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マンション節税見直し案に早くも盲点指摘か⁉︎

税金関連

山田 恵二

筆者 山田 恵二

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当ブログ内でも過去取り上げてきている「マンション節税」について政府が公表した新たな見直し案が話題になっています。本日は、そんな見直し案の中で抜道として囁かれている死角要素についてご紹介したいと思います。

国税庁は6月末、マンションの実勢価格と相続税の評価額の格差を利用した「マンション節税」を防ぐためのルール見直し案を公表しました。(※過去の関連記事はコチラをご参照下さい)過度な節税に歯止めをかける目的ですが、富裕層に人気がある高級物件などが、制度の抜け道になる可能性があると話題になっています。現在、発表されている内容ではマンションを対象に新たに導入される相続税の算定ルールは、2024年1月からの適用を目指しています。都心部のタワーマンションなどは実勢価格が相続税の評価額を大きく上回る例が多く、マンションを購入して評価額を低く抑え、納税額を少なくする節税策が横行していることに対し、政府として対応する狙いがそこにはあります。

しかし、先日の日本経済新聞でも取り上げられていましたが、国税当局出身の税理士が東京都渋谷区の高級マンションを対象に試算したところ、従来通りの節税策が有効という結論になったそうです。試算対象としたのは「ビンテージマンション」と呼ばれる高級物件で、築年数が数十年以上にもかかわらず、立地やデザイン性などが評価されて近隣の物件より高額で取引されています。明確な定義はありませんが、専門業者の販売サイトで検索すると、都内で1億円以上の物件が50以上確認できます。特徴としては、とにかく「立地」の良さと低層レジデンスのデザインです。

なぜビンテージマンションは新ルールの対象外になってしまうのか?

新ルールは対象マンションについて、まず市場価格と評価額がどのくらいかけ離れているかを「乖離率」という指標で測定し、一定以上の乖離があると新ルールを適用し、新たな評価額を算定する仕組みだからです。乖離率は物件の築年数や総階数などをもとに計算するので、新しくて高層の物件ほど乖離が大きくなる傾向になる計算です。古くて高層でないのに数億円単位で取引されるビンテージマンションの特性を捉えにくい計算式といえます。

他にもマンション1棟を丸々、購入するような場合も新ルールの対象外となります。新ルールはあくまで、不動産の区分所有が対象だからです。ビンテージマンションや1棟買い物件を取得できるのは富裕層が中心です。新ルールの網がかからないならば不公平感は拭えません。この2点に関しては、今回の見直し案が実際に実施された後、市場の動向次第では今後も新たに議論され対応策の検討に迫られることになりそうです。

ただ新ルールの対象外でも、厳しい課税処分が完全に下されないわけではありません。国税当局の判断で評価額を決められる「伝家の宝刀」とも呼ばれる規定が現行の中にあるためです。財産評価基本通達の総則6項という規定で、過去にもたびたび、過度なマンション節税に対して適用されてきた経緯があります。多額の資金を借り入れた上で新ルールの「抜け道」となるような物件を購入して節税を図るようなケースなど、税逃れの意図が強く疑われれば総則6項が発動される可能性があります。

こうした借入金があるようなケースについて今回の通達改正の射程外ではあるものの、事例に応じて国税当局や裁判所が個別に判断することになと思われます。とはいえ、結局のところ国税庁としても「通達の定める評価方法については相続税法の時価主義のもと、より適正なものとなるように不断に見直している。問題があるケースは引き続き個別に時価評価を行い、適正な課税を確保する」としています。

いつの時代も金融庁や、国税庁が見直す改正案とのいたちごっこ感は否めませんが今回指摘される2点の節税対策案についても見直しが入りそうな予感はします。

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