
注目の2026年税制措置

国税が21件、地方税は18件あり、いずれも減税となり法改正が必要なものは今国会で審議中の税制改正法案に盛り込んでいます。残りは政令や通達の改正で対応する予定とのことです。3月末までに国会で原案通りに成立した場合、4月以降、順次変更する見込みになっています。
注目は、不動産取得税への緩和措置です。不動産取得税には小規模な取引向けの免除制度があり、この基準額を4月から引き上げることを発表しました。土地は現行の10万円未満から16万円未満に、建物の新増築は23万円未満から66万円未満となる予定で、改定は1973年以来53年ぶりとなり、減税額は年9億円ほどを見込む減税となります。さらに、固定資産税は課税を免除する資産評価額を2027年4月から上げるとも発表しており、建物は10万円上がって30万円未満に、機械装置などの償却資産は30万円上がって180万円未満になる予定です。1991年以来の35年ぶりの見直しとなります。減税額は年約39億円となる大きな減税措置となりそうです。基準額を下回る資産には納税通知書を送ったり、税金を集めたりする手続きが不要になり、市町村の事務負担が減る効果もあるため役所業務の効率向上も見込めます。土地は現状の30万円未満のまま据え置く予定で、バブル期の1991年当時より地価が下がっているためだそうです。
企業が従業員に払う各種手当に関する税優遇も拡充され、食事補助を一定額まで給与に含めず、所得税を非課税にできる制度は4月から限度額を月7500円と現状より4000円高くなります。深夜勤務者の夜食代補助の限度額も1回あたり300円から650円に引き上げ、いずれも1984年以来42年ぶりの変更となります。
そして、マイカー通勤者に支払う通勤手当への非課税制度は4月から長距離の新区分を設け、自宅からの距離が長いと非課税限度額が大きくなるような措置も検討されています。現状は片道55km以上の区分が最長でしたがこれにより長距離によるマイカー通勤車は負担が軽減されます。
その他、中小企業の少額資産取得に関する特例では2026年度から税優遇を受けられる取得額を40万円未満と現状よりも10万円上げる予定です。1台40万円未満のパソコンなどを購入すれば、同じ年度に全額を経費に一括計上して法人税負担を軽減できます。税優遇の対象となる取得額合計の上限は現状の年300万円を維持するそうです。
インフレ局面で非課税基準額を据え置くと、従来は課税されなかった資産や取引にも税負担が生じるようになり、実質的には増税となるため家計や企業の負担軽減など非課税制度が本来期待していた効果も低下してしまいます。それゆえ、過去の経験をもとに今回は減税措置に踏み切った感はあります。物価動向に応じて基準額を引き上げることで税の取り過ぎを防ぐことができます。
政府は2025年6月に閣議決定した経済財政運営と改革の基本方針で、税制措置を含めた公的制度の基準額を見直す意向を示しました。2026年度税制改正に向けて各省から見直しの要望を募り精査してきました。政府・与党は2027年度以降も引き続き基準額を見直す方針のようで、2026年度の税制改正大綱には「各措置の期限到来時や各年度の税制改正の中で、適時に必要な見直しを検討する」と明記したことも発表しました。
不動産価格高騰の対策の一つとして注目されるのは、外国人による土地取得などのルールのあり方です。政府が協調しているのは安全保障の観点で、物価高騰との因果関係は明確化されていません。土地の売買や利用に関する法規制を検討する意向は発表されており、2026年夏にも基本的な方針をとりまとめ、法規制へ骨子案を作るようです。争点は、規制対象を外国人に限定することが妥当なのか?という点で、差別意識への助長の観点から国際協定に反する可能性を検証するようです。現状は、大義として国籍を問わず重要土地利用規制法による規制はありますが問題視されているのは、都心3区のような高額エリアの不動産を外国人投資家や外資系企業が購入する需要が絶えない点です。世界的な非難を浴びずにどうこの問題を解消出来るか?物価高対策に結びつけることが出来るのか?こちらも難しい舵取りとなりそうです。
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