各社苦悩する「専有面積の確保」
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本日は、価格高騰の勢いが止まらないマンション市場ですが「販売専有面積の確保」問題が実需層にとって深刻になってきている話題をご紹介したいと思います!
本日の、日本経済新聞でも取り上げられておりましたが東京と大阪の4月時点の新築マンション価格の上昇率が世界主要15都市で首位となったそうです。資材人件費高騰はもちろん、円安潮流による海外マネーの流入や国内富裕層からも株価高騰による余剰金での投資など価格を教えげる要因は諸々条件を満たしている状況です。そんな中、切実な問題も出てきています。それは「販売専有面積の確保」です。
マンションデベロッパーとしても、この価格高騰の影響を購買マインド低下に直結しないよう販売専有面積を縮小することで目線を下げる工夫をしてきました。正直、実際は単価上昇しているので狭くなっているのに価格は据え置きみたいなロジックですが。。なので、都心で購入するのであれば専有面積を狭くした間取りでも間数を確保出来ていればなんとか工夫しながら使用しているのが現状です。住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」の利用者調査では、2022年度の住宅の平均面積は新築マンションが65.7㎡と10年前に比べ8%縮小しているそうです。一方、70〜80㎡のマンションにはファミリー層の需要が強く価格に上昇圧力がかかっています。
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しかし、こうした現状を踏まえ東京都区部の自治体では、マンションなどの事業者に家族で住める広さの確保を求める動きが広がっています。23区のうち18区は対応を義務付ける条例を制定するようです。規制のなかった豊島区は10月から、一定規模以上の物件を対象に設置を促す方針で、背景には全国で最も低い出生率と、他地域からの人口流入に依存する構図への危機感があります。都心部と郊外の間に位置する豊島区は交通の利便性が良く、人口の流動性が高いエリアです。区によると、2022年に区外に引っ越した18歳以下の子どもがいる世帯のうち、63%は最年長の子が0〜6歳の時に転出しています。同年に実施したアンケートでは、86%が区内に住み続けたいと答えましたが、「ファミリー物件が少ない」との声も寄せられています。区もこうしたアンケート調査結果を受け、家族が住める住戸の割合を増やそうと、2004年に「狭小住戸集合住宅税(ワンルームマンション税)」を全国で初めて導入し話題になりました。30㎡未満のワンルームが9戸以上ある建物を造る場合、1戸当たり50万円を課税するという内容です。これにより、課税対象の建築確認申請数は税施行前の1999〜2003年度は年平均1069戸でしたが、2004〜2022年度は825戸と23%減少しました。区税制度調査検討会議でも抑制効果ありとの判断から、区はワンルームマンション税の今後の継続を決めています。
一方、区内の共同住宅で住戸面積が30㎡未満の割合は2018年度時点で42.1%と、2013年時点(39.9%)から増え、課税対象外の建物などを含めると、むしろ狭小住宅は増えている傾向になっています。区は10月から「としまファミリー住戸」と呼ぶ制度を新設し、個々の住戸の大きさにかかわらず、総戸数が30戸以上かつ3階以上の共同住宅には、床面積が50㎡以上の住戸の設置を求める内容を進めます。戸数は建物全体の戸数に応じて変わり、30戸なら2戸以上、50戸なら6戸以上となります。エリアは池袋駅前などの商業地域を除く区内全域を対象とし、従わなくても罰則はないが、今後の状況を踏まえて条例化も検討するようです。
民間有識者でつくる「人口戦略会議」は今年4月、出生率が低く、他地域からの流入人口に依存する自治体を「ブラックホール型」に分類しました。全国25自治体のうち東京23区は6割強の16に上ります。2022年の東京の合計特殊出生率は全国最低の1.04で、子育てをしながら暮らし続ける住環境の整備は待ったなしの課題となっています。
他の区でも同様の動きはあります。保育所の新設で待機児童ゼロを達成した江東区は今年1月、ワンルームの住戸数が20戸以上の共同住宅に家族向けの住戸の設置を求める条例を施行しました。葛飾区は2023年から、ファミリー層向け住宅で全戸数の3分の1以上を設置するなどの条件を満たせば事業者に補助金を出す制度を始めました。
今後は金利上昇の影響も出てきそうなのがさらに頭を悩ませます。昨日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが一時、1.1%と約13年ぶりの高水準を付けたことで、住宅ローンの固定金利は先高観が強まってきています。住宅ローン金利が今後どれほど上がるか見通しが立ちにくいです。新たにローンを組む人はためらう可能性があり、購入意欲が落ちかねないからです。本日、取り上げた住宅整備が進むことで教育環境や地域コミュニティー、治安などソフト面の対策も今後は充実させていく必要が出てきます。ただ、やみくもにファミリー層を増やすのではなく、広さを問わず住宅供給戸数の制限や都市計画の整備を今改めて考えなければいけないのかもしれません。昨今の価格高騰により逆算的喚起なのがなんとも皮肉ではありますが。
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