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税務調査、AIがスコア化

相続

山田 恵二

筆者 山田 恵二

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本日は、相続税の税務調査に人工知能(AI)を活用する話題についてご紹介したいと思います!

国税当局は今年夏から実施する相続税の税務調査などに人工知能(AI)を活用するとメディアを通して発表しました。相続税の申告書や財産状況が分かる資料などをAIで分析、申告漏れの可能性をスコア化して、調査対象者の選定を行うといったものです。2025年は団塊の世代がすべて75歳以上になり相続件数も大幅に増えていくと見込まれるため、専門家は「納税者側も入念な準備が必要になってくる」と指摘しています。

国税庁によると、AIでの分析対象となるのは2023年に発生した相続事案が中心になるそうで、相続税調査は相続が生じた後、一定期間を経てから実施されるのが慣例でした。具体的には、相続税の申告書や一定規模以上の資産を持つ人が提出する財産債務調書、海外送受金を記録した資料、生命保険の一時金の支払調書、金地金を売却した際の支払調書などをAIで分析し精査します。過去に相続税で申告漏れなどが生じた案件から不正や申告ミスが生じる傾向を見つけ出し、AI分析のためのデータとして活用するため今後は税務報告もより高い精度が求められそうです。

分析結果に基づき、申告漏れのリスクを被相続人ごとに1〜0の間でスコア化します。1が最もリスクが高く、実際に自宅などの調査を行う優先順位が高い対象となります。分析作業は国税庁が行い、最終的には各地の国税局や税務署の担当者が対象者を選定するようです。

これまでベテラン職員の経験などに頼っていた部分をデータ化し、AIを活用することで効率的な選定が可能になっていきます。浮いた時間でより深い調査を実施することが狙いのようです。どのような観点でスコア化していくかなどの詳細についてはさすがに未回答とのことです。

今後は、AIの活用で国税当局が調査をするかしないかを決める『ふるい』の目が細かくなりそうです。資産規模が数億円以上の富裕層は従前から国税当局も注目していますが、より広く不正やミスが発覚しやすくなりそうです。それだけではなく、相続税の基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)などを考慮すると相続財産が5千万円を超えるような人々が調査対象になるケースが増える可能性も出てきます。繰り返し調査ができる所得税や法人税などと違い、相続税は基本的には相続が生じた時にしか調査を実施しないためタイミングが限られるため、数少ない機会に対し精度も上げる必要があるというわけです。

具体的な背景として、全国の国税局などが2024年6月までの1年間(2023事務年度)に実施した相続税調査で、実地調査などによる追徴税額は857億円と2016事務年度以降で過去最高だったところにもあります。大阪国税局が手掛けた事案では、相続人の父親が亡くなる直前に父親名義の定期預金が解約され多額の現金が引き出され、国税当局の担当者が引き出しの事実を把握し、相続税が無申告だったため調査に着手したケースもあったそうです。このケースは申告漏れ総額が約3億1千万円で、重加算税を含めた追徴税額は約7千万円だったそうです。。

2023年に亡くなった約158万人のうち、相続税の課税対象となったのは約15万5千人で課税割合は9.9%と上昇傾向が続いています。今後、高齢化がさらに進むことで、分母の相続件数が増加し課税割合はさらに高まる可能性があります。相続税に関しては名義預金や名義株などが問題になるケースも多いですが、こうした情報を自動的に収集できる現行制度はありませんでした。AI活用の効果がすぐに表れるかどうかは、現時点では分かりませんが軽微な人的ミスは無くなりそうです。

一方で、国税当局が効率的な調査を実施していく上では必要な施策であり、AIにどのような資料を学習させるかが今後の大きなポイントになります。海外不動産の売買仲介をする企業の顧客リストや、暗号資産などの仮想通貨の口座情報、企業への出資状況が分かる資料など様々な資料を収集し分析していく必要があるためそれはそれで膨大な情報量になります。

こうしたことから、国税当局が膨大な情報を網羅的に収集していく中で、納税者側も入念な準備をすることが求められます。相続税は個別性が強く様々な事情が入り込んでいます。一般の傾向と違い不正やミスの可能性があるとAIが分析しても、『実際はこういう事情があり、証拠を示せる』などと国税側を説得できるだけの情報、証拠を集めて保管しておくことが自身の身を守るためにも必要です。

法人税や所得税の調査ではすでにAIが活用されており、法人税では中小法人の税務調査で成果を上げ、2023事務年度の法人などへの追徴税額が過去最高となった実績もあります。国税庁は2017年6月に公表した「税務行政の将来像」とする資料で、税務調査でAIを活用する方針を公表しており、法人税の調査では2022事務年度から運用を本格化させています。特に資本金1億円未満の中小法人を対象に、税務調査を実施するかどうかの判断でAIを活用しています。

国税庁のまとめによると、2023事務年度にAIが判定した対象からの法人・消費税の追徴税額は計1665億円で、前事務年度から193億円増えたそうです。これらを背景に法人などへの追徴税額が2010事務年度以降で最多の3572億円になるなど成果は顕著に出ています。また、所得税の調査でも過去、申告漏れが生じた傾向などをAIで分析して調査先の選定に活用しています。2023事務年度の申告漏れ所得金額の総額と追徴税額が過去最高となるなど、所得税でも効果を発揮しています。

AIの可能性は無限になっており、我々人間の作業効率は今後もAIをうまく活用することで上がりさらなるイノベーションを生み出しそうです。


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