
新築中古ともにまだまだマンション価格が上昇
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本日は、新たに高市内閣が発足し連日日経平均株価も最高値を更新している中首都圏のマンション価格上昇が勢いを増している話題についてご紹介したいと思います。

首都圏のマンションのうち、新築平均価格は3カ月連続で1億円前後で推移している状況です。要因は建築費の上昇に加え、適した開発用地の減少が高騰に拍車をかけています。世帯で収入のある「パワーカップル」の都心部への集住も根強い需要につながっています。
不動産経済研究所が公表する首都圏マンションの平均販売価格をみると、10年前の2015年全体に比べ2025年上半期は62.3%上昇しています。
マンション価格が上がった大きな要因は建設コストの高騰と言われていますが、必ずしもすべてを説明できるわけではなく建設物価調査会が公表する建築価格は10年前に比べ36.4%上昇という結果でした。販売価格に比べれば20ポイント強、伸びが小さいということです。販売価格と建築費のズレは2023年以降広がっています。2025年上半期と2022年を比べると、首都圏マンションの平均価格は4割強上昇した一方で、建設費の上昇は2割弱にとどまっています。建築価格は東京の鉄筋コンクリート造りのマンションを建築する際の指数を使っており、この指標は設備の品質向上などを織り込んでいないため実勢の建設費よりも伸びは弱めに出る傾向があります。ただ、品質向上を考慮してもマンションは建設費以上の価格上昇が目立っているように思えます。
では、なぜ原価以上に販売価格が上昇しているのでしょうか?法人企業統計から資本金が10億円以上の大企業の営業利益率をみると、不動産業は2024年度に15.9%で上昇傾向にありますが、2007年度と同水準になっています。バブル景気の影響が残る1990年度の18.1%を下回る数値です。建設業は6.1%で、全産業平均の7.8%を下回っている状況です。インフレに便乗して利益を上げる「強欲インフレ」が広がっているわけではないということです。
こうした中、課題として浮かび上がってくるのがマンション開発に適した用地不足です。不動産経済研究所がまとめた発売戸数を2015年と2024年で比べると、23区は55%減少しています。減少幅は首都圏(43%)、全国(24%)よりも大きい数値となっています。都心の工場や社宅跡、公有地の放出は減少傾向にあり、大規模な開発が手掛けにくくなっています。三菱UFJ信託銀行が2025年7月、マンションデベロッパーに土地の仕入れ状況をアンケートしたところ、「苦戦している」が73%だったそうです。前年の68%からさらに高まっています。理由の一つとして考えられるのが、インバウンド効果もあり、即効性のあるホテルや商業施設との競合が多く、適地の取得は難しくなっています。
マンション開発などを手掛ける三井不動産レジデンシャルの用地取得費は2024年度は1640億円で2022年度から上昇傾向にあり、各社の競争激化によって取得価格が上昇している可能性があることがわかります。
そして、マンション価格の高騰は供給側だけでなく需要側の要因も大きいです。1億円前後の価格帯についても、共働きで年収が高い『パワーカップル』や資産所得のある層の実需が旺盛となっており今後もその需要は増す傾向にあります。背景にある数字としても、総務省の労働力調査によると夫婦ともに年700万円以上を稼ぐ世帯は2024年で45万世帯と10年前の22万世帯に比べ倍増しています。全国的には人口減少局面に入っても都心の世帯数は伸びが目立ちます。東京都は都内の世帯数は2035年まで増えると予測しており、けん引するのは単身世帯ですが、夫婦のみの世帯も緩やかに増え、2045年に129万世帯になる予測を立てています。まさに、一極集中状態です。
今後、さらに都心を中心に価格の上昇が継続すれば行政による対応を求める声が高まる可能性があります。東京都は手ごろな価格で住める「アフォーダブル住宅」の提供を検討していたりと今後、高市内閣においても「住宅問題」が国の政策課題に浮上してくることもそう遠くなさそうです。
さらに、新築だけでなく東京23区の中古マンションの価格上昇も加速しています。9月の平均希望売り出し価格は前月比2.9%高の70㎡あたり1億1034万円と、初めて1億1000万円を超えました。新築物件の供給が細るなかで中古市場に実需層が流れているほか、日々の株高を背景に富裕層も中古物件への投資余力を高めているようです。東京23区の平均価格は、データが確認できる1997年1月以降の最高値を17カ月連続で更新しており、前月比の伸び率は7月(1.4%)や8月(2.3%)に比べて拡大し、1年の上昇率は37%に達しています。※不動産調査会社の東京カンテイによる発表(調査は事務所や店舗用を除いた専有面積が30㎡以上のファミリータイプの物件が対象)
我々も日々中古マンションの流通状況をチェックしていて思うのは、富裕層を買い手として意識した物件が市場に出てきて相場を引っ張っている印象が強いです。特に、都心においては専有面積の広い100㎡超高層階マンションが10億超えで販売されているのもざらにあります。
東京23区の需要の強さは成約件数の伸びにも表れています。東日本不動産流通機構によると、東京都区部の中古マンションの成約件数は、9月に前月比25%増の1995件で、この1年で56.6%増えています。東京カンテイによると、東京23区の価格上昇をけん引するのは都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)で、前月比3%高の70㎡あたり1億7550万円という数値になっています。これは、データが確認できる2004年1月以降の最高値です。都心部には富裕層の投資やセカンドハウスの需要が集まってきています。その中でも最も高いのは千代田区で、前月比1.4%高の2億5103万円となっており、経営者などに人気があるエリアで、流通戸数が少なく希少性が高いため、高値がつきやすい特徴があります。
これにより、東京23区内では都心部と周辺部の格差も目立ち、足立区と葛飾区の価格は4000万円台で千代田区の5分の1以下となっています。さらに広域で言うと首都圏(1都3県)全体では前月比2.2%高の6018万円となっており、神奈川県は1.0%高の4021万円、埼玉県は0.3%高の3028万円、千葉県は0.3%高の2821万円となっています。ここまで価格差が開いてくると広範囲に需要が広がりを見せそうですが、都心の一極集中需要はこの価格帯でも勢いが衰えません。
こうした結果を踏まえ総括として思うのは、東京23区では年内は価格上昇がまだまだ続きそうだということです。今後のマンション市場の上昇の勢いを落ち着かせるには今後の金融政策はじめ、外国人購入規制など様々に波及しそうです。
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