
新制度「残価設定型住宅ローン」需要喚起の新たな布石となるか⁈
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本日は、住宅価格高騰を受けて政府が新たに発表した「残価設定型住宅ローン」の話題についてご紹介したいと思います。「ん?残価設定?」車ではよく聞くフレーズですが住宅に対してどのような効果が見込めるのでしょうか?残価設定型は車やスマホを買う際、支払額を抑える手法として一般的に知られています。将来の売却を前提に売却想定額「残価」を決め、この分は返済不要にするという仕組みで、借り主は残価を除く分のみを分割で返していきます。金利は残価を含む借入総額にかかり、昨今ではSNS界隈で残価設定型クレジットを略して「残クレ」とも呼ばれてワード的にも再注目されています。

国土交通省は新たな住宅ローンの普及としたこの残価設定型住宅ローンを後押しすると発表し話題を呼んでいます。死亡時などに売却する前提で毎月の返済額を通常の住宅ローンよりも抑える仕組みを使い、住宅価格が高騰する状況でもマイホームに手が届くようにするもので、住宅金融支援機構が金融機関向けの保険を提供することで新たな仕組みとして注目を集めそうです。住宅ローンの場合、借り主の死亡時や住み替え時に金融機関が住宅を売却して残価を回収し、借り主が残価分を払えば完済でき、住宅は担保から外れます。残価と時価に大きな差がある場合などは借り主が売却して完済する選択肢もあるようです。残価を設定するためには土地の価値が高く、上に建つ住宅も耐久性や耐震性が高いことが欠かせないです。月々の維持管理も重要になるため、一部の団体が住宅メーカーなどと組んで先駆的に同ローンを提供し需要の度合いも調査しています。
ここで誰しも気になるのは、金融機関には家屋の老朽化などで数十年後の価値が残価を下回るリスクがあるということです。しかしそこは、機構の保険によって回収額が残価を下回っても金融機関の損失を補償できるようにすることで金融機関も不良債権とはならない仕組みのようです。
国交省は2025年度の補正予算案に機構への出資金14.5億円を計上したと発表しました。早ければ2025年度内にも金融機関が新たなローンを提供できるようにするそうでスピード感ある対応に驚きです。固定金利型の住宅ローン「フラット35」の子育て世帯向け金利優遇を変動からの借り換えにも適用する措置も1億円を盛り込んでおり借り手の裾野も広げています。
まだ検討段階として幾つかの適用要件もあります。残価設定型の返済は70歳までと定め、以降は残価への利息のみを支払い、良好な状態で住み続けられる性能を備えた長期優良住宅に対象を限る案などがあります。所有者に定期的な維持管理も求めたりと、まだ詳しい要件は今後詰める見込みだそうです。
すでに機構は似た仕組みとして高齢者向けに自宅を担保に資金を貸し、死亡後に売却するリバースモーゲージを民間金融機関と提供しています。今回発表された残価設定型は借り主の年齢などは問わず、20代や30代からの活用を想定する点が異なってきます。
残価設定型の住宅ローンは一般社団法人の移住・住みかえ支援機構などが既に提供を始めています。大和ハウス工業といった住宅メーカーが提供する戸建て住宅を対象にローン開始から20〜25年で返済額を大幅に減らすことができるのが魅力です。
耐久性や耐震性の査定が必要で、移住・住みかえ支援機構はすでに約3000件の査定実績があります。国交省は新たな制度と既存の仕組みを組み合わせることも検討しており、借り主の利便性が高まり、金融機関も貸しやすくなることを目指しています。
実際、新たな住宅ローンの普及を促す背景に住宅価格の高騰と借入金額の増加が大きく影響しています。大手住宅メーカーなどでつくる住宅生産団体連合会の調査によると住宅取得時の借入金の平均は2000年度の2629万円から2023年度は5859万円と2倍超に増えています。借入金の年収比も2000年度の2.9倍から2023年度は5.1倍まで上がっており短期間でいかに住宅価格が高騰しているかがわかります。
住宅ローンを巡っては、当時の住宅金融公庫が2000年から返済期間を35年に延ばしたローンの提供を本格的に開始し、現在一般的となっている背景があります。近年の価格上昇に伴って共働きの場合ペアローンを選ぶ世帯も増えている。さらに、以前よりSANSHIN picks内でもご紹介している超長期住宅ローンの50年ローンなどで返済額を抑える動きがあるものの、退職時期を考えると年数の長期化は限界があるのも懸念点で、国交省は建築費や人件費の高騰が続く状況で支払額を抑えられる残価設定型にニーズがあると睨み需要喚起にに一石を投じます。退職後もローン返済が続き、自宅を売却して資金を調達する例も増えており、先芙としても残価設定型によって高齢期の負担を減らし「ついのすみか」を追われる事態を防ぐ効果も期待しています。
冒頭でお話ししたように残クレはもともと自動車ローンとして人気がある返済方法で、昨今人気車種は中古価格も高くなると見込まれ、残価が高めに設定される傾向があります。最大のメリットは支払額を大幅に減らすことができ、手が届きにくい高級車も購入しやすいところにあります。住宅ローンでの普及にも中古住宅の流通円滑化が欠かせないことになります。
住宅価格の高騰で従来型ローンが限界に近づく中、残価設定型は「当面の月々負担」を下げる現実解はあります。ただ住宅は車と違い流動性が低く、金利上昇局面では総返済額が想定以上に膨らむリスクも大きいところは注意しなくてはいけません。残価を回収できるだけの中古市場の厚みが伴わなければ、金融機関・借り手双方に歪みが生じかねない怖さもあります。この制度普及は需要喚起に繋がる一方、市場整備とリスク説明の徹底が前提になってくると思うので今後の普及具合や中古市場の活性化は不可欠となりそうです。
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