
日本の不動産購入規制にデータ整備求める声
2025年版「土地白書」によると海外投資家の2024年の不動産購入額は9397億円で、2023年の5758億円からおよそ63%増えているそうです。国内の不動産投資額の17%ほどを占め、政府が2024年12月に公表した防衛施設の周辺など安全保障上で重要な土地の2023年度の取引数は、中国が203件と最多で全体のおよそ55%を占めるという驚異的な数字も出ています。

世界貿易機関(WTO)加盟国が結ぶサービス貿易に関する一般協定(GATS)は、国内外の企業などの活動条件を平等にする「内国民待遇」を定めており、この規定に基づき、日本では外国人による不動産の所有や賃借に規制を原則としてかけていません。
では、本当に外国人や外国企業による不動産購入は規制すべきなのでしょうか?
そこで日経新聞に掲載されている記事で興味深いデータがあったのでご紹介したいと思います。日経新聞の調査では、経済学者向け調査「エコノミクスパネル」で規制の強化が望ましいか問うと、賛否が分かれたそうです。住宅価格の高騰を踏まえて規制強化に肯定的な意見もありましたが、国籍にもとづく規制を疑問視する声もあります。調査では「外国人や外国企業による不動産購入の規制を強化すべきか」を経済学者に聞いており、「どちらともいえない」の回答が40%と最多で、「そう思う」が32%、「そう思わない」(15%)「全くそう思わない」(6%)が計21%と賛否はわかれています。
規制強化賛成派の中には不動産の価格が高くなりすぎて、日本の若い世帯の住宅取得や新規企業の参入が難しくなるという意見もありました。その他にも、特に都市部における投機的取引への対応という観点から、的を絞って規制強化する余地があるという意見もありました。別の視点では、税負担に触れる意見もあり。国民に住居を妥当な価格で購入できるよう保障するなら、非在留外国人などの住宅購入には追加税率を課すのが妥当という指摘もありました。その他、安全保障の観点から規制強化を支持する見方もあり、国益を損なう外国政府による関与など、購入された不動産の不適切な利用に対しては、国家安全保障上の観点からの対応も求められるべきとの意見でした。
不動産価格の動向は地域によってばらつきがあることから、「どちらともいえない」とした意見も多く、少子高齢化による需給の緩みを踏まえると基本的には不動産の購入は制限しなくてよいとの考えもありましたが、都心部など一部地域は外国マネーによって過度の高騰が起こった場合に、一定の制限があってもよいという限定的な部分も本音ではあるようです。
そもそも議論する上で、現在は外国人の不動産購入について信頼できるデータが少なく、国土交通省が実態調査に乗り出しているところもあります。外国人の購入が集中している物件の種類や価格の押し上げ効果、市場から退出しているのが誰かといった情報がなければ適切な政策判断はできないという意見もありました。一方、外国人への規制強化に否定的な意見は、国籍による区別を疑問視する声です。不動産の投機はバブルを招くため、外国人に限らず一様に規制すべきであって、外国人のみをターゲットにする施策は必ずゆがみをもたらすとの意見もありました。
外国人は賃貸市場において国籍を理由に入居を拒否されることも多く、外国人を規制対象とみなす前に、外国人が安心して生活でき、社会経済的に統合されるような公的インフラの整備が急務であるという意見も少なくありませんでした。
今回の調査では、外国人や外国企業による日本の不動産購入に触れた意見調査ではありましたが、問題点としては国内不動産の物価高騰にあります。特に、パネラーが指摘する様に都心の一部への投資需要は未だに熱が冷める様子はなく今後の課題になりそうです。千代田区では、各社デベロッパーに対し新築の購入後5年間転売禁止の要請を出し話題になっています。今後は、行政による規制が外国人や外国企業に対してもメスを入れるのか?規制を行うにもそれに伴うアレルギー検証も必要です。選挙後で加熱する移民規制問題は不動産だけにとどまらず、これからまだまだ議論が続きそうです。
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