2024年度路線価発表
皆様、弊社ブログをいつもご覧頂き誠に有難うございます!
本日は、昨日発表されました「2024年路線価」の話題についてご紹介したいと思います!
国税庁は昨日、相続税や贈与税の算定基準となる2024年分の路線価(1月1日時点)を発表しました。全国約31万5千地点の標準宅地の平均は前年比で2.3%プラスとなり、上昇は3年連続となり現在の算出方法となった2010年以降で最大の上昇率でした。
関東地方の1都6県に120ある税務署ごとの最高路線価をみると、10年前との比較で最も大きく上昇していたのは、横浜市の神奈川区と港北区を管轄する『神奈川税務署』で、ことしの最高路線価は1㎡あたり404万円と、2014年の128万円の3.15倍に上昇しています。東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県では、最高路線価が10年間で2倍以上に上昇した税務署が15にのぼっていたことには驚きです。
都市部はオフィスやマンションの需要が底堅く、都心の物件価格の高騰を背景に人気は近郊の住宅街に広がっりました。世界的な半導体企業が進出する熊本県菊陽町も2023年に続いて大幅に伸びました。
都道府県庁所在地の最高路線価が前年から上昇したのは37都市で、2023年から8都市増えました。駅周辺で再開発が進む千葉市(14.9%プラス)やさいたま市(11.4%プラス)は10%台の高い伸び率を記録しています。標準宅地の変動率は29都道府県で上昇し、5都道県で前年からの伸び率が5%を超え、上昇率が最も高かったのは福岡県の5.8%。福岡市内や近郊を中心に住宅地や商業地の需要が堅調でした。下落は16県で、最も大きかったのは和歌山県のマイナス1.0%でした。
純粋に路線価が全国一高かったのは東京都中央区銀座5の文具店「鳩居堂」前で、価格は1㎡あたり4424万円で、39年連続で全国トップとなり、前年比3.6%プラスと上昇率は2023年を2.5ポイント上回りました。
インバウンドの活況が全国的に路線価を押し上げた今年の路線価ですが、全国の各税務署管内の最高路線価地点のうち、上昇率がトップだったのは前年比32.1%プラスの長野県白馬村でした。JR白馬駅から3kmほどの地点でスキー場も近く、林が広がる道の両脇にホテルやペンションが並ぶエリアです。
白馬の中でもグレードの高い別荘地でリゾートマンションや分譲型ホテルの高値取引が続いているようで、周辺は2026年以降、シンガポール拠点の高級ホテル「バンヤンツリー」の開業も予定しており、コロナ前から多かったオーストラリアや欧米のスキー客に加えて中国などアジア圏からの観光客も増えているとのことです。東京都内で最高の伸びだったのは観光地の浅草でした。2023年比で16.7%上昇し、雷門周辺は平日の昼間から人であふれ、欧米からアジア系まで幅広い個人客の姿が目立っています。訪日観光客の特徴と言えば、アジア圏の爆買いが一昔前の流行りでしたが昨今は完全に顔ぶれも変わり世界各国から来日しているのが印象的です。特にこの円安効果もあり、物価高から敬遠されがちだった日本も今や主要都市をはじめ地方の観光名所も連日賑わいを見せています。
上昇率が全国2位だったのは、台湾積体電路製造(TSMC)進出や半導体関連産業の集積が続く熊本県の菊陽町で前年から24.0%上昇し全国的にも経済効果を大きく産んだモデルケースとして注目を集めています。周辺はJR新駅の設置や大型商業施設の開業なども計画され、同町ではTSMCの国内第2工場も2024年末から建設が始まる見込みです。今後もまだまだ人口とともに上昇気流に乗っていきそうです。
そして今回注目したいのは、首都圏近郊の住宅地も上昇したことです。路線価が幅広く上昇した都心でマンション価格が高騰し「割安感」が出ていることが最大の要因となっており、埼玉県越谷市(6.4%)、千葉県松戸市(7.1%)、同県柏市(4.1%)などで上昇率が全国平均を上回る結果となりました。
柏市にある不動産会社の担当者は「都心に限らず横浜、さいたまなどの大都市でも住宅価格が高騰している。より郊外に土地や住宅を求める動きが広がり、都内に通勤可能な柏市内の需要は高まっている」とみる。
気になる神奈川県内の2024年路線価(1月1日時点)の平均は前年比で3.6%上昇しました。こちらも上昇は3年連続となり、東急東横線との相互直通で利便性の高まった相鉄線二俣川駅前や鎌倉駅前、横浜駅近くがけん引した結果となります。再開発やインバウンドの回復で不動産への投資需要が高まりました。税務署管内ごとの最高路線価は18地点すべてで上昇し、県内の最高路線価は5年連続で横浜駅西口バスターミナル前通り(横浜市西区)で、1㎡あたり1%上昇の1696万円でした。市内では当ブログ内でもご紹介した、横浜駅に直結する複合高層ビル「ザ・ヨコハマフロント」が開業するなど、大規模な再開発が相次いでいます。最高路線価はバブル絶頂期の1804万円(1992年)の94%程度に上がっています。値ごろ感から投資家の注目を集めるのは、二俣川駅南口駅前通り(横浜市旭区)です。上昇率は15.9%(前年は6.8%)と県内でトップでした。相模鉄道と東急電鉄が直通する「新横浜線」が開通した結果、東京方面や新横浜駅へのアクセスが容易になり、ビジネスホテルも開業するなど商業地としての価値も向上しています。駅直結の商業施設は2023年10月に改装オープンし、リモートワークに対応したオフィスやキッズスペースを備えたフードコートなどが新設され新たに注目が集まっています。郊外では本厚木駅北口広場通り(厚木市)が若い世代の人気を集め、駅南口に続き北口でも商業施設やマンションの建設が進んでおり、上昇率は11.9%(前年は12.2%)という結果でした。鎌倉駅東口駅前通り(鎌倉市)も14.3%(同6.5%)上昇し、観光のメッカとして再び脚光を浴びています。
新型コロナの5類移行を機に人流や経済活動が回復に向かい、都心での需要が一層高まり続けており、さらに円安でインバウンドへの期待は変わらず大きく、店舗やホテルの出店需要は旺盛です。こうした要因が今回の結果に大きく起因しました。私としては、今回の発表を受け都心の高騰も一極集中から徐々に範囲が広がりつつある住宅地上昇に注目しています。そうした理由からも、今後の都心近郊エリアでの開発事業にも目が離せません。
※過去の関連記事はコチラをご参照下さい↓
横浜市|タワーマンション|リノベーション|
|湾岸エリア|不動産
神奈川県横浜市中区海岸通4-20-2 YT馬車道ビル301
みなとみらい線 「馬車道駅」 徒歩2分
SANSHIN Real Estate