若者に刺さるのか⁈住宅ローン新時代「50年ローン」
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新たな試みを続ける住宅ローンの話題についてこれまで返済期間の常識であった最長35年間が今では40年〜50年間と延長しています。本日は、こうした若年層向けの超長期住宅ローンがどこまで浸透しているのか?ご紹介したいと思います。
近年のマンション物価上昇に伴い、住宅ローンを扱う金融機関も時代の変化に柔軟な対応を見せています。最近は、当社へお問い合わせ頂く若い世代の方々からも、賃貸から持ち家に移った後も可処分所得を一定確保し、余裕のある生活を送りたいというニーズが強い印象を受けます。生活コストを圧縮してまで借入期間を短くする選択肢はなく、総返済額よりも毎月の支出(住宅固定費)を抑えたいという要望が多いです。返済途中で売却し完済するイメージで購入される方も多く「終の棲家」理論は薄れているようです。
こうした需要に応えるべく、最長50年の住宅ローンの取り扱いは増えています。2023年に住信SBIネット銀行がネット銀で初めて取り扱いを始め、2024年には楽天銀行も提供し始めました。後を追うようにauじぶん銀行は今年かた開始する方針だそうです。地方銀行ではもともと普及している九州・沖縄に加え、東北でも広がりを見せています。それだけ、需要があるという事だと思います。期間を延ばす事自体は金融機関にとっても利点があります。住宅ローンは金融商品のなかでも貸倒率が比較的低く、借入期間が長いほど利ざやを稼げる余地が生まれ、顧客との接点も長期に及ぶからです。
超長期の住宅ローンを検討する消費者で共通するのが、所得の一部を投資信託などで運用し、成果が出れば繰り上げ返済の原資にあてるという考え方です。足元の生活にゆとりを持たせ、市況に合わせてライフプランを変えていくことを念頭に置いた20代や30代前半にとって、超長期の住宅ローンには魅力を感じている人が多いようです。バブル期を経験している我々よりも先輩の世代では、50年融資の住宅ローンがあること自体にメンタルブロックがかかりそうです。住宅価格が上昇し、賃料も上がっている今、購入に対し光明が指しているのは間違いありません。万人におすすめできる訳ではありませんが、返済期間の長いローンで毎月の返済額を抑える一方、NISAなどで株式投資をして、住宅ローンの利率を上回る運用を目指すのも選択肢としてあって良いと思います。
一定の条件を満たす住宅を対象に最長50年まで融資する「フラット50」は30歳未満の2024年の申請数が719件と、前年の2.6倍になったそうです。フラット50は、国が定めた基準を満たす長期優良住宅を対象に固定金利で最長50年まで融資する商品で、住宅金融支援機構によると、世代別の利用割合は30歳未満が4割弱で、30代に続いて2番目に多い。20~30代が35年超の住宅ローンの増加をけん引しています。実際、に融資開始をしてからも若者市場の反応が良いことはこれで証明されています。フラット50の利用者の増加は、最長35年まで融資する「フラット35」との金利差が縮小したことが主因ではありますが、変動金利型でも若年層を中心に超長期の住宅ローンが伸びているといいます。まさにマイホームを持ちつつ月々の返済額を抑えたい若年層ニーズと、多少のリスクを負っても長く利息を取りたい金融機関の思惑が一致したわけです。
こうした追い風もあり、今若者の持ち家志向は強まっています。総務省の2023年の家計調査によると、世帯主の年齢が29歳以下の2人以上世帯の持ち家率は23年に35.2%と、過去最高となっています。物価高騰により一度は購入を見合わせた方達も、賃貸を契約し続けることも考えてはみつつ、高齢になるにつれ審査に通りづらくなるという不安がある人も少なくありません。それだけに、超長期が組める若い年齢で早期にマイホームを持つことを決断した人は少なくないはずです。
NISAが始まり預金から投資への関心も増えている中、金融教育としても住宅ローンは大事な教材となっています。学ぶことへの労力として時間を費やすことのめんどくささや考えることへのアレルギーが、この超長期住宅ローンができたことで少しでも住宅購入に興味を持ってくれているのだとすれば画期的な試みだと思います。住宅ローンを検討すれば自のづと固定金利型か変動金利型か?元金均等返済か元利均等返済か?そもそも持ち家か賃貸?住まい選びは「どうすれば金銭的にお得になるか」を考える機会があふれています。一世一代の買い物とも言われるマイホーム。もともとの価格が高額であるゆえに、総返済額がさらに増える長期ローンに対してネガティブな印象を持つ人もいるかもしれません。
しかし住宅購入の本質は暮らしを豊かにすることにあるはずです。確かに経済的余裕が生活の豊かさに影響を与える面もありますが、35年超のローンを選んだ方々は、返済額以上に「今」という時間を大切にしていると思います。
そしてもう一つ、賃貸物件が相対的に少ないこともマイホームを購入する理由になってきています。先日、子供が産まれた事を機に現居よりも広い3LDKの住宅を購入したお客様は、賃貸も探したが条件に合う物件がなかったと話していました。賃貸とて広さを求めれば比例して賃料も上がりますので、結局購入して持ち家という安心感や根を張る意気込みをイメージすると購入検討は外せません。しかし忘れては行けないのが、ローンを組むリスクも忘れてはいけないという事です。ローンを組む際は、「そもそもの借入金額をできるだけ少なくする」「返済額は、手取りで考え、余裕を持たせる」といった方法が王道だということは家計を設計するうえで重要です。未来を予測するのは難しい事ですが、これは皆共通の悩みでもありますので、収支バランスを見ながら今回の超長期住宅ローンのようにうまく家計に組み込んでいくことが大事だと思います。
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