
2026年度公示地価発表

まず東京圏は、商業地は前年比9.3%上昇し、9割超の地点で地価が上がりました。東京都区部は23区全てで伸び、22区で上昇率が拡大しました。伸び率の最大は台東区の19.1%で、文京区(17.8%)が続いています。大型施設が開業し注目されていた渋谷区の桜丘町は29%上昇し、上昇率は都内商業地で最高でした。インバウンドでにぎわう浅草周辺は上昇率が20%を超える地点も目立ち改めて土地柄の強さを発揮しています。多摩地区は6%上昇し、JR中央線や京王電鉄京王線の駅前周辺はマンション需要との競合や堅調な店舗需要が地価を押し上げています。首都圏では、千葉駅周辺で再開発が進む千葉市も8.6%伸び、さいたま市は5.4%上昇しました。
東京圏の住宅地は4.5%の上昇で、9割超の地点で地価が上がりました。東京都区部は19区で上昇率が拡大し、港区の16.6%が最も高い結果となりました。やはり、予想通りではありましたが都心区やその隣接区はマンションなど住宅需要が旺盛で地価上昇が今後も続きそうです。
そして、恒例となりました東京圏の商業地の最高価格は東京都中央区の「銀座4-5-6」(1㎡あたり6710万円)、住宅地は同港区の「赤坂1-14-11」(同711万円)と、ともに全国でも最高価格でした。それにしても、すごい数値です。。
大阪圏は、商業地は7.3%上昇し4年連続の上昇で上げ幅は拡大しました。上昇率トップは大阪市のミナミの繁華街、中央区道頓堀の25.0%でした。インバウンド需要が大きい大阪市や京都市の中心部で伸びが目立っています。最高価格地点は同じミナミの宗右衛門町の中央区「デカ戎橋ビル」で1㎡あたり2500万円と6年ぶりの1位となりました。住宅地は2.5%の上昇で、5年連続で上昇し上げ幅も拡大しています。大阪市は6.5%伸び、中心部の富裕層向け物件の需給がタイトになっているように感じます。大阪府吹田市や豊中市、堺市なども伸びが加速しています。
名古屋圏の商業地は3.3%上昇し、こちらは5年連続の上昇でしたが伸びは鈍化しています。建築費が高騰しているなか、それを埋めるだけの賃料の上昇がないのが結果に影響していそうです。最も上昇率が高かったのは名古屋市中村区の名駅南5丁目で、名古屋中心部の名駅地区の端に位置し、賃貸マンションの建設が相次いでいます。その他エリアでは、千種区や熱田区も地価上昇が目立っていました。住宅地は1.9%上昇しており、高級住宅街が多い東区で伸びが目立ちました。郊外に住んでいた富裕層が都心部に住まいを移す動きがあるようです。名古屋市各区で最も上昇率が高かったのは熱田区(6.3%)でした。その他エリアでは、愛知県長久手市や大府市など名古屋市のベッドタウンでの住宅地の上昇も目立っていたのが印象的でした。
東京、大阪、名古屋の三大都市圏は商業地、住宅地ともに5年連続で上昇し伸びも加速しました。地方圏も5年連続の上昇でしたが、上昇幅は商業地で横ばい、住宅地で縮小しています。京都市は3.6%上昇しており、13.7%上がった京都市東山区の地点は大阪圏の上昇率1位でした。神戸市は2.9%上昇し、兵庫県では芦屋市が4.0%、西宮市が3.8%の上昇となっています。
最後に気になる神奈川県はというと、神奈川県内の平均変動率が全用途で前年比4.4%上昇しました。こちらも上昇は5年連続です。住宅地は3.4%の上昇で、東京都心部への交通アクセスがよい横浜駅に近い地点の上昇が全体をけん引しました。商業地は7.3%、工業地は6.0%の上昇となりました。住宅地は継続調査地点のうちなんと94.6%(前年は93.6%)の地点が上昇しました。横浜、川崎、相模原の3政令市は3.3〜4.5%上昇し、いずれも上昇幅は横ばいまたは拡大といった状況です。その他の市町村では、葉山町で6%以上上昇し、海岸近くの高級住宅地の需要も高まっています。
そして、注目すべきは上昇率の首位が、横浜駅から1kmほど離れた横浜市西区の京浜急行電鉄「戸部駅」近くの地点で14.4%となり初めてトップになったことです。2025年に選定替えがあり2026年から前年比の増減率を算出した地点で、幹線道路に面して大型マンションなどの開発余地のある土地が多いことなどが上昇要因となったようです。これからの開発余力にも期待がかかります。価格別では武蔵小杉駅がある川崎市中原区の地点が3年連続で首位となりました。「グランツリー武蔵小杉」など大型商業施設が駅前に集中し、交通利便性が高く子育て世代の人気があいかわらず高いです。駅前に加え周辺にもまだまだマンション開発が広がっているのでこちらも今後の伸びに期待したいです。相模原市はリニア中央新幹線の神奈川県駅(仮称)整備に伴う発展への期待から3区全てで上昇し、JR横浜線沿線では駅から離れた地点でも駅周辺の価格上昇の影響で地価が上昇しています。これはどのエリアにも共通して言えることですが、マンション人気の高まりから、開発用地の上昇が顕著になってきています。
商業地は継続調査地点のうち98.1%(前年は97.8%)の地点で上がています。横浜市の関内駅周辺で19日開業予定の大型複合施設「ベースゲート横浜関内」など再開発の進捗への期待感から同駅周辺の上昇が目立っているようです。3政令市の平均変動率は7.0〜9.0%といずれも上昇幅が拡大しており、鉄道の駅に近く、上層階を共同住宅として利用可能な地域では旺盛な住宅需要もあり、強い上昇傾向が継続しています。政令市以外もすべての市で上昇し、訪日外国人客が多く店舗需要が高い鎌倉市で9%以上上昇しました。同市では駅周辺に加え、長谷寺方面に離れた地点では共同住宅としての需要もみられました。藤沢市や逗子市、茅ケ崎市など周辺の自治体も8%以上伸びています。
工業地は高速道路周辺の上昇傾向が続いています。整備中の新東名高速道路や横浜環状南線、横浜湘南道路の開通期待からインターチェンジ周辺の工業地で地価が上昇しており、消費地に近い中小規模の倉庫用地は、通信販売の拡大に伴い物流業者などのラストワンマイルの拠点として上昇しています。
全国的に上昇をみせた今回の公示地価でしたが、いずれの地域も「景気回復」がキーワードとなっています。特に観光地は完全なインバウンド効果が出ており、今後いかにして需要継続が出来るかが鍵となりそうです。それに伴う、マンション人気も今後まだまだ続きそうな勢いです。
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