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空き家問題解消に光明

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山田 恵二

筆者 山田 恵二

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本日は、全国で増加している空き家問題の解消に向けて、金融業界で新たな試みが始まる話題についてご紹介したいと思います。

全国に広がりるるある「空き家問題」ですが、人口減少の影響もあり年々増え続けています。総務省の調べによると2018年時点で全国には849万戸の空き家があり、30年間でなんと2倍に増加しています。こうした中、融資保証などを行なっている「オリエントコーポレーション(以降、オリコ)」は地域金融機関と専用ローンを全国展開し、三菱UFJ銀行はフィンテックなどと空き家活用に活かす動きが出てきています。コロナによる影響も落ち着いてきたことで、訪日客の回復による民泊利用などが見込めるため、地域の活性化や資金需要の開拓につなげる狙いがあります。

気になる内容は、「空き家活用」が運営する物件のマッチングサイト「アキカツナビ」で空き家を購入した人などに、オリコが事前審査し保証した上で、地銀などが最大1000万円(期間は15年)融資するというものです。全国の地域金融機関と組んで専用ローンという形で、全国展開していく試みです。北日本銀行、京都銀行、きらぼし銀行、滋賀銀行、島根銀行、筑邦銀行、千葉興業銀行、栃木銀行、福井銀行など25の地域金融機関と提携することが決まっており、滋賀銀行ではすでに200件の申し込みがあり、平均単価は400万円程度ということです。今後、オリコは他の地銀や信用金庫にも取り扱いを広げていくようです。

この空き家増加問題、実は金融機関にとっても由々しき事態で、新築・中古住宅の購入者向けに実行してきた住宅ローンも、年月が経つ中で核家族化や所有者の老人ホーム転居によって空き家となり、適切に管理しない家屋が増えることで倒壊や犯罪などのリスクが高まるなど、周辺の不動産の資産価値が下がる可能性もあり、地域経済に影響が出る懸念があります。これまでも自治体には空き家情報を登録する「空き家バンク」などはありましたが情報が不十分であったり、身近な相談窓口や対応する金融商品も少なくシステムができていても内容が追いついていない状態となっており細かい問題もありました。地域経済に詳しい金融機関だからこそ必要な資金を提供できるとみて、地域によっては旅館の廃業や人手不足で訪日客が宿泊できるような施設が足りないため、民泊利用などを前提にした空き家向け融資の需要が見込めるところに注目しています。

※過去の関連記事はコチラをご参照下さい↓


前述の通り、空き家に注目が集まるのは、新型コロナウイルス禍後の経済再開や円安で地方でも訪日客が増えていることも大きいです。日本政府観光局によると今年9月の訪日客数は約218万人で2019年同月の96.1%となり、新型コロナ前の水準をほぼ回復している状況です。海外の富裕層が定期的な滞在先として空き家を購入することもあり今回の動きは空き家解消のとっかかりの役割を秘めています。私も、先日渋谷に仕事で行った際に、駅前のスクランブル交差点で記念撮影をしている海外旅行客の多さに驚きました。数年前に「爆買い」で話題になったアジア圏からの旅行客ではなく、欧米各国様々な地域の観光客ばかりだったことが印象的でした。

以前のブログでも取り上げましたが、今年の6月には空き家の活用を促す改正空き家対策特別措置法が成立し、年内にも施行される見通しです。今回の特措法改正では管理状態が悪い空き家について改善勧告に従わない場合、固定資産税の優遇対象から外したり、住宅に用途が限られた区域でも空き家を店舗などに転用できるようになり、空き家活用の機運が高まる内容になっています。

※過去の関連記事はコチラをご参照下さい↓

その他、各金融機関でも様々な動きが出てきており、三菱UFJ銀行やみずほ不動産販売、解体工事仲介サービスのスタートアップ、クラッソーネなどは先月、「全国空き家対策コンソーシアム」を創設しました。参画する11企業・団体は空き家の流通や解体といった専門技術や顧客をもち、専門のノウハウを共有し、自治体からの問い合わせ対応や空き家対策の情報発信を担います。将来的には参画企業が、空き家の紹介や売買、融資、相続対策など必要なサービスを提供する方針だそうです。

今後、日本国内では人口減少に伴い中心部への一極集中化など過疎化についても問題視されていますので、地方の空き家に関しては、有効活用や安全面を考慮すると海外の富裕層による利用も視野に入れざるを得ないのかもしれません。

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