不動産情報サイト「SUUMO(スーモ)」が東京都内にある約130万件の賃貸物件を条件別に集計して分析したデータが興味深かったのでご紹介したいと思います。築3年以内の物件では、間取りの大小に関わらず機能や設備が充実しています。一人暮らし向けの築浅物件では「洗面所独立」が8割、「コンロ2口以上」は7割の物件に備わっており、「インターネット無料」も7割に達しています。中には、後から設置するのが難しい設備もあり、部屋を選ぶ際の大きなポイントとなっています。女性からの需要も多岐に渡り、独立洗面台は必須条件という方もいらっしゃいます。
そして、部屋探しで必須となりつつあるのが「宅配ボックス」です。大体の築浅には設置されており8割以上に備え付けられているデータとなっています。不在時でも確実に受け取れ、配達員と顔を合わせなくても済むといったニーズをつかんでいます。4月からトラックドライバーの労働時間の規制が始まるため、「置き配」への需要も高まるのでこの設備は外せないという方も多いです。既存マンションに後付けするとなると、設置場所の問題や維持費の問題もあり新築や築浅需要を後押しする形になっています。不動産情報サイト「ライフルホームズ」の調査では、物件を検索する際に宅配ボックスを必須条件にした人の割合は2023年9月時点で6割に迫る勢いだそうです。首都圏では賃貸物件の4割に導入が広がっています。
不動産サービス大手アットホームが18~29歳を対象に実施した2023年の調査では、築浅物件と並んで、築20年超の物件にも人気が広がりつつあります。これらの多くはリノベーション物件で、壁や床だけでなく、トイレや風呂など古さが気になるところまで改装するケースが増えています。リノベ物件は築浅物件に比べると、耐震性や防音性などで劣る可能性がありますが、それでも内装や設備は新築に近く、築浅物件よりも割安な価格で借りられることが若者を引き付けます。外観は古く見えても普段生活する上では、室内が綺麗で新しければ関係ないと言った意見もここ最近の需要としてよく耳にします。オーナー側(貸主側)としても、マンションやビルを建て替える費用を考えると、当然コスト的にも魅力があり、以前は水回りだけだったリノベーションも室内の間取り変更や床壁天井といった主要部分にも手を加えている住戸も多いです。
そして、ペット需要も増えてきている傾向はあります。しかしながら、ペットが飼える物件は全体の2割ほどにとどまります。在宅勤務が増えたことで、一人暮らしでもペットを飼う人が増えたため、需給バランスに変化がが生じてきています。家賃や設備など、自分のほしい条件で探すとペットと住める物件がなかなか見つからないというケースも多いです。調査によると、築浅物件では「ペット相談可」とする物件は4割あります。一方、既存の物件でペット飼育を可能にするには、他の居住者の同意を得る必要があり、なかなか現実的ではないケースも多いです。
その他、ペット以外にも楽器演奏や高齢者入居の可否など、特定の要件を満たす物件の需要は高まってきています。賃貸でも子育てや免震など、コンセプトを持つ物件の人気が非常に高いです。
設備や機能の充実を意識している分、分譲マンションにも人気に拍車ががかかってきています。室内設備(専有部)だと、「ミストサウナ」「ディスポーザー」「食洗機」「床暖房」「ホームセキュリティ」など分譲仕様特有の豪華な設備にも注目が集まります。また、広い間取りへの引き合いも強いです。都心の1LDK~2LDKは需要に対して供給が足りていない上、家賃も上がっています。既存マンションで昭和平成時代に人気があった1DKや2DKといった「ダイニングキッチン」よりも今は圧倒的に1LDKや2LDKといった「リビングダイニングキッチン」に人気はシフトしています。リビングの重要性から間数は少なくても家族が集まるリビングは広い方が良いといった需要もでてきました。
番外編としては、共用部分を重視する方も多く前段でご紹介した「宅配ボックス」以外には、「内廊下」や「24時間のゴミステーション」「ペットの足洗い場」や「シェアサイクル」「シェアカー」が付帯している設備を希望する方も増えてきました。それぞれのライフスタイルに合わせた住まい選びが重視される現代では、そうしたニーズに応えるべく既存マンションやアパートにも後付け設備が重要な決め手になってきそうです。
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