
住宅建材の値上げが広がる地政学リスクとは⁉︎
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アメリカ・イスラエルによる攻撃に対抗しイランがホルムズ海峡を事実上封鎖したことで、ガソリンや日用品の値上げが相次いでいます。紛争は一時停戦になりましたが、船の自由な往来は今なお戻っていません。原油価格は当面高止まりが続くと専門家は指摘しており我々不動産業界や建設業界にもその影響は出始めています。

そして本日、TOTOがユニットバスの受注を停止したことが発表され話題になりました。フィルム接着やコーティングに使われる材料に含まれる有機溶剤が不足しているためで、有機溶剤は石油由来のナフサ(粗製ガソリン)からつくられておりダイレクトにホルムズ海峡封鎖の影響を受けています。有機溶剤は壁や床にフィルムを接着する接着剤や人工大理石でつくられる浴槽のコーティング剤に含まれ住宅業界にとっては致命的な材料です。これを受け、中東情勢の緊迫によるナフサの価格上昇で高値圏の住宅価格がさらに上がる懸念が出てきています。旭化成ホームズは戸建て住宅の値上げを予定するほか、建材メーカーの4割が3カ月後の在庫に影響が出ると予測しています。
ナフサは他にも、断熱材や水道の塩化ビニール管、塗料など幅広い建材の原料となっている。一般に戸建て住宅の建築費のうち6割を資材費が占めており、ナフサが住宅価格に与える影響は大きいです。
日本はナフサやその原料となる原油の中東依存度が高く、ナフサから基礎化学品のエチレンを生産する設備で減産が広がっており、幅広い化学品にコスト上昇や供給不足が懸念されます。
その他、さいたま市の注文住宅「アキュラホーム」を手掛けるAQ Groupも「値上げを検討中」としたうえで「住宅ローンの金利上昇に加え、原油高により買い控えが進む」と警戒しています。メーカーもコスト削減に動くが対策の余地は乏しく、一部商品で仕入れ価格が5〜10%上がっている状況です。ナフサへの依存度が低い建材への切り替えを検討するも多くの建材で使われており全面的に置き換えるのは難しい状況のようです。
さらに建材価格の上昇はさらに続きそうで、YKKAPやカネカも4月から住宅用断熱材の価格を40%引き上げ、このほか積水化学工業が塩化ビニール管などの値上げを明らかにしました。塗料でも日本ペイントが希釈剤として使われるシンナー製品全般の値上げに踏み切るなど住宅関連の材料で価格改定が相次いでいます。大東建託は3月、中東情勢の緊迫化を受けて住宅資材メーカーなど166社を対象に在庫に関する緊急調査を実施し、今後3カ月間で照明や住設機器などの調達に影響が出てくると回答したメーカーは59社に上っています。
戸建て住宅の価格はもともと高値圏にありましたが、都市部での新築マンションの供給不足と価格の高騰から、面積単価に割安感のある戸建てに需要が一部シフトしていたトレンドもありました。
しかし、不動産調査会社の東京カンテイによると3月の新築小規模戸建て住宅の平均希望売り出し価格は、東京23区が前月比8.0%高の9256万円となり、調査を始めた2014年4月以降の最高値を更新しています。
大東建託は住宅資材の調達コストが今後15〜20%上昇すると予測しており、このまま中東情勢が収束に向かわなければ住宅価格は資材費の高騰分だけでさらに1割程度押し上げられる計算になりそうです。
住宅メーカーからはナフサが原料のシンナー不足により、塗装関連商品で5月中旬ごろから欠品が生じそうな状況との声も上がっており、多くの建材に使われるナフサの供給が滞れば、住宅業界への影響がさらに深刻になる恐れも出てきています。
日本のように資源や材料を海外からの輸入に頼っている国は今後物価上昇の影響はさらに加速していきそうです。こうした地政学リスクを避けるためにも、ナフサに変わる新たな材料や素材を開発・改良し研究することでリスク回避していかなくてはならないです。
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