
法改正による不動産小口化への影響とは⁉︎
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本日は、不動産の小口化商品の話題についてご紹介したいと思います。不動産の小口化商品はオフィスビルなどの持ち分を500万円や1000万円に小分けし、主に個人に売るビジネスモデルで、不動産会社がビルを開発し、テナントからの家賃収入を得て、管理費などを差し引いた分の利益を購入者に配当する仕組みがさまざまな側面から注目されてきました。消費者にとっては一等地のオフィスに少額から投資でき、資産を運用できる利点があります。小口化商品の市場はここ5年ほどでさらなる急成長し、足元の市場規模は年間約3000億円に上るとみられます。

不動産小口化商品は、1990年前後のバブル期には登場しましたが、目立って需要が高まったのはこの10数年ほどのことです。2015年の相続税法改正で相続税の課税対象者が一気に増え、節税ニーズから販売が増加したことが背景にあり、国土交通省によると、2023年度の「任意組合型」の出資額は558億円で、10年前に比べて8.5倍に増えていたと言います。購入者の大半は60~80代で、資産規模が1.5億~2億円ほどの富裕層でした。節税を狙った不動産投資はこれまで、タワーマンションを舞台にした「タワマン節税」が人気でしたが、行き過ぎた節税が問題視され、2024年以降は評価額が下がり過ぎないように計算式が見直されました。それも小口化商品の需要増の追い風となりました。ただ投資商品なのでリスクもある。市況が落ち込んで出資した物件に売却損が出れば、持ち分が「元本割れ」するかもしれない。そんな中、今度はこの商品に逆風が吹き始めています。国税庁は小口化商品が過度な節税スキームにあたるとして問題視してきました。まさに、タワマン節税の時と同じ見解です。政府・与党は2026年度の税制改正大綱で、2027年1月から相続・贈与税を算定する際の評価方法を路線価から市場価格に改める方針を示し大きな波紋を呼んでいます。先月からはパブリックコメントを始めいよいよ本格的な調整に入っています。
そうした各種メディアの煽りもあり、都心のオフィスビルを500万円などに分割販売する「不動産小口化商品」を手がける企業が需要減に直面しています。相続・贈与の際に実際の価値より低く評価できることから節税手段として広まったものの、国税庁が2027年1月にルールを変更する見込みだからです。実態は利回りや不動産投資への関心というより、相続・贈与税の負担を軽減する手段として広まったのも事実です。小口化商品は相続・贈与の際、市場価格に比べ割安な路線価などで評価するところに最大のメリットがありました。
路線価は市場価格に比べて上がりにくいことから、特に不動産の高騰が激しい都心のオフィスビルで価格差が大きく開いている。この「差分」が資産を実態より安く見せる手法に使われたというわけです。
しかし、そうしたスキームにメスを入れるべくルール改正の方針を受けて小口化商品などの需要は急減しており、開発・販売する不動産各社は打撃を受けているようです。大手の青山財産ネットワークは8月、2026年12月期の連結売上高の予想を、従来比26%減の287億円に下方修正したほどでした。データによると、株価は直近1年で3割ほど下落しているそうです。
その他、FPGは2026年9月期の小口化商品を中心とする「国内不動産ファンド事業」の販売額について、前期比47%減の505億円を見込んでおり、収益性の高い案件開発によって資産運用のニーズを取り込むことで販売回復を狙うとしています。ADワークスグループも2026年12月期、小口化商品の売上高を前期比78%減の50億円と見込んでいます。年間売上高の2割にあたる200億円を小口化商品が占めており最近タクシー広告でもよく目にするボルテックスは、2027年3月期に半減を見込むと発表しています。顧客の7割が節税目的だったため、需要が減ったことを各社見越しての発表かと思います。今後は、オフィスビルを開発し、法人の資産運用向けにフロアごと売る「区分販売」に注力する意向だそうです。
1棟マンションの小口化商品を手がけてきた同業種も、税制改正の方針を受けて販売を取りやめ、主力の賃貸マンション開発に集中するなど経営方針のシフトを余儀なくしている会社は少なくなさそうです。
一部では税制改正を控え、駆け込み購入や贈与も起きているといいます。国税庁は警戒を強めており、そうしたケースでは割安な路線価での評価を認めない可能性もあるとし網がけ強化がさらに続きそうな予感です。
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