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本日は、空き家問題の対策として議論が続けられてきた「改正空家特措法」が成立した話題についてご紹介したいと思います!
以前より、当ブログ内でも空家問題については触れてきた話題です。年々増え続ける空家問題は現代において大きな社会問題へと膨らんでいます。今までは、自治体単位で対応していましたが、財産保護の観点からも法的促進力がないと強制力が弱く今回「国策」として空家対策を本格的に進める必要性が高まってきた背景があります。
平成27年より始まったこの特措法のポイントとしては、空き家の中でも特に危険度の高い空き家を「特定空家」という位置付けに指定でき、行政が介入できる様になることです。特定空家に指定される基準としては、①倒壊の恐れがある②衛生的に周囲に悪影響を与えている(俗に言うゴミ屋敷など)③汚物や落書きなど周囲への景観上問題のある建物があり、いずれも放置し続けるとより周囲に与える影響が増すものばかりです。
「特定空家」になれば、持ち主は解体や売却など早急に何らかの対処をしなくてはならず、放置すると行政からの「執行」(=強制的な撤去)を求められます(指導)。そのうえ土地の固定資産税が最大4.2倍になるという痛い罰則を受けることになるのです(勧告)。固定資産税が4.2倍になったとしても何かしらの動きをしない場合は、罰則金として50万円を請求されてしまいます(命令)。それでも応じない場合は、行政側から強制的に空き家を解体されてしまいます(代執行)。このように空き家対策特別措置法は段階として所有者にも猶予を与えつつ指導→勧告→命令→代執行と、罰則が徐々に厳しくなっていく仕組みになっています。
そして、以前より特措法の改正議論が続けられてきましたが昨日「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」が参院本会議で可決し、漸く成立しました。所有者の責務強化、空き家等の活用拡大、空き家等の管理の確保、特定空家等の除却等の推進を促進するための改正が盛り込まれています。放置されれば「特定空家」になるおそれのある空き家を「管理不全空家」とし、市区町村長から指導・勧告ができるようになります。さらに勧告を受けた管理不全空家は、固定資産税の住宅用地特例(6分の1等に減額)が解除されます。空き家の活用促進に向け、「空家等活用促進区域」内の規制を緩和することで後利用にも目を向けていかなくてはなりません。ただ、注意勧告するだけではなく用途変更や建て替え等を促進することも重要です。また、市区町村長がNPO法人、社団法人等を空家等管理活用支援法人に指定する制度を創設し、指定を受けた同支援法人には、所有者などへの普及啓発や、市区町村から情報提供を受けて所有者との相談対応に取り組むことも進めていく意向の様です。
実際は、平成27年よりこの空き家対策法案については実施されていましたが全国的に浸透し実行に移せているかというと特定空家への指定こそ1万件以上登録は出来てはいるものの指導以下代執行まで押し進められた件数は約10分の1以下に留まっているのが現状のようです。空き家対策特別措置法が施行され、特定空家に指定されても、すぐに処理されるわけでは無いということです。やはり空き家も財産であり、勝手に撤去できず「財産権の侵害」になるのがネックになっているようです。所有者としても遠方の土地や建物であればあるほど相続などで受け継いでもそのまま利用せずに放置となってしまうケースは多く、維持管理するのも手間と費用がかかってしまい、結果、後回しにして何も手をつけないといった事態を招いているのかもしれません。今回の、改正法案で今までより改善されるのか?どれだけの効果がでるのか?については引き続き注目していきたいと思います。
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