
新たな底地ビジネスの幕開け
皆様、弊社SANSHIN picksをいつもご覧いただき誠に有難う御座います!
本日は、いよいよ本格的に大型企業不動産の運用手法に変化が出てきた話題についてご紹介したいと思います。この話題は、とても興味深く以前より当 SANSHIN ピックス内でも取り上げて参りました。大規模な不動産を所有している各大手企業が、アクティビストからの提言で推し進めていく今後の「企業不動産」という固定資産の運用に新たな方法が定着していくことになりそうです。

ここ数年で土地と建物の所有権を分離し、土地のみを取引する「底地ビジネス」が拡大しています。物言う株主(アクティビスト)の要求もあり、企業が資産の効率化に向けて土地の売却を進めていることが大きな要因です。米投資ファンドのKKRやイオンリテールが活用しており、2026年には国内市場が累計10兆円規模になるとの推計もあるほどです。
底地とは、建物を他者が所有することを前提に借地権を設定している土地を指し、20~50年程度の定期借地権契約を結び借地料を長期で安定して得られる利点があります。建物の修繕や改装の投資がいらず、空室リスクも低いところに貸し手のメリットがあります。契約終了後は流動性の高い更地で返還されるため、資産価値が下がりにくいことも注目されています。拡大の背景には、企業による資産効率化の流れがあります。アクティビストらの要請を受け、企業は遊休資産を売却し、その資金を成長分野に再投資するようになったことが大きな潮目でした。
今月KKRは、傘下のタンク事業大手セントラル・タンクターミナル子会社が保有していた横浜市や堺市の用地を、総額90億円以上で売却しました。土地は賃貸に切り替え、建物部分にあたる石油などの貯蔵施設は継続使用します。その他、半導体メモリーのキオクシアも2024年、主力の四日市工場の土地をヒューリックに売却したうえで借り直す「セール・アンド・リースバック」に踏み切りました。不動産の含み益を企業価値の向上につなげる狙いがあります。
日本不動産研究所によると、底地の累積取引額は2023年に6兆4800億円と10年前から3.7倍に、取引件数は約2500件と5倍に増えているというデータがあります。取引額は2026年に9兆6500億円、2030年には16兆4200億円に拡大すると推計されます。
借り主となる企業が店舗や工場の運営継続に向け専門業者に買い取りを依頼するケースもあります。イオンリテールは7月、大阪府にあるイオンモール日根野店と周辺の土地について、底地取引の専業企業、地主と定期借地権契約を締結しました。もともと黒崎播磨が土地・建物を所有していましたが、資金確保を目的にいずれも売却する意向でした。店の存続を望むイオンリテールは建物を買い取ったうえで、地主に土地の取得を依頼し、地主は約9万m2の土地を80億円超で取得しました。今後はイオンリテール側は地主に対して地代の支払いが発生しますがそれでも、土地の取得代を抑えて店舗の営業を続けられる利点があるという経営判断になります。
また、建築費の上昇で開発が頓挫し、仕入れていた土地が売りに出る例も出てきています。大和ハウス工業は、建築費上昇で開発予定がなくなった横浜市内の用地約1万㎡を30億円以上で売却しました。跡地は商業テナントが土地を賃貸し、新規出店する予定だそうです。地主のような買い取り業者は、建物を所有者に長期で借し出すことで安定収入が見込めます。底地は不動産金融商品として、主に不動産投資信託(REIT)に売却することで収益を得る仕組みも構築されてきています。
こうした中、底地の仕入れ機会も増えてきています。地主の2025年1~7月の土地の仕入れ額は約700億円と、2024年(約600億円)を既に上回っており、固定資産を持ち続ける利点が少なくなっており今後の取引の主流になりそうです。底地は金融商品としての認知も広がってきています。地主が2016年に設立した底地に特化した私募REITの資産規模は約2500億円とも言われており、投資家への分配金利回りは4%程度と目標利回り並みで「ローリスク・ローリターンの金融商品」との評価がされています。底地は長期契約でテナントの退去リスクが低く、定期的な地代収入も見込め、安定資産として投資しやすいという性質は今後の新たな不動産ビジネスの主流になりそうです。ただ、都市部中心に賃料が上昇しており、投資先のなかでは相対的に見劣りしやすい部分もあり、地代を適正に引き上げられるかが今後の課題となりそうです。
まだまだ全国各地に多く眠る「宝の不動産」をどのように運用していくべきか、土地を所有することにメリットがあった昔に対し、新たな金策として企業の資産効率向上へ大きく舵を切り始めています。
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