
世界と比較した日本の人口流動とは⁉︎
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本日は、世界と比較した国内人口流動の話題についてご紹介したいと思います。欧米諸国では首都圏の人口割合が1割〜15%程度に留まるのに対し、日本は27%(およそ4人に1人以上)が首都圏に集中しています。OECD加盟37カ国の平均は2021年の16.9%をピークに低下傾向へ向かっているにもかかわらず、日本は世界でも極めて異質と言える「一極集中国」となりつつあります。

一方、世界に目を向けると経済協力開発機構(OECD)加盟国の6割で、首都圏への人口集中が和らいできました。住宅価格の高騰やリモートワークの浸透が背景にあります。しかしながら、日本は幾度も首都機能を分散させる構想が持ち上がったものの、一極集中が止まらない状況です。
国連の「世界都市化見通し2025年版」をもとに、OECD加盟37カ国(データがないオーストラリアは除く)の総人口に対する首都圏人口の割合によると、国連は人口密度が一定以上の一帯を「都市圏」と定義している。それに基づき都市圏のうち首都を含むところを首都圏としています。日本では1都3県(神奈川、千葉、埼玉)より少し狭いエリアを指すことになります。2000年以降のデータによると、37カ国の平均値は21年の16.9%をピークに下降に転じ、直近の推計値がある2023年も前年比で低下している状況です。ドイツやノルウェーなど24カ国で集中が緩和しています。
フランスは2023年の首都圏人口が前年比7000人増で、増加数は10年前の7分の1となっています。自然増の影響で前年を上回りますが、仏国立統計経済研究所の集計で、首都圏とほぼエリアが重なるイルドフランス地域圏では2017年から2023年にかけて年平均3万6000人程度の転出超過でした。
一般的に人や企業は集積が集積を呼ぶといわれています。インフラの共有による税負担の軽減や取引コストの低下、交流によるイノベーションの創出など「集積の経済」が働くためです。過疎化が続く地域ではこうした社会流動性を利用し、地域活性化や税収アップにつながるよう企業誘致に躍起になっているところもあります。一方で、集中が行き過ぎると交通渋滞による生産性の低下や、住宅コストの増加による消費の抑制などを招くことにもなります。住宅費の高さは都市部を離れる十分な動機になります。しかし、根底には価格さえ高騰しなければ都市部の利便性の魅力には惹かれるわけです。
OECDによると、過去10年間で住民数が150万人以上の都市圏では住宅価格が約68%上昇したというデータがあります。上昇率は25万~150万人の都市圏(50%)や10万~25万人の都市圏(37%)より高く、中間層でも手が届かない水準になっています。
そして、2020年新型コロナウイルス禍も影響しています。行動抑制の影響で都心での就業機会が減ったほか、リモートワークが普及したことが社会への大きな潮目になりました。アイルランドの首都ダブリンでは2022年に4780人の転出超過でした。同国の中央統計局は在宅勤務の浸透など現代的な移動パターンを反映しているとの見方を示しています。
一方、中央集権の傾向が強い日本では様相が異なります。首都圏への人口集中度は右肩上がりで、2030年には27.6%に高まる見通しです。韓国でも2023年の集中度が43.3%と10年の42.1%から上昇しています。
なぜ、このような現象が起こるのでしょうか?そこには、首都圏を選ぶ背景には高い所得への期待があるからかもしれません。パーソルキャリア「Job総研」が社会人を対象にした2025年の調査で、仕事をする地域を選ぶなら1都3県との回答が7割を占め、理由は「給与が高くなる」が最も多かったという興味深い意見もあります。しかし、1都3県の1人当たりの可処分所得は2015年に全国平均の1.118倍だったのが2022年は1.084倍に、ソウル首都圏も15年の1.143倍から1.117倍に下がっているのが現状です。高い住宅ローンや家賃に圧迫され、必ずしも「暮らしの豊かさ」には繋がっていません。インフラや企業の過度な集中地方都市の代替拠点形成が遅れており、ビジネスや雇用の選択肢が東京に集約されている構造がいまだに続いています。
こうした中、一極集中是正に向けた動きは広がっています。インドネシアは、過密状態のジャカルタからヌサンタラへ首都移転を進め、韓国も世宗市に行政機能の一部を移転しています。日本においても、東京と異なる産業が集積する拠点を育てることで、既存の産業が競争力を失った際のリスク分散になるのかもしれません。自然災害リスクへの対応を含め、一極集中の解消には一定の合理性があるのかもしれません。
その他、地方都市の機能強化にも期待したいところです。大阪は都構想など都市機能の強化に前向きです。立地の特質上、西と東で分散しやすい位置関係も利点だと思います。住宅費の相場に対しても東京と比較しても割安感があります。全国に目を向けても北海道の札幌、東北には宮城県の仙台、九州には福岡県の博多等、改めて地方都市の在り方にも注目すべきなのかもしれません。
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