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物価高騰が招く入居賃料の増額問題とは⁉︎

賃貸

山田 恵二

筆者 山田 恵二

不動産に関する事なら何でもご相談下さい。
特に、マンションに関しては長く扱ってきた経験もございますので将来のトレンドを見据えたご提案はもちろん、住宅ローンや税金に関しても細かくご説明致します。
自身の購入や売却といった実際の取引経験も交えてお客様一人一人に合わせたご提案を心がけております。

皆様、弊社SANSHIN picksをいつもご覧いただき誠に有難うございます!

本日は、マンション市場の相場価格も上昇している中、賃貸物件にもその影響は出ており固定費などのランニングコスト上昇に伴う賃料上昇での弊害についての話題をご紹介したいと思います。

弊社も賃貸物件を管理している立場上、オーナー様(貸主様)より所有賃貸住宅の既存入居者様に対し更新時に家賃引き上げを依頼されるケースは多々あります。しかし、現実は双方協議してもなかなかスムーズに折り合いがつかないケースも多く、長く入居されていた借主側からすると「強引に引き上げを迫られた」といった印象になってしまうこともあります。昨今では、投資目的で購入された外国人オーナーが住民を退去に追い込む事態も確認されており、賃料の値上げは同意が必要で拒むこともできますが、折り合いがつかない場合は訴訟に発展するリスクもあります。借主側も当然の主張として家主側に算定根拠を求めるなど、冷静に交渉することも可能です。

消費者センターの公開している情報によると、家賃引き上げを巡る相談は年々増えているそうです。2020年度に326件だった相談は2024年度に662件に増加しているそうです。2025年度も6月末までの3カ月で193件(速報値)と、前年度を上回るペースとなっています。過去から考えても確かに以前に比べ、家賃の引き上げ額が明らかに増額しているのも事実です。

こうした背景にあるのは家賃相場の高騰です。不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」によると、東京23区の単身向け賃貸物件の平均賃料は2025年7月時点で11万8396円と、前年同月比で14.5%上昇しています。ファミリー向けも同13.4%増の23万7195円となっています。地価上昇で家主の固定資産税などの負担が重くなり、維持にかかる物価高騰も相まって家賃の上昇圧力となっています。特に都心は若年層の流入などにより賃貸物件の需給が逼迫しており前例のない賃料相場の上昇が続いています。

投資用不動産情報サイト「楽待」が現役大家約300人を対象に4月に行った調査では、過去3カ月の間に「家賃を上げた」とした回答は43%にのぼっているそうです。理由は「周辺の家賃相場が高い」が最多で、「物価上昇でコストが上がった」などが回答結果となっています。

さらに、為替相場で円安が進み海外からの不動産投資も盛んになったことで、前述でご紹介したような海外投資家の家主による賃貸住宅のトラブルも確認されています。しかし、その手法に関しては疑問視する部分も多く、ケースとしては家賃を相場の2〜3倍に値上げすると通告し一方的に共用部のエレベーターを停止させるなど住民を退去に追い込むような行為も事例として確認されています。

このような根拠のない賃料増額の通告の狙いとして、空いた部屋を民泊に転用するのが目的で半ば強制退去となっている事例もあります。こうした事例も国会で今年6月に参院の委員会質疑で取り上げられ、石破茂前首相は「オーナーや住人が不当に不利益を被ることがないように対策を徹底する」と強調した答弁もあり話題となりました。

そもそも借地借家法は、家主が賃料引き上げを請求できる条件として①土地や建物にかかる税負担の増加②土地や建物の価格上昇やその他の経済事情の変動③近隣の類似物件と比べて不相当などが必要と定めています。こうした事情で家主に引き上げを請求されても、納得がいかなければ借り主は拒むことができます。合意ができないと民事調停に移り、それでも決まらなければ裁判になるのが一般的です。裁判所が引き上げを認めた場合は、引き上げ後の家賃との差額を年1割の利息をつけて支払うことになります。

家賃引き上げを通告されたとき、言われるがままに支払わなければならないのかと不安に思う借り手は少なくない思います。その際は、初回入居時の賃貸借契約書をしっかりと見直すことが必要です。「普通借家契約」であれば、原則として双方の合意なしに条件変更はできず、家賃滞納などの問題がない限り契約を更新できるとされています。

しかし、一方で「定期借家契約」の場合は、家主が提示する条件を受け入れなければ更新できず立ち退きを求められるので注意が必要です。住まいは生活の基礎となるため、家主の一方的な都合で追い出されないように賃借人は民法上の法律で手厚く保護されています。賃料増額に納得がいかず申し入れを拒絶したとしても、従前どおりの賃料を支払い続けていれば退去を強制されることはないです。ポイントは、賃料の滞納、遅滞遅延がないことです。当たり前の話にはなりますが、異論を唱える側にも最低限の事実関係は求められるというわけです。

とはいえ、地価や物価高騰により従来の賃料では管理維持が難しいのも事実です。入居期間にもよりますが、確かに10年前や20年前ともなれば社会情勢や市場相場は大きく変わってきています。家主側の主張も算定根拠に基づき正当性があれば、増額交渉自体は妥当です。大事なのは、増額の打診を受けても感情的にならず、根拠を尋ねるなど家主の主張が妥当かどうか冷静に交渉することが肝要です。もちろん、安価に越したことはありませんが、双方の合意があっての契約ごとですので改めて、そこの環境や住みごごちを見直し、増額後の賃料を支払う価値があると考えるか環境を変えずに周辺で新たに物件を探すか検討してみる必要があるかもしれません。その他にも、このまま賃料を支払うより購入し住宅ローンとして返済するという選択肢もあります。

山信不動産株式会社では、本日ご紹介した話題に関してはもちろん、「賃貸と購入」についての比較やご質問ご相談を常時受け付けております!

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