まだまだ人気⁈住宅ローン「変動金利型」
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本日は、今後も日銀による利上げが予測される中、政策金利の影響をダイレクトに受ける住宅ローンの「変動金利型」が依然人気があるという話題についてご紹介したいと思います!
借入額が3000万円の「壁」を超えると急に変動型の利用率が上がるという統計が出ており金利と借入額の複雑な関係性に注目が集まっています。
住宅ローンの金利タイプ選択には3000万円の壁があり、ここを超えると一気に変動型を選ぶ割合が多いという傾向にあります。本来、多額の負債を抱える人ほどリスクには敏感なはずですが、様々な事情から実態は異なるようです。住宅ローンには返済中に金利が変わることがある変動型と、返済中の一部期間もしくは全期間の金利が変わらない固定型があります。
三井住友トラスト・資産のミライ研究所の2024年調査では当初借入金額が多くなるほど変動型が選ばれるという結果が出ています。1000万円刻みでみると、特に「3000万円以上4000万円未満」になると、1つ下の「2000万円以上3000万円未満」より一気に約10ポイント高い65.3%に上昇しているそうです。
借入額が大きくなれば毎月返済額も膨らむので極力、低い金利にして負担を抑えたい心理が働くことが背景にありそうです。一般にローン金利は変動型が最も低く、固定する期間が長いほど高くなっていく傾向にあります。以前のSANSHIN picksでも取り上げましたが、ネット銀行を筆頭に新規顧客獲得競争において低金利合戦が熱を帯びておりその結果、足元では変動型と全期間固定型の金利差は1.4%程度と、過去約7年間で最低だった2019年9月と比べると3倍弱に拡大している状況にまでなっています。
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ここ数年は都心マンションを中心に、住宅価格も上昇し、ローン借入額も膨らんでいます。ここで変動型と固定型の金利差の拡大が目立ってくれば、将来に向けての金利上昇リスクへの対応より、まずは目先の負担抑制を優先する人が増えた可能性は高いです。実際、同研究所の2023年以前の調査もみると3000万円を境に変動型割合が高まる傾向は年々強まっているといいます。
もっとも、都内のマンションを検討している利用者の借入額は近年、1億円以上も借りる人がいるのは当たり前の状況です。特に、共働き世帯は売却運用も考慮に入れ、利便性重視で立地を検討する傾向もあり予算は4・5年前に比べ約1.5〜2倍ほど増額しています。
ではなぜ、壁となる金額は3000万円なのか?
一つの判断材料として、借入額と金利から実際の返済額を計算したときに出てくる『大台』が関係しているようです。
現在の全期間固定型金利は年1.9%程度。よく選ばれる35年の元利均等返済で計算すると、3000万円の返済額はおおむね年100万円を突破する水準になります。ちなみに2000万円なら、返済額は年80万円弱にとどまります。計算をする前は金利上昇リスクを避けたいと考えていた人だとしても、返済負担が年100万円の大台に乗るとわかれば心理的な抵抗が強まり、低金利の変動型が魅力的に見えてきても不思議ではありません。
もう1つ、3000万円が壁になることを示唆する公式もあるようです、日経新聞の記事によると住宅ローン相談サービス「モゲチェック」を運営するMFSの塩沢崇取締役は「1つの仮説だが、住宅ローンの年収倍率で考えると、3000万円が壁になる理由がわかるのではないか」と指摘しています。
住宅ローンの借入額が年収の何倍になるかを計算するのが年収倍率です。これは各銀行によっても審査の仕方は様々で「利用者の総合的属性」はもちろん、「返済比率」や「審査金利」によって算出します。一般に7倍程度までに抑えるのが望ましいとされていますがあくまで個人差はあるかと思います。年収に対して借入額が過度に多ければ、ほかの生活費に振り向ける支出の余裕がなくなるうえ、もし転職や失業、配置転換などで減収に見舞われると返済も行き詰まりかねないからです。
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国税庁によれば、1年を通じて勤務した民間給与所得者の平均給与は最新の2023年調査で約460万円だそうです。この金額にローンの年収倍率の目安である7倍をかけると3220万円になります。つまり平均的な人にとって借入額3000万円は、年収に対する負担感が重く感じ始める境目である可能性も高いというわけです。
変動型と全期間固定型の金利差が今の半分、0.7%程度まで縮まることがない限り、今後も3000万円を超えて多く借りるほど変動型の利用率が高まる傾向は大きくは変わらないと思います。それほど、変動金利と固定金利の金利差が大きいというわけです。言い換えると、利上げ利上げと騒がれてはいるものの、今の長期金利ほどまでには上昇しないだろうという見立てが大半のようです。
別の角度で考えてみると、借入額の判断材料になるのが「住宅ローン控除」です。
2022年の税制改正によって、減税額は控除率が1%から0.7%に縮小し、所得制限も3000万円以下から2000万円以下に。新築の一般住宅は、控除の対象となる住宅ローンの「年末ローン残高」の限度額が4000万円から3000万円になったことで最大控除額も40万円から21万円に下がりました。ですが、借り手にとって悪いことだけではありません。長期優良住宅や低炭素住宅など、環境に配慮した質の高い住宅は、その他の住宅よりも住宅ローンの借入限度額が高く、住宅ローン減税の最大控除額も大きくなります。2024年度の税制改正の大きなトピックが、子育て世帯や若者夫婦世帯への支援強化です。これは昨今の住宅価格上昇への対策などを目的とするもので、以下に当てはまる人が認定住宅などを新築・取得し、住宅ローン減税の適用を受ける場合には優遇措置があります。2025年度は大きな変更は発表されておらず、2024年度の内容が適用されます。
- ⚫︎夫婦のいずれかが40歳未満の世帯
- ⚫︎年齢19歳未満の扶養親族がいる
2024年12月31日までに入居した場合、「認定住宅5000万円」「ZEH水準住宅4500万円 」「省エネ基準適合住宅4000万円」まで借入限度額が増額し、さらに新築住宅の床面積要件の緩和措置も受けられます。正式決定はなされていないものの、同優遇措置の1年間の延長(2025年入居分まで対象)も現在検討されています。このほかのトピックとしては、2024年1月以降に建築確認をとった住宅に関しては、省エネ基準に適合する場合にのみ住宅ローン控除の対象に。控除額も省エネ性能によって異なり、認定長期優良住宅で4500万円、ZEH水準省エネ住宅で3500万円、省エネ基準適合住宅で3000万円となっています。
では、実際に住宅ローン控除額を計算してみましょう。住宅ローン控除の計算式は以下のとおりです。
「年末時点の住宅ローン残高 × 0.7%」
前年の年末にローンが2000万円残っていたなら、今年の住宅ローン控除額は「2000万円 × 0.7% = 14万円」となります。ただし、先述したとおり年末時点の住宅ローン残高には上限額があります。例えば、新築の省エネ基準適合住宅に2024年に入居する場合、住宅ローン残高の上限額は3000万円。ローンが4000万円残っていたとしても、「4000万円 × 0.7% = 28万円の控除」とはならず、「3000万円 × 0.7% = 21万円の控除」までしか受けられません。
住宅ローン控除はまず所得税から控除されますが、所得税だけでは控除しきれない場合は翌年の住民税からも差し引かれます。
所得税額から控除しきれない額を、所得税の課税所得金額等の5%(上限9万7500円)の範囲内で住民税から控除
※上記金額は消費税がかかる住宅の場合
ただし、納めている税額が、住宅ローン控除可能額を下回る場合など、すべて減税されるとは限りません。
1年間で所得税8万円+住民税18万円=合計26万円納めている人で、住宅ローン控除可能額が30万円の場合、控除される金額は所得税分8万円+住民税控除上限額分9万7500円=17万7500円にしかなりません。住宅ローン控除は、納税額すべてが減税されるとは限りません。ときどき控除可能額上限まで減税したいから住宅ローンを借りられるだけ借りたいという人がいますが、上限まで戻らないケースもあることを覚えておきましょう。
少し話が逸れたので金利の話に戻しますが、日銀は今後も利上げ継続の姿勢を示しており、変動型の金利も現実に上がり始めているのは事実です。変動型の低金利で生じた家計の余裕を浪費せず、貯蓄したり、流動性の高い資産で運用したりして、金利上昇に備えていかなくてはなりません。余裕資金が十分にあれば万一、大幅な金利上昇があっても繰り上げ返済などで家計負担は調整できます。逆に言えば、変動型の低金利を選択しても、なお貯蓄や運用に回すお金の余裕が生まれないなら、そもそも借入額がその家計にとって過剰ということを表します。検討中の方は、借入額の見直し、既に借りた後なら他の支出の見直しや増収に向けての取り組みを急ぐ必要があることに間違いはありません。少なくとも、長く金利低下が続いた過去とは異なり、これからは金利が常に上がり得ると想定した判断は大事です。
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