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未来を考えたニューノーマルな建設とは⁉︎

建築

山田 恵二

筆者 山田 恵二

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自身の購入や売却といった実際の取引経験も交えてお客様一人一人に合わせたご提案を心がけております。

皆様、いつも弊社SANSHIN picksをご覧いただき誠に有難う御座います!

本日は、未来の建設業界を支えるべく新たな工法が日々模索される中、世界が注目する日本が誇る木造建築が家だけでなくビルや商業施設でも続々と採用され始めている話題についてご紹介したいと思います。今後、高層のビル建設でもスタンダードな手法として浸透していけば新たな選択肢とし市場が活性化していくことは間違いありません。

木造といえば住宅の印象が強いですが、近年は多様な建物で木材を積極的に使う例が相次いでいます。脱炭素の観点のほか、資材代の高騰を受けて建設コストの1~2割ほどの低減効果にも注目が集まっています。JR東京駅からほど近い東京・京橋地区で2025年7月に完成した「第一生命京橋キノテラス」が建設業界で話題になりました。12階建てのこのオフィスビルで導入されたのは、清水建設が開発した木質ハイブリッド構造だったからです。

中高層のオフィスビルの構造は、一般的に柱や梁に鉄鋼製の建材を使う鉄骨造が多いですが、これに対し、キノテラスで採用された木質ハイブリッド構造は、鉄骨造と木造を組み合わせています。各フロアでは、鉄骨を使う部分と、石こうボードなどで覆った木材を使う部分が交じりあい、強度や耐火性、意匠性を確保しつつ、木材使用を広げることに成功した新しい事例となります。

さらに、キノテラスから徒歩20分ほどの東京・日本橋地区で三井不動産が2028年完成を目指す11階建てのオフィスビルは、下・中層階を鉄骨造中心、上層階を木造中心とした構成になっています。こちらのビルでは柱や梁、床に、原料板を張り合わせて強度を高めた集成材や直交集成板を採用しています。

様々に構造を工夫し、木材を使うビルが増えるのはなぜなのでしょうか?

背景のひとつは建築物の環境配慮です。国内の森林資源などを活用して脱炭素を促す「木材利用促進法」が2010年、公共建築物を対象に施行されさらに2021年の改正により、木造普及の対象が公共建築物から一般建築物に広がっていきました。林野庁によると2023年時点で建築物全体の木造化率は約4割にまで増えてきています。さらに最近は脱炭素だけでなく、建設コストの観点からも建物の発注主が木造への注目度を高めています。低層の事務所や店舗、倉庫など従来は鉄骨造が主流だった建築物でも木造の案件が増えてきています。

もう一つの大きな理由は「コスト減」です。

鉄筋コンクリート造や鉄骨造で建てた場合の建設コストは1坪(約3.3㎡)あたり200万円以上かかると言われています。木造であれば1坪150万~180万円程度に抑えられる概算なので大規模であればあるほどコストダウンに直結します。RC造に必要な生コンクリートなどの資材代が上昇しているのに加え、現場作業を担う技能者の人件費上昇も響いています。木造の場合、建物そのものの重さがRC造に比べて軽いため、地盤改良のためのコストも抑えられるメリットもあります。

こうした建築物の木材利用の広がりを踏まえ、これまで木造住宅を担ってきた企業の参入も相次いでいます。三井ホームは2×4住宅に使う製材品や技術を商業施設などに転用しています。研究所での技術開発を経て、柱の少ない大空間を築くことも可能になってきています。鉄骨造に比べて基礎工事のコストを抑えることで総工事コストを15%程度削減できるといいます。

柱や梁に使う木材である製材品の改良や大型製材品の施工技術の発展も、木材を使った建築物が増える流れを支えている理由です。国産や輸入品の強度が高い集成材の供給が増えたことに加え製材品と製材品をつなぐ金物の汎用化も進んだことで、建設現場の技能者が扱いやすい製材品が増えています。

一方で木造に追い風が吹いているとはいえ、今後の普及に向けた課題もあります。需要に対するきめ細かな供給体制の整備が重要になってきています。例えば設計能力もその一つです。商業施設などを得意としてきた設計会社には木造の設計経験が十分ではないところも多く、製材会社などと組み、木材を扱う側から設計会社に対し木造での建て方を今後提案していく必要があります。

その他、RC造や鉄骨造から木造になることで細かい設備の配置や電気配線も変わってきます。木造になることでより強固な耐火性を踏まえた施工図を描ける人材育成も必要となってきます。

日本に眠る木材資源を活用しながら脱炭素に貢献する建物を低コストで増やす仕組みが整えば、それに応じて都市空間の魅力も向上していくと思います。とはいえ、木造も有限資源です。以前SANSHIN picksでも取り上げましたが現在起こっているも戦争やホルムズ海峡封鎖といった政治的要因で資源の物流が完全にストップしてしまうことも考えると、今後の課題は建設資源確保や建材の精製製造を100%国産で賄うスキーム作りなのかもしれません。


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