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「マンションVSホテル」用地取得戦が加熱!

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山田 恵二

筆者 山田 恵二

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本日は、新築分譲マンションの供給が大幅に減少している話題についてご紹介したいと思います。

新築分譲マンションは、ここ数年の間で価格の高騰が止まらない状況です。供給側(販売側)も表面的な価格自体を上げない代わりに専有面積を狭くして事実上の値上げを強いられている状況です。

そんな中、不動産経済研究所が先日発表した8月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンションの発売戸数は前年同月比50%減の728戸と大幅に減少しました。8月の供給戸数は1973年の統計開始以来、最低の数字で減少は5カ月連続となります。要因としては建築コストが上がる中、採算が見込めるホテルなどが用地取得を優位に進めていることもあり、マンション供給は低水準が続いています。地域別では東京23区が60%減で、東京都下で見ると9%減となりました。その他の県でも神奈川県55%減、埼玉県は7%減、千葉県は39%減と各地域で軒並み減少しています。そうした影響もあり、首都圏全体での消費者の購入割合を示す契約率は64%と好調さの目安である70%を下回りました。一方、8月の平均価格は32%増の9532万円と更なる上昇を記録しています。東京23区の平均価格は62%増の1億3948万円と4カ月連続での1億円超えとなります。建設費の高騰で新規の開発を見合わせるなどした影響で供給戸数が減少し、価格を押し上げており、時期をずらして小分けに販売する「期分け販売」が多く、新規の発売物件が少なかった影響も見られました。供給戸数は減る中、価格は高騰し希少性のようなプレミアが付いてしまうことが余計に成約率を下げてしまうように思え悪循環にも思いますが販売側も利益確保のための販売手法でもあり難しい局面を迎えています。

2023年の首都圏のマンション供給戸数は前年比9%減の2万6873戸と、バブル崩壊直後以来の低水準を記録しています。ピーク時から7割減です。2024年に入って減少ペースは加速しており、1〜8月の供給戸数は前年同期比22%減となっています。

神奈川(5995万円)や埼玉県(5382万円)、千葉県(5293万円)も同じ状況で価格上昇しています。1〜8月の首都圏の平均価格は7819万円と、港区で数億円の高額物件の大量供給があった2023年と近い水準にまでなってきています。初めて持ち家を取得する「一次取得者」にとって、新築マンションは「高根の花」となりつつあります。

マンション供給が低水準にとどまる背景には、国内外の投資マネーがインバウンド(訪日外国人)需要に沸くホテルに向かう中、開発用地の争奪戦でマンション勢が苦戦を強いられていることがあります。

入札でマンション用地として狙っていたのに、高利回りを狙えるホテル用地の方が良い条件が提示出来るということもあり他社ホテル開発用に落札されてしまったという事例は私のデベロッパー時代にも少なくはなかったです。ここ数年はインバウンドの増加を受け、特に浅草や上野などの観光地に近い場所ではホテルの開発事業者が用地を取得する例が増えており、買い負ける例が増えているといいます。

不動産サービス大手のジョーンズラングラサール(JLL)によると、2024年1〜6月の国内不動産投資でホテルが占める比率は16%で、2023年までの過去10年間の平均(9%)を大きく超えたといいます。分野別でもオフィスに次ぐ規模で、住宅や物流を上回るというから驚きの勢いです。社宅跡地など、マンション開発に適した土地が少なくなっていることも逆風となっています。大手デベロッパー各社は再開発による大規模なタワーマンションに力を入れてはいますが、時間がかかる上、案件も多くないです。そうした状況は、バブル期をほうふつとさせるような悪質な地上げも一部で復活しており、土地取得の経緯が後に問題となり、販売が中止になった例もあるほどです。

人手不足や資材価格の上昇も響いています。10年前は3LDKの部屋1戸あたりの建築コストは2000万円、5年前は2500万円程度だったが、今ではとうとう3000万円超でコスト計上して計画せざるを得ない状況にまでなっており、特に工期の長い建設工事に関しては請負当初の工事費よりも上昇し、当初計画していた販売価格よりも価格を値上げしなくては採算が合わないというマンションもあります。

各社とも仕様を落としたり、部屋を狭くしたりするが、特に販売価格が低い郊外では採算が取れないとして、分譲マンションの計画自体が減少しているとまで言います。郊外のマンション開発を手掛けるデベロッパーも足元では高齢者用の住宅や地方のマンションに軸足をシフトしつつあります。

都内でも、単価が低い小型の部屋など、採算を取りにくい分野も増えているため、大手デベロッパーも投資用などの資産形成を目的としたコンパクトマンションに切り替えることも今後増えてきそうです。

大手デベロッパーは収益確保のため量を追うのではなく、単価が高い好立地の物件に力を入れることで収益を確保する戦略を取っています。三菱地所は駐日英国大使館跡地(東京・千代田)などで超高級マンションの開発に取り組み、住友不動産は池袋や月島などで販売するタワーマンションの販売価格を周辺相場よりも引き上げています。ただこうなると、急激な価格上昇でマンション購入そのものを諦める動きが広がる兆しもあり、購入を検討していた人が賃貸に切り替えるケースも出てきています。不動産情報サイト「ライフルホームズ」を手がけるLIFULLによると、首都圏のファミリータイプの物件の賃料は8月時点で12万7814円と、前年同月から9%上昇していつようで、賃貸需要の増加が相場を押し上げています。

居住費のコスト高はマクロ的に考えると可処分所得を減らすため経済への影響も大きく、子育て世帯の直撃で少子化も加速しかねないと思います。今後、短期的に供給制約が解消される可能性は低く、消費者の買い控え傾向が強まれば、住宅設備など周辺産業にも波及しかねません。人気のある都心などは住宅需要があるためデベロッパーも開発用地を常に探しています。俯瞰で見ると供給過多にも見えるこの状況がいつまで続くか、難しい勘所かもしれません。

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