【NEWS-37】住民税額から逆算!人気エリアとは?
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本日は、総務省が公表している個人住民税額に基づき、高い伸び率を出している地域の話題についてご紹介したいと思います。
今回この話題を取り上げたのも、地域の価値(住みやすさやメリットなど)に比例する評価基準のひとつだからです。「納税額が多い=住民人口が多い」というのは、自治体の努力はもちろんのことですが地域としての客観的な人気指標の一つだと思います。
不動産業界も売買・賃貸ともに物価高が騒がれている昨今ではありますが、収入面においても2022年度の個人住民税の課税対象所得は9年連続で増加し、全国の約3割にあたる494市区町村がバブル期を上回る結果となり話題です。賃金上昇に加えてインフレ化による株式や不動産の売却益も寄与しており、都道府県で上昇率トップの山形県は、道路網の整備などで工場進出や特産の農産物の高付加価値化が進み、住民の所得を押し上げているようです。
今回取り上げるデータベースは、総務省が公表している個人住民税(所得割)の課税対象所得を納税義務者数で割って1人あたりの所得を算出しており、直近の2022年度と過去最高だったバブル期の1992年度を比較しています。(※個人住民税は前年の1〜12月の所得に課税するため、2022年度の課税対象所得は2021年の収入データとなります)全国平均の個人所得は前年度より10万円多い361万円と、1992年度より5%少ない水準まで回復しています。ちなみに、30年前の個人所得額を上回ったのは8都県(増率順で山形県・秋田県・島根県・東京都・熊本県・岩手県・福島県・宮崎県)でした。
都道府県別で伸び率トップの山形県は、県内陸部を縦断する東北中央自動車道が順次開通したことで、酒田港で国際ターミナルが整備されるなど物流インフラの充実もあって、企業立地や農産物の高付加価値化が進んだことが牽引している様です。
関東エリアも2022年度の個人所得で、東京都はバブル期を超え、栃木県、山梨県、群馬県はバブル期の9割台の水準まで回復しています。住宅インフラの整備や交通の利便性などを生かして人や産業を呼び込み、地域の活力につなげる例が目立っています。
2022年度の都道府県別の課税所得が全国一だった東京都もバブル期を0.9%上回りました。港区は全国トップの1471万円で、バブル期より60.6%増加しており、千代田区は11.0%、渋谷区も38.3%増という結果になりました。課税対象となる株式や不動産の譲渡所得などの増加も影響しているとみられます。こうして考えると、不動産価値の高騰も所得増へ寄与することで好循環な健康的インフレがおきています。しかしながら、これを維持し続けるのことは困難で、小さな綻びや刹那的なインフレによるバブル崩壊はまさに経済循環の結果でした。
話を戻します(汗)
そして、その中でも今回私が注目したのは東京都内の市区町村で個人所得の伸び率が4番目に高かった「江東区」です。その要因とみられるのが人口流入です。2022年の区の人口は約53万人と、1992年と比べて4割近く増えており驚異的な数字だと思います。その要因は、豊洲や辰巳、有明など臨海部工業地帯が住宅地に変貌したことにあります。江東区は人口の急増に対応するため小学校や保育施設の整備を推進し、2024年には新築ワンルームマンションの一部に家族向け住戸の設置を義務付ける条例を施行するなど幅広い世帯の居住を促しています。実際、当社でも江東区や隣の中央区の物件を多く扱っておりますが、過去20年間は特にタワーマンションの建設が全国トップクラスで多いです。それに伴う人口流入といったところだと思います。ここで、大事なポイントは江東区の位置する立地にあります。都心へのアクセスもよく、東京駅を中心にJR線はもちろん都営地下鉄や東京メトロ沿線も通勤しやすい場所に位置しています。さらに、都心の喧騒を忘れさせてくれる湾岸エリア特有の街づくりにも人気の理由があるのだと思います。「湾岸ライフ」という言葉が出来たのも、平日は都心へ仕事、週末は近所の運河沿いをランニングといったリア充なライフスタイルが定着していったところにあります。さらには、子供も育てやすい教育環境が整備されたことで人気の勢いは倍増していった感があります。教育熱心な家族の獲得にも成功したわけです。住宅物価も区内で最も高い「豊洲・有明」でも都心価格よりは落ち着いており、決して現実離れした価格帯で無いのも魅力の一つかと思います。今では、都内でも人気のベッドタウンとなり都心近隣区のなかではブランドを確立しました。
街づくりからの変貌により伸び率が著しかった江東区に対し、企業の成長や首都圏からの誘客が貢献するのは山梨県で、4町村の個人所得がバブル期を上回りました。忍野村は個人所得の伸び率が全国の市区町村の中で9番目に高かったことが印象的です。多くの自治体で個人所得はバブル期に近づく中、物価の上昇ももちろん続いています。怖いのは、過度な物価上昇が続けば、賃上げが追いつかず消費力低下につながりかねませんので今後も日銀の金政策の動向が気になるところです。
いまだに人口の一極集中化は続いていますが、各地域で企業誘致など面白い取り組みを行うことで以前ご紹介した様な「流山おおたかの森」のような若い世帯の取り込みも可能です。今回、地域別個人所得の伸び率が高かったエリアは税収入を今まで以上に獲得出来たわけですから自治体として、どの様に地域に還元出来るかかが今後の地域活性化及び更なる所得上昇につながる鍵になりそうです。
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