外国人需要拡大が目立つ賃貸市場の現状
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本日は、家賃の上昇が続いている賃貸市場において今、外国人からの需要が拡大している話題についてご紹介したいと思います。
ここ2週間メディアでは「令和の米騒動」の話題で持ちきりですが、米だけにとどまらず食品全体や光熱費などのインフラコストも値上げが相次いでいます。我々不動産業界においても、マンションを始め局地的な不動産価格の高騰など過去のSANSHIN picksでも数多くご紹介してきました。そして、売買市場だけで無く「賃貸市場」においてもじわじわと家賃の上昇が続いています。大手ポータルサイト「at home(アットホーム)」の募集家賃動向調査では、2015年1月の調査開始以来、最高値を毎月更新している状況です。
2024年の賃貸市場では、年間を通じて家賃の上昇が続き、12月の平均家賃募集は前年同月よりも高い結果となりました。家賃上昇の理由の一つとしては冒頭の説明同様、単純に物価高騰にあります。資材の高騰や人件費の上昇により、マンションの建築や維持管理に関わる費用が高騰しているところにあります。そして、もう一つが賃貸需要の増加です。コロナ禍が落ち着いたことによる人流の回復に加え、分譲マンションの価格高騰で購入を断念し賃貸にシフトするカップルやファミリーが増えたことが大きな要因になります。今年もその流れは変わらず、当面賃料の上昇も続く見込みです。
種類別で言うと特に需要が高い広さは「30㎡〜50㎡」の主にカップル向けマンションです。この面積帯のマンションが人気の理由は、大きく2つの需要から支持を得ています。一つは、経済的にゆとりのある単身社会人が広めの物件で満足度を高めたいという需要です。もう一つは、居住費を抑えるためコンパクトに住みたいと言うカップルやファミリーの需要です。10年前に比べあきらかに需要面でもコンパクト化が進んできてます。そして、間取りで言えばカップルから絶大な人気を誇るのが1LDKです。10年前の2015年間取り内訳調査では1LDKの需要が全体の約30%だったのに対し、2DKが約25%と割合の差は小さかったのが今では1LDKの割合が約50%まで拡大し、2DKの割合は約13%にまで縮小しています。
この10年で各社デベロッパーもこうした需要調査に合わせた間取りプランを商品化していることも大きく加担しています。さらに、広い1LDKも注目されており、もともと2LDKだった間取りを1LDKへリフォームし、広いリビングや広い洋室にコンバートしているマンションも増えてきています。
東京23区では、30㎡以下のシングル向けマンションの2024年12月の平均家賃が96,163円と、7ヶ月連続で過去最高値となりました。その中でエリアごとの家賃推移に着目すると、もともと家賃水準が相対的に低かったエリアでの値上がりが目立っています。2015年1月を100とした家賃指数でみると高額物件が集中する都心6区が119.7ポイント、品川や目黒などの城西城南地区で114.4ポイントであるのに対し、江戸川や葛飾などの下町エリアの城北城東11区では122.8ポイントと最も大きく上昇していることも興味深いデータになっています。都心へ通勤通学しやすいアクセスの良い周辺エリアへ人流が多かったとも言えます。
そして、そうした家賃上昇を促す需要拡大の最大のポイントが「外国人需要」です。では、いったいなぜ今外国人需要が伸びているのか?
厚生労働省が発表した2024年10月末時点の「外国人雇用状況」によると、日本で働く外国人は約230万人となっており、前年比12.4%(数にして25万人)増と、2008年の集計開始以来の最多となっています。この増加が大きく賃貸市場にも影響を与えています。実務レベルで言うと当社にも、2年前ほどから徐々に海外の方からのお問い合わせは増えており、翻訳アプリを駆使しながらのメールのやり取りも増えました。
東京都心では、賃貸居住用だけでは無く貸店舗への出店希望者も増えてきています。家賃保証会社も各社対応に追われつつも審査も10年以上前に比べ寛容な審査基準へと変わってきています。需要拡大は経済効果にもつながりますので悪いことではありませんが、オーナー様目線で考えれば入居後の日本の文化や慣習をしっかりと理解し集合住宅として周辺住民とも協調できるかどうかも重要な視点です。今後も、就業者数が増えるとともに賃貸市場における外国人需要は拡大の一途を辿ると思います。我々不動産業界も住宅の受け皿として、外国の方も借りやすく、かつ住みやすいシステム構築や環境整備も今以上に広げていかなければならないことを痛感します。
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