マイナス金利解除は今後あるのか⁈
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本日は、住宅ローンの変動金利に影響を及ぼすであろう「マイナス金利解除」が今後どのタイミングで実施されるのか?について取り上げたいと思います。
連日の様に「円安」「株高」がメディアで報道されている中、外国為替市場では更に円売りが進んでいます。先日の東京市場では1ドル=145円台後半に下落し、約9カ月ぶりの安値を付けました。日銀はマイナス金利政策解除に関し、あくまで物価情勢に基づいて決めると情報発信しています。7月に長期金利操作の修正を決めた際には円安防止も意識したと明らかにしましたが、短期の政策金利の扱いは為替と直接結び付けないスタンスを示唆しているように解釈しました。しかしながら、結果それが円下落の一因になっています。
現時点でマイナス金利解除に関する日銀の考え方としては、引き締めが遅れて、2%を超えるインフレ率が持続してしまうリスクの方をより心配する状況になった場合と説明しています。物価情勢を基に政策変更の必要性を判断する姿勢を示しました。あくまで、マイナス金利解除の判断に至るまでにはまだ大きな距離があるという見解を示しています。日銀が7月に示した消費者物価上昇率見通しを見ると、2023~2024年度はマイナス金利の解除条件を満たしている印象もありますが、2025年度は不透明な状況です。解除予測としても低く、上振れリスクの方が大きいとの判断も示していません。こうした日銀の一挙手一投足に対し市場も、マイナス金利解除実現のハードルは極めて高いとの見方が大きい様に思えます。
7月の長期金利の政策修正でも、今まで金融政策決定で為替と距離を置いてきた日銀が、長期金利操作ではそのスタンスを転じ、円安がもたらすマイナス面も考慮する姿勢を示した点は市場に強い印象を与えました。しかし、その後も結果的には円安は進行しています。要因としては米長期金利上昇が大きいですが、日銀が金融緩和の大枠を継続する考えを強調し、マイナス金利解除に慎重姿勢をとっていることも関係していると思います。長期金利操作と異なり、短期の政策金利操作は伝統的な金融政策の手法であり、それまでが為替に振り回されるのは望ましくないと日銀は考えている様です。だからこそあくまで物価情勢を基に判断する姿勢を示すのだと思います。
日銀が依然為替と一定の距離を保つ背景のひとつが1980年代後半のドル相場暴落から派生していったバブル崩壊です。市場混乱を防ぐため低金利を長期化させた対応が資産価格のバブル形成の要因となり、その崩壊が日本経済に大きな混乱をもたらしたことが今なお教訓になっています。円安には輸出を促進したり、インバウンド需要を生み出したりするなどプラス面があるものの、輸入品の価格を上げ、家計に打撃となるなどのマイナス面も軽視できない状況です。さらには、低金利によりマンションなどの高価格帯の商材も物価上昇の追い風になっています。日銀は当面、長期金利のさらなる上昇容認で円安に対応する可能性があるものの、円の下落圧力が根強く残るようなら、短期の政策金利の扱いに対する市場参加者の声も気にせざるを得ないのかと思います。
しかしながらマイナス金利解除をした場合、住宅ローンの変動金利上昇による債権回収不能という最悪のシナリオが大きくのしかかります。こうした部分も含め日銀は慎重に判断しなくてはならないので、我々不動産業界においても今後の舵取りからは目が離せません。
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