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低金利が売りのネット銀行に逆風

住宅ローン

山田 恵二

筆者 山田 恵二

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本日は、年内の利上げ観測が読めない中、住宅ローンを低金利で牽引してきた「ネット銀行」に陰りが出てきた話題についてご紹介したいと思います。今後、住宅購入に際し個人で住宅ローンの借入を検討している方には銀行選びの上でも無視出来ない話題になってきています。

まずは、直近の住宅ローンに対して利用者意識調査の結果を見てみたいと思います。

住宅金融支援機構は先日、2024年10月から2025年3月までに住宅ローンの借り入れをした、20歳以上70歳未満のユーザーを対象に調査を実施した1,397件の回答を元に住宅ローン利用者の実態調査結果(2025年4月調査)を発表しました。

利用した住宅ローンの借入金利は、「年0.5%超~年1.0%以下」が45.2%(前回〈24年10月〉調査:36.4%)と最多で、前回調査で最も多かった「年0.5%以下」が26.6%(同:37.1%)と減少しています。返済期間については、「30年超~35年以内」が45.8%(同:48.6%)と最も多く、前回調査と比べると、「20年超~35年以内」の割合は60.9%と6.2ポイントの減少した代わりに「35年超~50年以内」の割合が25.5%と4.6ポイント増加しています。融資率は「90%超~100%以下」が26.5%(同:25.1%)、返済負担率は「15%超~20%以内」が24.3%(同:24.9%)と最多となっています。金利が上昇傾向にある中、低金利の銀行を選ぶというよりも各行が新たに打ち出している超長期償還に目をつける利用者が増えています。トータルの支払い利息が増えても、毎月の返済額を重視する動きに需要が傾いています。気になる金利タイプは、やはり「変動型」が79.0%(同:77.4%)と前回より1.6ポイントの増加しており、「固定期間選択型」は12.2%(同:13.5%)、「全期間固定型」は8.8%(同:9.0%)という結果でした。

さらに調査項目には、今後1年間の住宅ローンの金利の見通しについて問う内容も含まれており、「現状よりも上昇する」が65.7%(同:62.9%)と前回から増加し、「ほとんど変わらない」が23.2%(同:26.6%)、「現状よりも低下する」が1.8%(同:2.5%)と上昇傾向に対して利用者の意識も高い結果となっていました。また、足下の物価上昇や住宅価格高騰を受け、住宅取得計画にどのような変化があったかを調査したところ、56.7%が「変化があった」と回答しており、具体的には、「予算を増やした(住宅ローンを増やした)」が22.8%と最も多く、「立地やエリアを見直した」(14.7%)、「住宅取得時期を早めた」(13.2%)と続いていたことも興味深い調査報告でした。購入マインドの高い利用者は「待つ」選択は得策では無いと判断しているようです。

そんな中、大手銀行に規模で劣るネット銀行が低金利の優位性を維持しづらくなってきています。6月末には金融機関に低金利で融資する日銀の制度が区切りを迎えることで制度の活用で攻勢に出ていたネット銀行には逆風となりそうです。

その制度とは、「貸出増加支援資金供給制度」というもので企業や個人への融資を増やす狙いで2012年に導入が決まり、貸出残高を増やした金融機関に日銀が低利で資金供給する仕組みになっています。6月時点の残高は約71兆円で、うち大手行が28兆4000億円、ネット銀行や地方銀行は42兆5000億円を占めています。しかし、日銀は1月の金融政策決定会合で「貸出増加支援資金供給制度」の新規貸し出しを6月末に終えると決めました。貸し出しに回す余剰資金が多い大手行への影響は限定的とみられるが、影響を受けそうなのがネット銀行です。制度の終了で「貸し出しが頭打ちになるわけではない」との声がある一方、同制度を使って資金調達し低金利を維持してきたネット銀行から見ると住宅ローンの融資にマイナスの影響が出てくるのは間違いありません。

日銀の政策は全体としての経済・金融システムへの影響を考えながら行われており、個々の金融機関の資金繰りへの影響で左右されることは基本的にありません。とはいえこの制度については、「資金供給を円滑に終了する観点」からの「経過措置」として、7月以降、2025年中は満期到来額の半分を上限として、貸付期間1年の借り換えを認めることが決まっています。

ネット銀は実店舗を持たない身軽さでコストを抑えつつ、相対的に高い預金金利を売りに台頭してきた背景があります。2024年度における住宅ローンの新規実行額は住信SBIネット銀行が約1兆9000億円となり、三菱UFJ銀行の1兆円超を上回る規模となり勢いがありました。


しかしこうした今後の流れを考えると、ネット銀行の優位性は薄れつつあります。日銀は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、政策金利を徐々に引き上げてきています。体力に勝る一部の大手行が低い住宅ローン金利を維持する一方、ネット銀は低金利を保ちづらくなっています。auじぶん銀行は基準金利の見直しで2025年4月に変動型の金利を上げましたが、6月にもさらに引き上げています。同行は2025年3月期に預金に対する貸出金の比率「預貸率」が100%を超えました。貸し出しに回せる預金が減り、住宅ローン金利を上げざるを得ない判断なのかもしれません。同行に限らず、高金利を示して預金金利を集める戦略には限界もあります。

そして、住宅ローンの比較診断サービス「モゲチェック」によると、とうとう変動型の住宅ローン金利で大手行より低い水準を出し続けてきたネット銀行は直近では2024年8月に金利水準で大手行に逆転されてしまいました。2025年6月の時点でネット銀行(0.793%)が大手銀行(0.682%)を上回っています。金利上昇に伴う返済額の増加を嫌気し、借り換えの動きも少しずつ出ています。大手銀行5行の4〜5月の借り換え件数は448件と前年比で約9割増えています。変動型から固定型に借り換える動きもあり、固定型「フラット35」の実行数で首位のSBIアルヒは同期間の申込件数が前年同期比でなんと約2倍になっています。

一方、複数のネット銀では4〜5月の借り換え件数が前年比で減ってきています。ネット銀行にとっては資金調達のハードルが今後も高くなりそうです。前段のように資金繰りを補填するために、一部のネット銀行が変動型の住宅ローン金利を上げる傾向は今後も続きそうです。

先日のSANSHIN picksでも取り上げましたが、NTTドコモが住信SBIネット銀行を買収を決めるなど、多くのネット銀行が通信会社との融合を強めている昨今、auじぶん銀行を使うと預金金利を上乗せするKDDIの通信プランも人気を集めています。メガバンクがポイントの優遇策で預金集めに本腰を入れるなか、ネット銀行が通信と金融の連携で独自色を強めていけるかが今後の焦点となりそうです。


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