、逆算しての完済年齢なので以前よりも若いうちに購入の決断をすることがその恩恵を受けられる性質になっています。
しかし各行は、積極的な顧客獲得に動く一方でリスクも認識し始めているようです。住宅金融支援機構の2025年度調査では、金利の上昇局面で「ローン返済の延滞が増加する懸念がある」と回答した金融機関の割合が約6割となり、2024年度に比べて増えています。返済期間の長期化は延滞や貸し倒れのリスクを高めているという側面も秘めています。複数の大手行が借入可能額を決める際の各行独自の基準「審査金利」を引き上げると明かしており、我々不動産業界でも戦々恐々としています。各行は一般的に審査の際は実際の借入金利より高い金利で仮の返済額を算出するため購入者には非公開で、十分な返済能力があるかを調べる手段としています。これは、金融機関側の判断として将来的に金利上昇は高い確率でおこるといことの裏付けにもなります。
当然ながら、審査金利が上がるほど購入者の借入可能額は減少します。審査金利の上昇で住宅購入の予算を抑える人が増えるはずです。郊外物件を中心に販売が鈍り、住宅価格の下落につながる可能性があるので今後価格への影響は避けられそうにありません。
こうなると実需の購入意欲は大きく低下することが予測されますが、お構いなしに10年債以上の金利カーブのスティープ化が進み、長期金利は3%まで上昇するとの見立てもあって連動する住宅ローン固定金利は今後も上昇する可能性が高いです。
では、住宅購入を検討している人はどうしたら良いのでしょうか?賢明な選択としては、ローン減税が拡充された中古住宅を購入し、補助金を活用して断熱改修することなどがありますが、肝心の購入意欲が果たして今後維持されるのか懸念されます。金利上昇時は時間差で住宅価格への影響が出ますので今後の「新築」「中古」の見極めは大事な時期に来ているのかもしれません。
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